2016年9月29日木曜日

動きと台詞の連動に慣れる

9月29日 WakuWaku 担当 土井

今日は3幕から抜き稽古
途中から斎藤がタバコを吸いに行くまで。
山本はお茶の準備をしている時に黒田を追いかける事で動く距離が長くなります。
鈴村は笑いながら喋ったり、視線を外したりする事により自己防衛をします。ここでは火花が散るような事はありません。「えー」というのは、言いにくさから出るタメ、です。
麻雀の点の数え方も習いました。
6ページ後半から
山本は立ってお茶を入れながら喋ります。
動きが入ったり段取りが入ると台詞が抜けたりしますが、慣れてきたらスムーズに言えるようになります。
11ページ悦子の台詞から黒田の提案まで。
悦子の視線は上向かないように。
鈴村達は悦子と斎藤の会話になると麻雀の手を止め、悦子は淡々と姪の事を伝えます。

1幕
最初から3ページまで
動きながら喋るのが上手くなってきました。
早いトーンも慣れてきたので、駆け引きの遊びが台詞に滲んで来るようになるともっといいですね。
中島はツマミを食べながら喋ります。食べながら喋るとあどけなく面白いのです。首と手を送り出す癖がありますが、今回はそれを中島のキャラクターとします。少なくなるようにはしましょう。
7ページ中島と宮田、中島が出て行くまで
間の取り方の微妙な感覚です。
会話が成立しない、気持ちの悪さが残る程度の間です。相手への気遣いにより声のトーンをあげる必要はありません。
宮田、いい景色を見ても感情は乗せず。
直に座ると立っている人との目線の高さもかわり、ダイナミックになりますね。
2幕
邦夫は立って動くようになり、舞台が活動的になりました。動きと台詞が連動し、話しかけられても動きは止まらないように。
「サプライズですから」の後、間をおいて「はあ」、敏江の気持ちがわかります。邦夫に対して強く提案するところはどんどん強く突っ込みましょう。しょげた邦夫を上げていく感じは良くなりました。
前の人の台詞が「、」で終わっている時は、すぐに台詞を入れましょう。
電気を消してローソクを立てて登場する練習もしました。本当に真っ暗。そしてここでは帽子をかぶったり動きながら歌も合わさなくてはいけません、ここは何度も3人で練習しましょう。
感嘆の言葉は、やりにくくても思い切ってやってみましょう。
一巡して来週はまた、1幕からの稽古です。風邪が流行っています。体調管理くれぐれもよろしくお願いいたします。


2016年9月28日水曜日

齋藤孝の三色ボールペン情報活用術を使っての台詞覚え。

9月27日 そよ風ペダル 担当:梶川

筒井さんのお休みで代講と台風によるお休みがあり、なんだか久しぶりな感じの稽古です。

稽古自体は最後のシーンがまだ立ち稽古をしたことがありませんでした。

というわで、作品の最後までの段取りが決まりました。

作品作りはやっとこれからです。

常々から言われているテンポをよくするということ。

段取りが決まったとして、ではなぜその動きをするのかという動機を自分の中で明確にする。

役柄が置かれている状況を自分の中で明確にする。

自分の役柄とかかわってくる他の役柄との関係を表現するための演技をさがす。

そしてもちろん、台詞を覚える。



「声に出して読みたい日本語」で知られている齋藤孝さんが、三色ボールペン情報活用術という本を書かれています。

文章をラインで色づけして、平面の文章を視覚で立体的にする方法だと思います。

ネットで調べて簡単にルールをまとめると以下になります。

・赤――客観的に見て、最も重要な箇所
・青――客観的に見て、まあ重要な箇所・緑――主観的に見て、自分がおもしろいと感じたり、興味を抱いたりした箇所

これを台詞覚えに活用できないかと考えまして、以下のようなルールで台詞を色分けしてみてはいかがかと。

・赤――自分の台詞で相手の役柄から見て、最も重要な箇所(相手次に台詞を言うために必ず言わなければならない台詞。きっかけ台詞)
・青――自分の中で相手の役柄から見て、まあ重要な箇所(きっかけ台詞ではないが、補足的にあったほうが分かりやすい台詞)・緑――相手の台詞で自分の役柄から見て、おもしろいと感じたり、興味を抱いたりした箇所(自分の役柄にとってのきっかけ台詞を含む)

赤ラインは長台詞になるとその限りではありませんが、できれば一箇所かできるだけ少なく絞ったほうがいいです。

言ってしまえばやり取りを続けていくために、これさえ言えば何とかなるというような台詞です。

台詞覚えの時もこの台詞から優先的に覚えます。

青ラインは文意を通すための補足的な言葉です。

例えば外国の方や赤ちゃんに何かを説明するときに、重要な単語だけで話したりします。

この時に選ばれる単語がこの青ラインをひかれる台詞です。

そしてやり取りをつくるにおいて実はもっとも大事なのが緑ラインの言葉です。

通常の会話をするとき、相手の言っていることを聞きながら同時に自分の方でもいろいろ感じたり考えたりしています。

会話はキャッチボールでなく綱引きだという記事を以前書きました。

これはこの緑ラインともとも関係しています。

つまり相手の言っていることを聞きながら、この緑ラインの言葉が発せられたなら次の自分の台詞を話始める準備はできてしまいます。

それ故に相手の台詞の語尾に自分の台詞が重なる現象が起こりえますし、会話のテンポもここから生まれてきます。

自分の台詞だけに蛍光マーカーで線を引くという方法をよく見ますが、相手の台詞に印をつけることこそ、台詞覚えには大切なのではないかと思います。

いかがでしょうか、人ぞれぞれ合う合わないがありますが、余裕があればお試しください。

2016年9月27日火曜日

ぶっつけ本番で発表会。

9月27日 恍惚一座 担当:梶川

先週は台風で高槻市に暴風警報が出たので急遽お休みとなりました。

というわけで、三週ぶりにして最後の高杉さんのワークになります。

何はともあれ、作ってきたものの発表会となります。

1時間のチームごとの練習ののち、発表していきます。


狭いお部屋で全てのチームの声が響きます。


発表を始める前の高杉さんからのコメントがありました。

目指すところはセリフをいかに言うかではなく、周りの状況や目の前の相手をどう受け止め反応していくか。

反応したが故に生まれる行動の積み重ねが演技になっていきます。

発表後にそれぞれのチームへ高杉さんさんからコメントが送られました。

3ヶ月ワークをしてきましたが、見せる見せないの前の役者としての準備のところを学んできました。

面白くするとか、見ている人にどう表現するとかの前に役者として脚本の世界にどう入っていくのか。

脚本を実際に作ることで、脚本解釈について考え、表現の前にただそこに立っていることから始める。

そんなことを考えていきました。

それがあった上でどう表現にしていくかは、来週から山口さんとまたあらためて探求していきましょう。




2016年9月24日土曜日

わずかな動きによる舞台の絵の変化

922 WakuWaku 担当 土井

14時より第2幕の抜き稽古です。悦子の潜むトイレの位置が変わりました。邦夫と敏江の最初の場面を少しずつ止めながら、丁寧に練習しました。身体のわずかな態勢や台詞のトーンでニュアンスが随分変わります



15時からは第3幕、黒田と悦子の会話部分、台詞が追加されました。この芝居の雰囲気をさりげなく表現している言葉が入っています。まずは最初の場面より止め稽古。


黒田にとって、斎藤に対して軽い嫌味を掛ける事が黒田への友好の印なのです。

斎藤は立ち上がって自分の思考に戻っていく、あまり身体の向きをくるくる変えません。
山本、遠ざかる黒田に掛ける言葉、距離感を持たせるように。
鈴村、斎藤の空気を感じつつ、明るく話しけるも返事がない。なんとか空気をほぐそうとしています、軽く軽く。
山本がお茶を持ってくる時の絵が変わります
会話している2人と、1人の動き、斎藤が立ち、山本が一つずつ湯呑みを運ぶだけで随分と躍動感が出ました。
舞台が無人になり空虚な時間を取ってから、悦子が登場します。



1幕、3人が登場している場面を止め稽古。テンポが重要です。今日は椅子ではなく直接ゴザに座って動きました。
布団や座卓など、リハーサルまで使えないのがつらいですね
直に座っている人と立ち上がる人の身体の高さの違いにより、舞台に動きが出ます。
語尾のトーンを意識します。声の高さについて大町は地声に近い所でやるようにと。電話しようという悪趣味さが台詞に乗るといいですね。「何言ってるかわかんないですねー」は漫才調、
わかってるのにわかってないふりです。

独り言は自分が傷つかないように独り言を言っているようでいて、実は相手にも言葉をかけています。
台詞のなだらかなトーンダウンがうまくいきました。
たわいのない会話の裏での大町と信子の2人のアイコンタクト、目配せはし過ぎないように。



来週は3幕の抜き稽古からです。

2016年9月17日土曜日

明るくテンポのいい攻撃性

915 WakuWaku 担当 土井
今週より14時から15時の1時間、毎回一幕づつ、抜き稽古が始まり
ました。今日は第1幕です。中田さん手作りのちゃんちゃんこ、3人ともとても良く似合っています。
もっと「攻撃的になってみるように」と。これはケンカをせよという意味ではありません。40年来の仲良しだからこそ許されるものの言い方です。
中島は、相手の攻撃を「引きながら受ける」のでなく、「返す刀で切る」感じで行きましょう。宮田は中島の行動に一喜一憂しないように。独り言は相手にかけるかかけないか?と悩むところですが、見えた景色に対して感じた事を素直に、相手にかけないで言います。大町への「座ったら?」の台詞も大町と宮田の対比がよく出ていますね。




大町は、これからは「間を使い相手との関係性を作っていく技術」を身につけて行きます。


15時より、舞台監督さん、制作チーフさんを迎えての通し稽古。90分かかりました。もっと台詞がテンポ良く進んでいくようにしたいものです。

まず、「全体の流れを掴む」事です。
皆さん台詞のトーンは良くなってきました。
この度の上演までにどうにかなる事とならない事があります。
癖を直していくには、積み重ねが必要ですから、ゆっくりとあせらず練習しましょう。きっと少しずつでも努力の成果は見えるはずです。
台詞を思い出すために自分に籠る時間が出来ると、相手に対しての気持ちがおろそかになります。まずは、きちっと台詞や段取りを、覚えましょう。

1
出は手仕事をしながら動きます。今後、絵の変換を考えて立ち位置が変化します。

登場は下手から。

2
出の明るさが大事です。より明るく。悦子はネガティヴに何か言われてもいきなりポジティブで返せるキャラです。




3
黒田と斎藤は社会的な気遣いを除去し、バランスが崩れる方が上手くいきます。
山本と鈴村の場面では、山本はずっと鈴村の方を向いているのですが、自然な流れで向く時以外は、わざと観客の方を見る事はありません。




本日チケットが出来て来ました。観に来て下さる方にチケットをお渡しするドキドキ感、ワクワク感、ちょっと煩わしい事も含めて楽しんで下さい。来週の14時からの抜稽古は第2幕です。

2016年9月14日水曜日

何が難しいのかを知る。

そよ風ペダル 9月13日 担当:梶川

今日は筒井さんがお休みということで、私の代講になります。

先週のこともあってテンポよくセリフをやりとりして通すことを目指しました。

コツとして、相手のセリフは終わりにかぶせて自分のセリフを言ってセリフ頭の間を詰めました。

通しを見ているうちに、今回の脚本の難しさがわかってきました。

会話劇であり群像劇で、もっとわかりやすく言えば日常劇です。

なので日常と同じような会話のやりとりが舞台でされていることが大前提になります。

まずは自然体で自然なやりとりをしなければなりません。

少しでも不自然だと見ている側が感じた瞬間に作品は死んでしまいます。

当たり前のことですが、この当たり前が一番難しいのです。

自然なやりとりをするコツはいろいろあります。

まずは自分がどんな演技をするかでなく、相手役にどんな風に反応するかを考えることから。

しかし、繰り返し何度セリフを口にしたかももちろん大切で。

稽古回数はかぎられていますが、時間はあります。

自然体を手に入れましょう。

2016年9月8日木曜日

会話はキャッチボールか綱引きか。

9月6日 そよ風ペダル 担当:梶川

引き続き、稽古されてないシーンの段取り創作をしていきます。


段取りとともに筒井さんからテンポよくセリフをやり取りしましょうという言葉が。

一幕が書きあがったころにセリフの扱いとして、感情などを抑制したプレーンな演技について稽古をしました。
二幕に入ってからそう言えば段取りの稽古ばかりでプレーンな演技については横に置かれていたのかもしれません。
それゆえにテンポが悪くなっているのか、そもそもテンポを悪くしている原因はなんでしょうか。

今回の作品は俗に言う愛憎劇という面がありまして、後半になるにつれ感情というか情念というか役柄の内側のエネルギーがマグマのように燃えていきます。
私から見ると二幕なんかは日常を舞台にしているようですが、役柄たちは少しずつ狂い始めていて常識から少しずれ始めています。
なんなら日常の幕をかぶっていますが、ファンタジーというか空想(妄想)世界のようです。

なにが言いたいかというと、その役柄の内圧の高ぶりに引きづられてテンポが悪くなっている可能性もあると。
単純に技術として追いついていない可能性ももちろんありますが。
感情に引きづられるもしくは言い方を変えると感情を表現しようとするとテンポは悪くなりますし、同時に演技の説得力も減ります。
なぜなら感情を表現しようとした時には、呼吸をたくさん吸うとともに体が強張りがちになるです。

非言語コミュニケーションと言われますが、人間は言葉以外の表情や声音や振る舞いから無意識的に相手を印象付けてコミュニケーションしているということです。
同じくどんな呼吸をしているかということが、無意識的にお客さんや相手役者にある印象を与えます。
この呼吸を作為的にしてしまった瞬間に演技はうそ臭くなり、その役柄は舞台上で生きられなくなります。

息を吸うということにおいて、問題は技術的なことと感情の取り扱いということで2種類あります。
技術としては例えば、次に自分のセリフをいう時に、相手のセリフ終わりで息を吸ってから始めると、セリフの頭に妙な間ができてテンポが悪くなります。

思うのですが、これは「会話のキャッチボール」という言葉の呪縛ではないかと感じています。
ボールが一個しかないので、どっちかだけしか持てないわけです。
イメージとして持ってない方(聞いている方)は手持ち無沙汰になります。
なのでボールが来た時に改めて受けて投球フォームに入るという準備が余計にかかってしまいます。

正確かはわかりませんが、演技においては綱引きではないかと考えています。
「会話の綱引き」。
どちらもが引いていて、その時少しだけ力が上回って引いている方がセリフを言いますが、 引かれている側も引っ張り返そうと常に会話に参加しているので、相手の力が緩めば即座に引くことができ、そこに余計な準備はありません。
舞台において相手のセリフを喋っている時はボールのないお休みでなく、その時こそより多くの力を発揮して引き返そうと必死になっている時なのです。

そして綱が逆に引っ張られるのは相手のセリフ終わりではありません。
相手の力が衰えるか、自分の力が発揮される時です。
自分の力が発揮されるのはしゃべりたいという欲望が高ぶる時で、そのきっかけは自分が作り出すのではなく、相手が強く引っ張るからうまれるのです。

2種類目の感情の問題につながりました。
ここでも同じ説明になりますが、キャッチボールでボールを持たずに感情を扱おうとすると、ボールが来た時からの準備になります。
ではなくて、常々引き合っておいて、その力加減で感情を動かしましょうよと。
そうすれば余計な準備がなくなってテンポも維持されます。

しかし、ここで一つ新たな視点として、綱引きというのを想像して、見た目地味なんです。
つまり引き合いだけではお客さんは飽きます。
では何をするかというと押します。
「会話のおしくらまんじゅう」
引いていていきなり押したり、かと思ったら引くのに戻ったり。
もしかしたら二人でバランスを崩すかもしれませんが、それもまた面白いことです。
押し引きと考えていくとつまり、駆け引きということですね。
恋の駆け引きと言いますが、つまりは演技というのは恋に似ているのかもと「演技のかけひき」とまとめるのはうまくいきすぎでようか。

どうであれ駆け引きというのは相手の出方や状況に応じることで、相手をしっかり見定めないことには成立しません。
ボールも綱も入らなくて、手をつないで押し引きの力を加えれば演技はできるということかもしれません。

来週は筒井さんがお休みで私が代講です。
とにかくテンポよく演技ができることを目指して、通しをおこないます。


2016年9月3日土曜日

役柄チャートを作る

91 WakuWaku担当 土井

今日は自分の役についての「役柄チャート作り」から始まりました。
この芝居における自分の役の目的は何か?
まずは桃太郎を例に考えてみます。
目的をはっきりさせ、それを達成するための手段や条件を拾い、何故その方法を選んだのか、何故そうなったか、そして結果どうなったか、結末を書き出してみます。
目的がはっきりしている役があり、その働きかけに対応する役があり、どちらとも言えないけれど、結果的に進行をひっぱっていったり、見守ったりしながら、それぞれに大事な「目的」がある事がわかります。



チャート作りの後、先週2幕でしたように、1幕より「ニュートラルな読み合わせ」を3幕通して行いました。
芝居しようという気持ちを抑えて、フラットに読みます。相手の台詞の後にしのびやかに食いつき、普段より低い声で、雰囲気を出そうとせずにそのままの声で台詞に慣れていくように読みます。




故意に棒読みっぽくなる事に注意しなければいけません。
敢えて感情を押し殺してしまわなくていいのですが、流れている感情を拾いながらも、あくまでもかろやかに。
語尾が上がる、といった自分の癖をよく認識し癖を抜いて普通に読み抜きます。
文字から感じられる抑揚はつけますが、演技してやろうという感情は捨てて下さい。

稽古が進んでいくと、ここはこう演技しよう、といったものが固まりがちです。そしてその場面を稽古したいし、見て欲しいものです。でも、ここでちょっと原点に返り、客観的になる事が大事です。急がば回れ、でしょうか?

最後に持ってきた衣装を見て頂きました。衣装を合わすと色が重なっていたりする事がよくわかります。強い残暑の中で「初冬」の装いを想像する事になりました。



来週はお休みですので今度の15日の練習までに2週間、チャート作りをしながら自問自答して下さい。15日は舞台監督さんを迎えて通し稽古です。