2017年12月26日火曜日

普通の人と初対面。

2017年12月26日 そよ風ペダル 担当:梶川

先週に引き続き次回公演の脚本稽古です。
4ページ分配布されました。
そして二人芝居から三人芝居に発展しました。
二人のときは対等な初対面の二人でしたが、3人目が大きなボケを持ってきて、ツッコミと信じる普通の人とキャラクターに色合いが見えてきます。
お笑いの中での普通の人って案外大事です。
物差しになりますから。
ボケがどれだけなのかを指ししめ際立たせるために。
ものの大きさを知らしめるために横にマッチ箱なんかを置いたりします。
誰でも大きさが想像のつくものを置くことで大きさがわかる。
誰でも想像のつく普通の人を置くことでボケの面白さ異常さがわかるということです。
その色合いがあるとして、全体としては全員が初対面であるということ。
テンポではなく間でおかしみを表現するとして、この初対面感が間を呼びおかしみを連れてくるように感じます。
といってもまだ物語は始まったばかり。
会議は始まりませんしみんな揃っていません。
年明けの追加ページを待ちましょう。

最初のお客さま。

2017年12月26日 恍惚一座 担当:梶川

今日は2場→3場→1場の順に稽古を進めます。
その場に登場してない人は必然、客席から見ていることになります。
演出と同じ目線で作品を見る機会になていくわけですが。
自分ならばそこでの演技をどう演じるか考えるということですが。
もう一つ客席から見ながらのこととして、演出家つまり今回で言えば高杉さんのこだわりを知る。
同じ作品でも演出家が変われば受ける印象はもちろん変わります。
別に演出家のこだわりを見抜いて、その通りの演技を目指しましょうと言うことではありません。
役者にとっては演出家でさえ一番最初のお客さんです。
しかも理解のある方のお客さんです。
楽しませない訳にはいきません。
演出がこだわって想像できる範囲の演技をしていても、予定調和で面白みは少ないわけで。
だからといって突拍子もないないことしても仕方なくて。
演出家のこだわりや見たいものをわかった上で、そこを少し外して意表ついて面白みを出す。
演出と役者のあいだに上下関係はありません。
ライバル関係というのがいいのではないかと常々思っています。
客席でも役者は役者でいられるのです。

2017年12月22日金曜日

イメージを擦りあわせる

1221 WakuWaku 担当 土井

輪になり、「変形ビン バン ボイーン」を。変形は却って難しいものです。

発声練習では、鼻、口、喉、続いて、胸 、おでこ、頭頂部に手を当て、その振動を感じます。頭頂部に意識が集まると「頭のてっぺんから出る」という声になるのですね。
声を自分の後ろに向かってかけてみます。前にかけた時との違いは、どうでした?




前回の続きのワークを。
まず1人で。「頭で考えず、イメージが沸くのを待ち、従う」
今日、感じたことは・・・。

階段を降りて行ったら海が見えました。怪しい船が見え身体が寒くなります。

壁を見ていたら竜巻に見えてきました。怯えて逃げます。

犬が見えてきました。そして川が見え、其処は河川敷、ボールが飛んできます。

森で道に迷い、蹴つまずきそうになります。まだ明るくそんなに不安ではありません。

お母さんから聞いた話を思い出しました。戦後、大陸からの引き揚げ船の中。私は母の胎内にいます・・・(お母様からのお話はどれも貴重なお話だと思います。大切にして是非これからも記録し残してください)

ただ其処で「生きる」。行動することによって絵が見えても来ます。そして感じたことは見ている方に伝わります。

次に2人で。お互いのイメージを擦り合わせます。
必要ならちょっとだけ喋ってもいいことにします。
知らない人に話しかけるトーンやきっかけに無理がないように。

動きでそこは神妙な場所に。お墓詣りです。
「擦りあわせる」のと、「合わせる」の違い・・・相手を追い過ぎてしまったかもしれません。



エレベーターの中。立てた人差し指でピンときました。相手が遠くにいたので、
どう引き寄せるのかと心配でした。
エレベーターは皆が同じ方向をむく特異な場所。密室で話が途切れる気まずさを感じます。


電車のホーム、20分待たなければならない事になりました。
自分から場所(乗り物の中)を特定する動きをしていいのかどうか、躊躇してしまいました。実は相手も乗り物を待っていたのに・・・
20分・・・時間を早送りせずに、リアルな時間を生きましょう。

最後に全員で「病院の待合室」
背中合わせになったベンチ2つと離れたベンチ。何処に座りますか?
2番目の人が1番目の人のすぐ横にすわり、3番目の人がまたその隣、4番目の人はその裏側、5番目でようやく離れる結果に。予想を裏切られる結果は面白いです。

芝居では、普通言わないことを言わなくてはいけませんが、普段自分ならどうするかをまず考えてみた上で、自分とは違う役を生き、言葉を発します。

冬休みの宿題、ひとつは先週の体操、1,2,3,4,5,6,7,8まで!

もうひとつは、戯曲「見よ、飛行機の髙く飛べるを」(作:永井愛)を読んで感想を書くことです。多くの登場人物の名前をいちいち確認などせず、どんどん読み進むのがコツと、先生からのアドバイスです。さて、なかなか忙しい年末になりますね!良いお年をお迎えください。


2017年12月19日火曜日

日常会話の再現。

2017年12月19日 恍惚一座 担当:梶川

稽古を見ていて、ふっと日常会話の再現という言葉が出てきました。
だからどうということ、語れることもないのですが。
舞台上で日常会話を再現することが可能か、もしくはする必要があるのか。
休憩時間になって、みなさんが喋っている会話に耳をすまして。
おしゃべりは無意識な相槌や喋っている同士の会話のテンポが近づいていったり、なんなら喋り合っているはずなのに同時に喋って、それをお互いに聞いているという高等なこともおこなわれているのだなと。
喋ると聞くを同時に二人共がする。
そこにさらにもう一人入ってきて三人になるとさらに複雑に。
複雑さということの中でノイズがたくさん含まれているのだなと。
脚本や演技としたときにそれらのノイズが削ぎ落とされる、いや、あえてそれは削ぎ落としているのかもしれず。
日常会話の再現を目指すわけではないのですが、稽古と休憩中の発話を比べて、どうであれ会話している人同士が影響されあってテンポが近づいていく、テンポよく会話のキャッチボールができるというのが重要に感じたということなのでしょう。
さておき原因はセリフを覚え始めて脚本を手放そうとしてのたどたどしさ。
いつもの言葉ですね、早くセリフを覚えましょう。

2017年12月15日金曜日

自然に湧き上がってくるイメージを拡げていく

12月14日 Wakuwaku 担当 土井

「苦手!」な身体の動きに挑戦。
右腕三方向、左腕二方向で上げ下げしながら、脚を横に開閉、左右縦に開閉する。これを8カウントまでスムーズにやれるよう練習し、年明けに発表していただきます。(お正月の運動に是非!)



今日は、表現しなければならない強迫観念から解き放たれ、ひとり、言葉のない時間を過ごします。
何も決めず、浮かび上がってくるものを待ちます。そして動きます。浮かび当たったものを見せようとはせず感じたままに動いて下さい。後で人が感じた事と比べてみるのも楽しいですね。



次に2人で同じことをします。舞台には何もありません。2人は見知らぬ同士。2人で相談せず、言葉を使わず、意思疎通は無くていいのです。相手を見て、相手との関係性で自分も何か感じて動きも変わっていきます。

雨宿りしている人と山に登り景色を眺めている人
どこか噛み合わない視線が却って面白いですね。
机や椅子がないと屋外になり易いのかもしれません。初めのイメージに固執せず動きましょう。

美術館にいる人とハローワークにいる人
相手をどう感じていましたか?話しかけたそうでしたね。

広い広い草原にいる人、後ろについて来られたので鬼ごっこしているイメージを感じたそうです。
もう一人は京都三条の人気のスイーツ店で並んでいますが、童心に還って男の子を従えようとしている自分を思います。相手との関係性で自分が抱くイメージが変化していくのがよくわかります。



言葉を入れていいとしたら、どんな言葉がくるでしょうか。
頭から決めず、動いているうちに自分の中に沸き上がるイメージを拡げていきます。
自分のイメージ通りにならない相手を裁かず、相手に影響をうけて自分のイメージをスライドさせ、
起こった事を受け入れる事が重要です。

2017年12月12日火曜日

会議劇に挑戦。

2017年12月12日 そよ風ペダル 担当:梶川

再開2回目です。
次回公演の脚本が配布されました。
というのも筒井さんの今後のスケジュールの関係で、春先には脚本を完成させて配役も決めて公演稽古を開始したいと。
となると今から執筆を開始してと、少し焦り気味のようです。
筒井さんからの作品に対してのコメント。
そういうジャンルがあるかはわからないが会議演劇。
前回はテンポの早いやり取りでしたが、今回はゆっくりじっくりとしたやり取りになりそうだと。
まずは登場人物2名のシーン4ページ分。
得られる情報は緊急の何かが起こったようです会議のために集合がかかっている。
この二人は初対面である、気まずい。
配役が決まっていないので、筒井さんから言われたペアでどんどん交代しながら演じていきます。
ペアが演じ終わるごとに筒井さんからの演出が入り、それは続いていくペアに引き継がれていきました。
重いものを持つパフォーマンスや間について。
しばらくは配役を決めず作品のため、または脚本を使っての演技WSとして進めていきます。
どうであれ、大変なことはなにか、なぜ緊急で集まっているのか。
作品の続きがきになるところです。

日常感とコミカル。

2017年12月12日  恍惚一座  担当:梶川

先週の稽古が全シーン途中までだったの続きからムードの確認です。
合わせて演技のニュアン関しても少しづつ話が入っています。
高杉さん演出(演技へのこだわりでもありますが)で重要にされるのがただそこいることではないかと想像します。
今回の脚本も言ってしまえば事件や大きなドラマがあるわけではありません。
日常の会話の中でフッと姿を見せる人の本音や思索、そんなことが魅力なように感じます。
それを日常感とでも名付けるとして、そうだとしても見世物なので見ているが方へのサービスとしコミカルなシーンも用意されています。
コミカルに関してはやりすぎるくらいに自由に思いっきりやったらいいと思います。
稽古でいろいろ試していけばいいなと思います。
やりすぎるとして、難しいのはコミカルしようとすると、そうしようとしていることが見抜かれて大概うまくいかないと。
コミカルにせずやりすぎる。
どうやりすぎるかと言えば真面目で、真剣で、本気であるということ。
はい、やりすぎてください。
として、果たして日常感とコミカルをどう両立させるか。
どちらも演技ですから根底では同じことなのですが。
端から見ていて少し思うのは、やはりいつも通りにテンポと緩急。
独特の言い回しかもしれませんがセリフを持ちすぎている印象です。
相槌が多い作品で、その相槌一つ一つい意味があるわけではなくテンポを出すためにあると。
ならば相槌は捨てるくらいのつもりで。
だけでなく日常会話にはそんな大層な意味なんかはないわけで。
全般的に捨てていく感覚でセリフを発していければと。


2017年12月8日金曜日

公演を終えて

127 WakuWaku 担当 土井
公演から1ヶ月、稽古再開です。
久しぶりに、「人間知恵の輪」、「ビンバンボイ〜ン」で身体を暖め解します。そして「大きな栗の木の下で」をちょっと意地悪な指揮に従ってリレーで歌います。これは、身構えて動くのではなく、指示される変化に素直に対応する訓練です。
身体を暖めた後は、静かに内に篭り、「蜂蜜を体にかける」動きを。蜂蜜が垂れる感覚、ネトネトした甘さなど、十分に感じてみましょう。


そして発声練習へ。身体をポンプにして充分深呼吸した後、ハミングで空気の振動、自分の身体の振動を感じながらハミングから発声へと進みます。周りの人の声も感じて応じます。訓練を積むと空間、ベクトルを意識して声を出せるようになります。

後半は、「『遠くに街がみえる』の公演を終えて」、というテーマで2人ずつフリートーキング。重なる部分もありますが、項目別に記してみました。

本番では・・・
感情が入って台詞が出なくなった。ウケると思うところでウケず、意外なところでウケた。役をもらった時は出来るか不安だったが、やって自信が出た。先生の期待を裏切ったのではないかと、いつになく過ぎたことを悩んだ。敢えて2回同じ台詞を言っているのかどうか観客の捉え方はわからないが非常にウケていた。舞台上で助けあう事で、いい人間関係を作ることが出来た。

稽古を通して・・・
忙しかったが充実した時間だった。充実して楽しかった。稽古時間が少なく不安だった事がキツかった。
自分の事で精一杯で殺気立ち、チームワークが最後までできなかった。自主練で殺気立った。ダメ出しの後もう一度やりたかった。ダメ出しが無い所は非常に悩んだ。

観に来てくれた方から・・・
来年も呼んでほしい、声かけて欲しいと言われた。内容がわかった、面白かったと言われた。いい話だと言われた。鬘をかぶろうと貴方は貴方と言われた。台本を渡されて理解できるまで時間がかかったのに、1回公演を見たお客様は内容をよくわかってくれた。

衣装等・・・
着替えが大変だった。着替える服を上演中に袖から袖にちゃんと移動できるか心配もあった。衣装のためにダイエットしたが、本番(体力が?)落ちすぎた。


そして・・・
(この台本で)他の役もやってみたい。3回とも満足はいかなかったので、もう一回やりたい。詰めて行ってもう一度やりたい。
役は好きになったがある部分消化できなかった。自分より10年下の世代の高校2年生を演じるのは難しかった。
日常と違う役をやりたい。来年はもうちょっと違う自分を見せたい。WakuWakuで進化したい。

「殺気立った」という意見が複数あったので、どうしたら殺気立たずに居られるかを話しあいました。稽古を録音して、先生の言われた事をもう一度ちゃんと聞いてみる。動きの段取りを守る。他の人へのダメ出しを自分にフィールドバックしてみる。等等。


人生いつもこれからです。またスタートできます。生きて行きましょう。『遠くに街がみえる』のテーマのように、また新たに歩んで行きましょう。「もう一回、この芝居をやりたい、違う役でやってみたい、もっと詰めてやってみたい」という感想、とても頼もしく思いました。実現したらいいですね。

2017年12月6日水曜日

脚本と演出。

12月5日 そよ風ペダル 担当:梶川

本番後の一ヶ月のお休みをしての久しぶりの稽古です。
というわけで久しぶりの運動です。
ゆっくり丁寧におこないまいました。
今日は前回公演の振り返りです。
発声の最後にいつも周りの呼吸をはかって一声揃えるわけですが。
一ヶ月のブランクを感じました。
揃わないものですね。
またここからあわせていきましょう。
振り返りは、みなさんが周りの方から言われた感想を共有していきます。
なんとなくの印象で今作は賛否両論だったようですね。
前作と今作を比べて話されることもあったようで、傾向として前作が良かったという方は今作は否定的、前作がイマイチという方は今作が良かったと。
演出家が変わったのという声さえあって。
これはストーリーに重きを置くか演出やパフォーマンスに重きを置くかの違いによるように思います。
これは役者さんと筒井さんとの創作のやり方についての話にも発展していきました。
曰く、もっと役柄のことやお話のことについて稽古中に話し合って作っていきたいと。
これは脚本解釈の話ではないかと。
そよ風の創作は脚本からではなく、演技から、演出から始まるように思うのです。
なので今そこでどんな演技があるのか、つまりはどんな素材があるのかを筒井さんが見て創作の方向が決まっていくのだと思います。
そういう意味ではどんどん筒井さんが志向する創作環境に近づいていっているのでしょう。
演出主体の創作が次回にも続いていきそうです。

2017年12月5日火曜日

気を分ける、気が分かる。

12月5日 恍惚一座 担当:梶川

今日は声のことから。
発声をおこないました。
作らないで声を出すことを知ります。
現代演劇、会話劇においては普段しゃべっているときの声の延長に必要な発声があります。
普段の声のまま広がりのある声、直線的な声、後ろへ向かう声と方向を変えることを味わいます。
声のレパートリーが広がっていくことを目指したいところです。
今日はシーンごとにキャラクターの演技ではなく、全体の流れやテンポについて考察していきます。
つまりは雰囲気づくりです。
雰囲気って何でしょう。
英語ならばムード、漢字に注目するなら雰に気配や気分、周囲という囲みに気。
普段使わない雰と使うけれども概念的で曖昧な気。
辞書で調べるなら以下のように出てきます。
その場やそこにいる人たちが自然に作り出している気分。また、ある人が周囲に感じさせる特別な気分。
気分ですね。
気を分ける。
雰は雨冠に分。
分。
分の八には左右にわけるで刀はわける道具。
分には別々にバラバラにするという意味があると。
気をバラバラにしていくことだと。
気が何かを保留にしたままなので結論は出ないのですが、自分という一つのものをどうバラバラにするかかなとか。
分を使って分かるとなるのも、また興味深いです。
とりとめない話になってしまいましたが、まあシーンのムードを作る稽古をしましたと。
ムードを入り口にしてキャラクターや演技にふみこんでいきましょう。