2017年5月31日水曜日

タイムカプセルは埋まっているか。

5月30日 そよ風ペダル 担当:梶川

追加脚本は6ページ分。
不穏な空気が流れてまいりました。
タイムカプセルを掘り返すというあらすじであることは以前に書きました。
果たしてタイムカプセルは埋まっているのかという謎がありつつ、キャラクターそれぞれも謎を秘めており。
タイムカプセルを埋めたことを覚えてないやら、埋めたけど中身はわからないやら。
さまざまな証言があるわけですが、その証言が真実かどうかはまだわかりません。
嘘を言っている可能性もあるのです。
みなさん自分のキャラクターの真意はわからないまま演じているわけで。
埋めたこと覚えてないというグループのキャラクターで演じている役者さんが、最終的には嘘をついていて埋めたことを覚えていて隠しているのかもしれません。
情報の足りぬまま演技するというのはどんな感じなのでしょう。
さておき、まずは目の前の相手とやりとりをすることから。
すべてを自覚することも不可能なわけですし。

2017年5月30日火曜日

本番のための本番。

5月30日 恍惚一座 担当:梶川

いよいよ最終稽古です。
まあ自主練習が明日もありますが。
そして先週の稽古からの間にも自主練習があって。
完成度がグッと上がっています。
コメディができあがりました。
そしてここにきてオープニングの演出が変わりました。
あちらのスタッフさんに連絡せねば。
福岡公演、準備は万端で、本当に楽しみです。

2017年5月26日金曜日

会話しつつ、自分の中に入る・・・バランス

5月25日 WakuWaku 担当 土井
気配を感じ、順に「座って立つ」ゲームから。なかなか人の動きを見抜くのは難しく、惜しいところまでいくのですが失敗。
発声練習の後は、今日も引き続き1場を練習します。
役はまだ決定していません。本役ではないですが、決められた事を守らなくてはいけません。演出が他の人に言っていることも自分に言われていると思って稽古しましょう。
舞台も引き続き細かく設定されていきます。例えば、時計は掛け時計ではなく腕時計、寮の玄関は開いているので、ドアを開ける動きはありません。窓は正面にあります。

幕が開くと(本番では灯りが入ると、ですね!)田所が一生懸命掃除をしています。そこに現れる縁子は、若い頃を思い出し、不穏な気持ちになりながらも田所と社会性を持った会話をします。
会話しつつ自分の中にも入る、このバランスをどう取りましょうか?
田所は彼なりの社交性で語りかけます。悪気はないが相手に対して鈍感。ある時相手の本当の気持ちに気づきます。
そして対応の変化。

  相手を見て感じながら演じましょう。動きと台詞は別々ではなく連動します。


無邪気な田所をうまく演じています。相手の呼吸を読み、ここは相手が「鬱陶しくなるタイミング、音」で台詞をかけていきます。
縁子は可笑しくなくても笑いを混ぜると、気持ちをごまかしている感じが出ます。


お茶を入れる時間、長い1分です。とりあえずは30秒で。
この間を無言で立っている縁子。観客の視線が絞られる場面ですね。この「間」をどう生きるか?


台詞を言う声が「色っぽい」と言われたマダム。自分の知らない自分発見ですね。相手と横並びにならず舞台の奥行きを使うように、土井、気をつけます。



縁子の気持ちをバランスよく表現しています。
芝居の流れを途切れさせない為、台本を見て練習していいのです。雨漏りした天井を見上げる視線の誘導、これだけでリアルな空間が現れます。
「耐震性」にうらみがある?訳ではないですね。

相手役と立ち位置。

5月23日 そよ風ペダル 担当:梶川

引き続き対面舞台で立ち位置について考察していきました。
演劇用語として客席から舞台を観て右が上手、左が下手と呼びます。
さて、対面舞台のときはどちらが上手でどちらが下手なのでしょう。
という問題がでてきまして、便宜的にこれまでの舞台で客席を作っていた方をメイン客席と考えてそちらからの方向で上手、下手を呼ぶことしました。
稽古では今誰にしゃべっているのかを明確にしていきました。
脚本を見ているとわかりにくいですが、目線をあげて相手役を見るだけで発見できる演技があります。
作品の質がさらに深まりました。

リハーサルのためのリハーサル。

5月23日 恍惚一座 担当:梶川

本番が迫ってきました。
来週の週末には福岡にいるのです。
というわけで、福岡のスタッフさんに作品を事前に知ってもらうために通し稽古を録画しました。
録画した動画データを劇団員の方に圧縮してもらってネットを介してやり取りします。
良し悪しありますが、本当に便利になったものです。
この便利さと逆行するように面倒くさい演劇の創作をしているわけですが。
便利さに価値があるように、この面倒くささにも価値があるのです。
通し後はシーンとシーンのつなぎ、いわゆる場転稽古というのをしました。
本番前日にリハーサルがありますが、フェスティバルなので85分しか時間がありません。
仕込んで一度通して終わりという時間です。
実際の舞台では最後まで通したいので、場転については事前に最善の準備をしておきたいのです。
福岡のスタッフさんにきっかけの書かれた脚本を発送し、こちらでもきっかけの演技を確認し。
本番はもちろんのこと、リハーサルもうまくいくように祈るばかりです。

2017年5月19日金曜日

台詞の裏にある、台詞にならない感情

5月18日 WakuWaku 担当 土井

発声練習。「広がりのある声」この時、自分の内側ではなく、外に意識を集中させ、相手の声に共鳴します。
「直線的な声」は真っ直ぐに届く声です。なんというか、この声をだすと腰が引き締まるように感じます。

台本は、20頁まで出来上がりました。今日も誰がどの役でもなく、読み合わせをします。役を決めない練習のメリットは全員が全員の役を追体験できる事です。


さて3時18分より読み合わせを始めました。先週配布された分にも変更があるので、新しい台本を最初から読み合わせです。途中、1分2分、質問で時間が進みましたが4時に全てを読み終わりました。約40分程かかったようです。

景色も人も、変わったこと、変わってないことはなんでしょう?時間が流れていく様子を伝えたいですね。
後半、話はドラマチックに展開していきます。


演じてみてお客様にわかりにくい点があれば、変更していきます。途中質問があった、時間がオーバーラップする場面など、やってみて感じがつかめるというものでしょうか。

さて1場の前半と後半、先週練習した部分を止めながらの立ち稽古です。
始めに舞台設定を頭に入れます。実際には見えない窓の位置なども共有します。

田所は掃除しながら、時計を気にしています。そんな細かい設定を盛り込みましょう。
縁子が寮に入ってくるとき、田所の台詞にかぶるくらい、間を置かないで。
お茶を入れる時間はちゃんと取る。
縁子は懐かしいだけではない、何か怖い感情を持ちながら、42年前に暮らしていた場所に居ます。窓の外の景色も変わっています。
台詞の裏にある、台詞にはならない感情、難しいですがそれを表現したいものです。


「新しい寮」のある校舎は舞台奥にあるということで。
縁子は寮を確認しながら、田所の言葉を聞いていて聞いていない、でも噛み合わせはあります。
田所は縁子の様子を見ながら、軽く明るく、サービス精神旺盛に対応します。
縁子は社会性を忘れないよう、表意的にしゃべっているだけなのに、田所が返事をしてきて、だんだんと居心地が悪くなります。自分の想いに没頭したいのに田所にじゃまされているのですね。
縁子の表向きの田所に対する台詞と、全く違うことを思っている内面、この二重性、二面性をどうバランスをつけて演じるか?

来週もニュートラルな気持ちで色んな役にトライしましょう。


2017年5月17日水曜日

対面する舞台。

5月16日 そよ風ペダル

脚本稽古が続きます。
今日の追加ページで穴を掘っていた男性役柄は女性陣に手をとられ退場していきました。
ここを無人にするのもということで数人が残り。
つまりは全員出演からはシーンが進んでいきます。
まだ始まったばかりなのでわかりませんが、舞台上にいる役柄といない役柄のあいだで情報の差異が生まれてくるのでしょう。
その差異がストーリーの面白みに繋がっていく可能性もあります。
自分の役柄が何を知っていて何を知らないのか、そのうち整理する必要があるのかもしれません。
さておき、さしあたりの課題は立ち位置です。
通常は客席と舞台は向いあっているわけですが、今回は舞台の周りを客席で囲みなり、舞台を挟んで両側に客席がある、いわゆる対面客席なりに。
つまりはこれまではお客さんの視線は一方向として考えれば良かったのですが、今回は多方向になります。
どちらかに向き過ぎると、背中しか見えないお客さんがでてきてしまうわけです。
だからといって不自然な動きをするわけにもいきません。
どこに位置どるかというのが課題になっていきそうです。

2017年5月16日火曜日

絶妙なマッチと再現性。

5月16日 恍惚一座 担当:梶川

今日の稽古は前回の通しで気になったところを重点的に繰り返しました。
今回のお芝居はコメディ要素が強いので、お客さんに笑ってもらう必要があります。
でも笑ってもらうには、セリフのタイミング、言い方、各俳優の動きや立ち位置、いろんなことが絶妙にマッチしなくてはなりません。
さらにそれを何度も再現できるようにならないと、やる意味がない、というわけで、同じシーンを何度もなんども、どうやったら面白くなるか、繰り返し検証する作業となりました。
また、上演時間が1時間以内ということなので、幾つか台詞をカットし、ランタイムを縮める作業も行いました。俳優の間で、容赦なく近づいてくる本番を不安に思う空気が漂い始めました。
何度も稽古をすれば、その不安は解消されるはずです。
自主練の時間をさらに増やして、6月の本番に挑みます。

2017年5月12日金曜日

与えられた役を精一杯やる

5月11日 WakuWaku 担当 土井
連休明け、全員が揃いました。

まずは今日もジェスチャーゲームを。
どうしたら相手に伝わるのでしょうか?決して諦めないことが大事です。
今回は達成の喜びを得るため、お題は名詞になり、先週より簡単になりました。答えは紙に書いて頂きます。
一問目は正解!続き。「卒業式」でした。二問目、1組以外は迷宮に入ったのでしょうか?「バレンタインデー」だったのですが「飲み屋でデート」という答えが出てきたり。外れれば外れるほど難しくなっていく気もします。

次に発声練習。
イメージが身体を変えます。
空気を足から吸って足から出すイメージで息をします。
目線も声のターゲットをイメージ付けます。
喉の筋肉を鍛え、声を自由に出せるようになるため、週に一度は発声練習を続けます。公演が近づいたら自主的に練習をするようになりたいです。

公演台本「遠くに街が見える」が10頁まで出来ました。

アキちゃんがお正月に見たNHKのドキュメンタリーに出ている若者達の姿に感動したこと。それについて美沙さんが「自分達シニアにもそういった熱いものはある」と言ったことが、先生がこの作品を作る、一つのきっかけとなりました。
若い頃と何が変わって何を失ったのか?何が変わっていないか?そして今後どう行きていくか?
舞台は還暦を迎えた「現在」と高校時代の「過去」が行き交います。時間軸が行き来しますが出来るだけシニアにも分かりやすいものにしたいと思います。

まずは輪になって座り、時計回りで1人ひと台詞ずつ読んで行きます。
ドラマチックに展開する物語ではなく、「日常」の中の「皮膚感覚」がじっくり積み上がっていく作品になる予定です。

休憩後、第1部を前半(2ページ最後から6行目まで)とその後の後半にわけ、2人ずつ組になり、縁子(のりこ)と寮の用務員である田所の、台詞を読む稽古をしました。
嘗ての自分の行動の記憶から、重苦しさを纏って、42年振りに寮にやってきたのりこ。
田所はうっとしいくらいに親切で、マイペース。のりこの様子を100パーセント受け止めているわけではありません。
田所が最後に「ではごゆっくり」といって「ははは」と笑う、やってみると大変難しかったです。何か含みがあるのでしょうか?
相手の状態を見て台詞を言えるようになると、その気持ちがわかってくるのかもしれません。
来週はこの場面の立ち稽古をします。
大事なのはやはり「間」です。
沈黙の間の過ごし方は?
何処を見ているのでしょう、
相手?それとも、自分の思い出の中に入ってしまっている?

自分の本番の役がどれになるかは大変気になるでしょうが、今は、与えられている役を精一杯やる事です。他の役をやる事で、他の役の気持ちがわかってきます。
立ち稽古では文字面ではわからないことを意識し、相手と向き合いましょう。


2017年5月9日火曜日

穴の下と上という構図。

5月9日 そよ風ペダル 担当:梶川

脚本の執筆ペースがあがりました。
今日は4頁分の追加です。
タイムカプセルを掘り起こすという話を進めていました。
男性役柄ひとりが女性役柄9人に囲まれているわけです。
穴を掘っているので男性は女性たちより地面が低くなっていて、物理的に見おろされている、言い方を変えると見下されているという構図です。
その構図だけでそこはかとないユーモアが溢れているわけですが、脚本20頁目にして男性は穴から出ることができました。
まあ出された、出してもらったということでも。
構図通り男性は女性陣から(女性陣は否定しますが)おちょくられているわけで。
おちょくられているわけですが、それは決して悪意のあるものではなく好意あってのこと。
本来は仲がいいのだなという事が感じられないといけません。
その辺のさじ加減がこれからの課題でしょうか。
さておき、穴を出ました。
お話としては一段落ついた感じで、次の展開に向かいそうです。
男性と女性陣は対等になるのでしょうか。

事前準備を万端に。

5月9日 恍惚一座 担当:梶川


はい、衣装あわせでした。
一部変更もありますが、こんな感じです。
ぼやんとした色合いなのでもう少し原色が増えそうです。


小道具台を用意しました。
紙を置いておいて、なければ揃っていないということ。
山口さんからの提案、賢いやり方です。
全員で確認できますからね。

シーン稽古を進めます。
テンポが良くなって、上演時間は1時間でおさまりそうな予感です。

事前に決められることは全て準備してしまって、劇場入りしてからは演技のことだけに集中できるように。
順調に進めていきます。

2017年5月2日火曜日

演技に間を作る。

そよ風ペダル 5月2日 担当:梶川

今日の稽古のテーマは「間」だったのではないかと思います。
演劇でというか、脚本で書かれる間というとのは台詞と台詞の沈黙ことではないでしょうか。
脚本家さんによっては「沈黙」と書かれる方もいたりします。
演技で言う「間」となるともう少し意味が広くなる気がします。
例えば「間」を英語にするとスペース、インターバル、ポーズあたりがくるのですが、なんとなく「エンプティ・空っぽ」というのが近い気がします。
これは本当に個人的な感覚の話なので参考になりませんが。
毎回稽古中にポイントをメモ書きしていますが、今日のメモが以下の通りでした。

・しゃべっていない時、脚本を見ている時も表情、演技を持続する。

・ユーモアを発見するのはお客さん、お客さんより面白がらない。

・体とセリフを分離する。動くという段取りを明確にとらない。セリフの奥に隠す。

この3点が言ってしまえば「間」「エンプティ・空っぽ」についてだなと。
台詞の無い時、その役者にとっては沈黙しているわけで「間」になっています。
その「間」のあいだをどうするか。

お客さんがユーモアを発見するために、演技に「空っぽ」の部分を用意しておく。
その「空っぽ」の部分にまで面白さを潜ませてしまうと押しつけがましくなって見ている側は距離をとっていく。

三点目のメモは少し説明がないと分かりにくいですが、脚本では台詞とト書きが別々に書かれています。
台詞の前後にカッコ書きで動きの指定があることもありますが、それでも前後になります。
なので台詞を言ってから動くといったように、決まり事のごとく言葉と動きを扱ってしまう事があります。
動きを台詞と同じように扱ってしますと、動きまで台詞のように順番に行ってしまうのではないかということです。
動きに関しては台詞と一度切り離す必要があると感じます。
切り離してどこに置くかと台詞の奥がどこかというと、それが前述の「空っぽ」の部分ではないかと。

ここまで話してみて、どうも私の言っている「間・エンプティ」とは体のことを言っている気がします。
台詞は言葉なので少なからず頭の思考が入ってきます。
体は考える前に反応すると思いのです。
その反応を鋭敏にするために「空っぽ」を用意しておこうと。
「空っぽ」とは思考を通さない反応ということでしょうか。
反応を衝動と言い換えてもいいかもしれません。
このことを考えていくと「演技する時は演技してはならない」という矛盾した言葉になっていくのでしょう。
さらりと何気なく筒井さんから提示されていることですが、とても高度な要求がなされているのかもしれません。
どうであれ舞台上で自然体である事が一番だと思います。

ゴールを見定める。

5月2日 恍惚一座 担当:梶川

世はゴールデンウィークですが、本番まで約一カ月。
稽古も佳境です。
いよいよ脚本が離れましたので、ここからやりとりのテンポや動きを作り込んでいきます。
来週は衣装決めです。
ここからどんどん決め込んでいきます。
少しゴールが見えてきました。
気にかかるとして、声の大きさでしょうか。
大ホールですからね。
客席を意識すれば、声の出方も変わるでしょうか。
完成度を高めていきます。