2017年3月31日金曜日

他人の言葉に馴染んでいく。

3月28日 そよ風ペダル 担当:梶川

今日は見学の方が来られたので体操及び発声をいつもより丁寧におこなっていきます。
思えば長いこと基礎稽古を続けてきています。
よくよく考えるとすごいことで、この間の「最後のページ」の締めのパフォーマンスもこの体操と発声でした。
パフォーマンスにできるくらいに積み重ねられてきたということです。
何かといえば体に馴染んでいるという事が伝わる美しさがありました。
「馴染む」ということがキーポイントで、それは違和感なく舞台空間に観客が入り込めるということです。
例えばセリフの扱いでも同じことが言えると思います。
繰り返し稽古をして台詞が馴染んできて文字から声に変わっていきます。
演技の段取りも馴染むことによって目的をもった行動に変わっていきます。
同じ様に単なる体操や発声も馴染むことによってパフォーマンス、表現に変わっていくのでしょう。

脚本稽古では配役が決定されました。
というわけで、その配役で読合せていきました。
台詞が決まるということは、これから馴染ませていく時間がとれるということで。
台詞を馴染ませるということで言えば、今回は標準語で脚本が書かれています。
いつもだと演じ手にあわせて関西弁で書かれたり、筒井さんがその方の口ぶりを観察したり想像して脚本を書かれています。
また初期の頃は意味内容が変わらなければ、台詞を変更することが許されていました。
前作でも語尾の変更程度は許されていて、ただし今回は標準語で書き進められるそうです。
これも思えば脚本、台詞へのアプローチの仕方をゆっくり少しづつ馴染ませていった結果かもしれません。
つまり自分の言葉でしゃべるということから、他人の言葉をしゃべるということにゆっくりと馴染んでいったのです。
イントネーションは変わったとしても標準語の脚本で発話していくということにはなっていきそうです。
脚本は役者さんにとっては他人の言葉です。
だからこそでしょうか、今回は筒井さんから台詞で書かれている単語や言い回しが納得できるものかという問いかけがみなさんにされることがあります。
これも一つの他人の言葉に馴染んでいくためのアプローチなのかもしれません。
それとともに脚本家と演じ手が協力しながら作品を創作しているという過程が意味深く感じます。
他人の言葉に馴染む、その感覚を楽しめたらと思います。