2016年12月11日日曜日

「リアル」をスタート地点にする

128 WakuWaku 担当 土井

ウォーミングアップの後、発声の基礎を。空気を取り入れて「身体が球体になる事」を意識します。身体中のどの方向も伸びていく感覚です。





息は吐き切ると勝手に入ってきます。声を出す=息を吐く事、まずは有声音「ズー」からの発生です。そして口を閉じたままの「ンー」、これは鼻から空気を入れて鼻から出します。そのまま頭頂部に空気の通り道を。意識が頭部に来ると音が高くなります。その後、足の裏から大地へ「 ズ‐」と息を吐き出します。 手を使い空気の流れをイメージします。


電気が流れる感じですね。気がつくと冷たかった手先がポカポカしてきました。本当に気が流れているのです。「ンー」から「アー」へ。ちょっと声量を上げ、声を壁に届けます。だんだんと意識せずに呼吸が出来、声が出せるようになります。呼吸の練習は普段の生活の中でもできますね。

先週お休みされていたお2人にも先週と同じフリートーキングをして頂きました。まずは公演について思った事。



自信が出来てきたので、早く 本番をやりたいなと思えた。 思うよりドキドキしなかった。 満足感で一杯。 素読の効果があった。 「笑って台詞を言う」ことで声が出ず、特訓した。イントネーションを辞書で調べて標準語で言う努力をした。 録音して聞いた。本番1回目は緊張して早口になった。 こっちが気になると、あっちができないという事になった。 言葉の意味をだんだんと深く考えるようになった。 3回目が良かった。 震えて声が出ないのではと心配していたが舞台に上がると 開き直って大丈夫だった。等。
自分で実際に芝居をしてみると、今までとはテレビの見方が変わり、登場退場の出入りや台詞の 発音にも注意が行くようになった。ドラマを見て 自分の動きとの違いを理解した。
今後どんな風なことがしてみたいか?という質問にはこんなご意見が。
非日常的なものをやって欲しいと公演を観た友人から言われた。 身体を使うものがやりたい。 看護婦さん等、演じてみたい。
最初は「張っていた声」が話を進めている間に徐々に自然になってきました。



次は4人ずつグループになりインプロのエチュードです。
1
、ラーメン屋の前で並んでいる人達。
2
、病院の待合室で待つ人達。
両方とも、お互いに知らない者同士という設定です。

まず「何か喋らなくちゃ」「何か行動しなくちゃ」と思いがちですが、リアル に状況を思い浮かべると現実には知らない人にそうそう話しかけはしません。特に病院では、何かきっかけがなければ未知の人に話しかけたりはしないでしょう。ところがお芝居になると「何もしない事への強迫観念 」が生まれます。
本当はこうではないか、日常はどうなんだろうかと想像し、まずは「リアル」をスタート地点・ベースにして、作品を作ります。
インプロでは、 「イエス アンド」で会話を進め、設定は「知り合いとして入る」 方がやりやすいのです。まず2人の関係を決めなくてはいけないし、その関係で喋り出すには勇気がいりますが、その後の会話を具体的に積み上げて行く事が容易になります。

知らない者同士が話し出すきっかけはどんなところからくるでしょうか?台詞の言い方はどういう発話になるのでしょうか?日常とからめて自分を持っていく事です。
病院では一番何もしていない人が目立ちました。
現実にはどのように行動するかという前提を踏まえた上で、作品を作ります。決してリアルを飛ばさない事を肝に銘じます。