2016年10月25日火曜日

オチを予想させないネタ振り。

10月25日 そよ風ペダル 担当:梶川

今日は午前中から集まって自主練があってからの本稽古となりました。
来週はいよいよ本番ですから、みなさんの目の色が変わってきました。
セリフが出てこなくて悔しさを感じて、しかしもうここまでくると覚えるしかありません。
とにかくは舞台上で忘れてしまっているという状態、素の状態にならないことを。
セリフが出てこなくても役柄で居続けることはできるはずです。
何かを思い出そうとすると目線が斜め上に向けられることが多いとして、ならば絶対に目線をしゃべっている相手から離さなければ見ている側としては演技が続いているかもしれないと思えます。

いかに役柄で居続けるかということが問われます。
脚本を読み込んで演技を考えてきました。
つまりは何が面白くてそれをわかりやすく表現しようとしてきました。
役者さんはこの先どうなるかを知っていて、つまりオチを知っているのでそこに向かって演技していきます。
しかし役柄はオチがどうなるかなんて知ってはいません。
それにネタ振りの時点で見ている側にオチがわかってしまったら面白味は半減です。
役柄で居続けるならば先のことを考えず目の前のことにだけ集中して反応していければそれだけでいいです。

役者さんが1人で事前に作品に対して準備するとします。

脚本を読み込んでストーリーを把握し、台詞を覚えてどんな言い方をするか、その台詞でどこに動きどんなジェスチャーをし、役柄の感情がどんなものかを考えていきます。

そのことはとても大切でぜひやっておくべきことです。

しかし実際に稽古場に来て相手役や演出家と作品を作るときは、この事前の準備を全て忘れる必要があります。

準備してきたものに固執して周りの影響を受け付けなくなってしまうと、新たなアイデアも出てきませんし、その固執された演技が面白いのかを検証することもできません。

固執した演技よりも面白くない演技をしたとして、その面白くない演技が生まれたからこそ固執した演技のどこが面白いのかがわかることもあります。

もちろん固執した演技より面白い演技が他にある可能性もあります。

自分の演技に固執を忘れるため、捨て去るためにこそ、みんなで稽古する時間が必要になってきます。


繰り返します、役者さんに求められるものは忘れることと先読みしないこと。

忘れるためにはまずは覚えねばということもありつつ。

やはりセリフ覚えからですかね。