2016年8月27日土曜日

表現の強迫観念から逃れよう

825 WakuWaku 担当 土井

今日は第25ページ最後から。
まずは読み合わせを。

相手の台詞の裏に自分の台詞を入れるように、「・・・」の間以外は台詞を詰めて読む。読む速度は早くならないよう、自分の台詞を前の人の台詞の後に引っ掛けていきます。リレーのバトンのように、上手に繋いで行く事が重要です。

いつも大きな声を出していたら、非常に物足りない思いがするでしょうが、この声のボリュームでいいのです。この中でトーンを使い分けましょう。そして、「表現の強迫観念」から逃れ、表現を捏造せず、「ちゃんと会話するとはどういうことか?」と皮膚感覚に近いところに立ち返り会話します。とても自然でリアルな会話が生まれました。





語尾が上がる癖も「表現しよう」と思うあまりの癖です。まずはベースを大切にした会話をし、相手の言葉が心に入ってくると感情が生まれます。その上で骨組みに肉付けをしていきましょう。

1話は9ページ末からの大町と宮田の会話から。
大町は台詞が明後日の方へ飛んでいく癖を指摘されました。しっかりと相手に落とし込むように言いましょう。
宮田は、眉間に皺を寄せる癖があります。自然な表情でいるように。
ここでは、会話が暗くならないように、何方か一方は空気を落ち込ませない努力をしています。

その後、7ページ後半からの宮田と中島の会話。



宮田は中島と戦っているのではありません。「場の空気と自分との戦い」です。それが見えるように。
宮田が言うはずだった言葉を中島が言う。ここは客が「これからどうなるの?」と期待し緊張感があふれる場面です。

3話は最初から4ページ初めの山本鈴村登場まで

齊藤の「手持ち無沙汰感」。心ここに非ずの手持ち無沙汰感はもっと出ていて構いません。苛立ちから暴力的にすらなってもいいのです。
その斎藤に平然と対応し、笑顔と余裕で包み込む黒田、斎藤を小馬鹿にしながらもお互いに信頼関係があります。
山本と鈴村は、黒田を麻雀に誘ってみたり、出ていく黒田を追いかけたり、笑いが出てくる程、斎藤に対して息苦しさを感じています。この苦しさを大事にしましょう。

斎藤が去ったあと全員が集う12ぺージ後半から。



それまでの苦しかった空気を知らない人達も入ってきます。人がいる事によって空気はフワッと軽やかに変化します。それぞれバラバラに会話していますが、先ほどいなくなった斎藤の事で皆の話題が一致します。

来週9月1日は14時からの練習、衣装をお持ち下さい
15日は舞台監督さんの前で「通し」です。