2016年7月30日土曜日

相手には気取られないが観客にはわかる

728 WakuWaku 担当 土井

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1日に全体を通す、という目標ができました。それまでに台詞を完璧に頭に入れて、人が話しているときにはしっかりと聞いて自分の台詞を言えるようになりましょう。

1話、宮田の登場の前から大町退場までと、中島の退場からラストまでを。
台詞は三人それぞれに努力の跡が見えます。「台詞的な意識」を三者三様に薄めて、力まず、盛りすぎず、普段の会話のリズム感でいきましょう。テンポはいいので今後は「緩急」をつけることを目指します。
思いは深刻だけれど言い方は深刻さを抜いて、淡々としゃべっている。しかし内面は「ぐーっ」となっている様子が観客には見える、という感じです。



2話、悦子の登場の前からラストまでを。
身体の位置を考えて来られました。思い切っていろいろなパターンで稽古してみましょう。「コント」に徹し、突っ込みを入れていきます。

台詞が入っていないと相手を感じることができません。テンポもずれて芝居が途切れてしまいます。まずは台本を持ってでも、相手のどの言葉にどう反応するかは頭に入れておきましょう。




3話、山本と鈴村の会話のお茶を飲むところからラストまでを。
「大女優!」と派手な身振りをしてみたり、「お茶の気持ち」と乙女チックなキャラクターを想像して演じてみましょうか。楽しんで役作りをします。



喋りなから退場していく時の台詞は何となく聞こえたらいい感じです。
話しながら斎藤と再登場してくる山本と鈴村は心の中は「ウワーッ」となっているけれど相手には気取られない、でも客には伝わるのです。第1話でもありましたね。内面と外面のギャップがあって心を作るとリアルな緊張感が出ます。動きながらの台詞が自然になっています。
湧いてきた気持ちをふっと言葉に出した悦子に、言われた方も心が動いた、と斎藤。
「感情が湧いてくるのを待つ」「相手の感情に反応する」
どんどん役の人物の心になることで、言葉が発せられ身体が
動きます。少し怖くもありおもしろい事ですね!


2016年7月27日水曜日

ただそこにいること。

7月26日 恍惚一座 担当:梶川

とうとう7月最後の稽古ということで、脚本作りも大詰めです。

取り掛かる前にワークを。

びん、ばん、ぼよよーんのゲームを。

せんだみつおゲームというのがありましたが、ルールは一緒です。

びんと誰かを指名し、指名された人はばんと別の誰かを指名。

ばんと指名された人はストップでその両隣がぼよよーんと手をあげる。

そして、ばんと指名された人が次にびんと誰かを指名してリスタートの繰り返し。

まあ、いろんなことが起こります。

誰にでもわかるようにあきらかに指名するのった案外に難しいです。

そのあと、ただ待つというワーク。

有名イタリアンの行列に並びます。

ただそれだけ。

演じるということの前に、実感を持ってそこにいるということを体験しました。

みんなの前で見られながら待つので、どうしても見ている人へのサービスで周りといろいろ話したり、独り言を言ったりします。

しかし普段待っているときにそれはしているのでしょうか。

わかりませんが、嘘をつかずありのままでそこにいるということができて、その上で見ている人へのサービスをしていかないと説得力に欠けることだけはよくわかりました。

これまでの脚本作りのワークの中でも、ストーリーに引きづられないという話もありました。

ストーリーも見やすくしたり楽しませるための一種のサービスです。

なのでストーリーをどうこうする前に、当たり前にありのままに役柄が普通にそこにいるのかどうかを感がながら脚本創作にのぞみます。

すべてのチームがこれまでのまとめとしての脚本があるので、みんなで読み直しながら修正していきます。

高杉さんも全作品を一読後に各チームにアドバイスにまわります。

静かであつい稽古場でした。

来週はお休みで、高杉さんの最終微調整が入った脚本をみなさんに休み中に戻して、セリフ覚えができればと。

来月からは演技作りです。

2016年7月23日土曜日

「・・・」気持ちの悪い間を十分にとる

721 WakuWaku 担当 土井

今日は舞台監督さん、制作さんを迎えての練習、いつもとは違った緊張があったでしょうか。小道具や衣装も少しずつ準備されつつあります。

ウォーミングアップは、2人ずつに分かれて自由に会話、その時相手の言う事を聞きながら、自分の言う事も考えます。これは「自分を客観視しながら会話する」という訓練です。
横で観察していると、話す時、聞く時の身体の動きや、相手をどのくらい見ているか?相手の目を見ているか?など色々と凄い情報が得られます。
第2話から部分的に抜き稽古。相手の登場時の緊張とその後の弛緩、二人の間に流れる時間の違い、感覚の違いを表します。敏江の切り替えが良くなっています。邦生は台詞回しの癖の為に何を言っているのかわからず、観客に情報が伝わりません。台詞の意味を噛み締めながら、台詞のすき間に台詞を入れて会話の流れを作りましょう。また作話の対象になっている人(聡子)への「思い」を見せましょう。
悦子は台詞を言う時にのり出す癖を、意識して我慢するといいですね。


第3話。斎藤は、「イライラ感」が板についてきました。黒田は台詞の最後に薄ら笑いを浮かべ、職員という立場だけれど気心がしれている「なかよし感」を出します。
斎藤が大切なもの(牌)に八つ当たりする行為について質問がありました。「そんな事はしないはずだ、でも?・・・」と疑問を持ち、稽古で情報を共有し、そうなる理由を明快にしていくのは大切なことですね。いい質問でした。
黒田は牌を触りながら、ピリピリとした空気の緊張を溶いていきます。何か作業をしながら台詞を言うと言葉が柔らかくなります。後に登場する鈴村たちも荷物を置く作業をしながら、遅刻の申し訳なさを表しつつ楽しそうな感じを。黒田と山本は流れるように退場します。
鈴村は斎藤への怖さを怖さで立ち向かうのでなく、ご機嫌を取りながら、でも言う事は言う人。言いにくい事を怖い相手に言う、という事は日常でも難しい事です。


第1話、今日は宮田と中島の会話から。 「・・・」と、気持ちの悪い間が何度もでてくる場面です。敢えてこの気持ちの悪い「間」を十分に取りましょう。
二人には温度差の違いがあります。相手の返事がなくても、友達同士のヒエラルキー(階層意識)によるイジリです。ところがその内に攻守交代が起こります。この押し引きの変化をうまく表現しましょう。相手の台詞を待ち、待っている間緊張感を保ちます。楽しそうな感じは板についてきました。これからは落とす所は落とすことに挑戦です。







2016年7月20日水曜日

台詞を身につけるプロセス。

7月19日 そよ風ペダル 担当:梶川

先週が筒井さんの公演が本番であった兼ね合いもあり、今日は追加脚本はありませんでした。

なので今日は1場の終わりから今あるところまでを繰り返し稽古していきます。

細かな段取りや演出が追加されていきます。

つまりは役柄の行動が作られていっています。

毎回新たなシーンが追加されていくので、脚本を持ちながら役柄の行動を細かく検証していくという稽古スタイルになっています。

8月中での脚本完成になる予定だと伝えられましたが、つまりはそのころまではこの稽古スタイルが続きます。

問題はすでに稽古を一旦終えてしまった一場について。

しばらくは稽古されることがないわけで、決まった段取りや慣れ親しんだ台詞に対する感覚を忘れないように保持しておかなければなりません。

実は脚本を離しての稽古はしていないので、脚本完成以降の早い段階で台詞を覚えなければなりません。

本番は11月1週目なのですが、あまり時間がないのではないかという予感が・・・。

これは少しずつでもお家なんかで一人で脚本と向き合う時間を持っておかなければという事なんですが。

台詞覚えという言葉とダメ出しという言葉がよく使われますが、なんとなく違和感があります。

このブログでダメ出しという言葉はあまり使った事がありません。

注意点や訂正箇所を指摘していくことをダメ出しと言いますが、演技において間違いということがあるのかという疑問があります。

ダメだしと言ってなされていることは、演出や提案と言い換えていいものではないでしょうか。

ダメなものを直すというイメージではなく、提案されたことを基にしてさらに提案を積み重ねていくというイメージの方が創作するうえで有用ではないかと思っています。

これと同じように台詞覚えには記憶するとか暗記するといったイメージがあります。

はたしてそうなのかという違和感なのですが、こちらに関しては創作する上で有用と思える言い換えや別のイメージがまだうまく描けていません。

話が少しそれますが、紙おむつの性能が上がったことによって赤ちゃんの排泄機能が低下し、おむつを外せる時期がどんどん遅くなっているそうです。

またおむつを外すために改めて低下した排泄機能を訓練して取り戻すトイレトレーニングをしなければなりません。

そういった事から最近、布おむつが見直されたり、おむつをしないで排泄機能を低下させない育児が考案されたりしています。

翻って台詞覚えです。

テープレコーダーを使ったりとにかく手で書いたり歩きながら大きな声で音読したり。

台詞覚えのやり方はさまざまあるわけですが、台詞を覚えたとしてそれを実際に立って相手役とやりとりする時に、またもう一つ別のプロセスが必要になっているように感じます。

そうやって演技を作っている気になっていくわけですが、台詞より前に演技はあるのではないでしょうか。

台詞がないと演じることはできないのでしょうか。

なんだかわざわざもう一度トイレトレーニングをするのと似ている気がします。

もともとある演じる機能を低下させて台詞を覚えて後からもう一でトレーニングしているような二度手間な感覚。

台詞覚えという言葉からはこういったイメージを感じます。

すでに言いましたがではどうするやって台詞を扱うのかの答えはまだわかりません。

逃げ口上としてその人にあった台詞の身につけ方があるのでみなさん探してみてくださいというのですが、どうなんでしょう。

演じるという本質に関わっている気がします。

台詞は覚えるものではないのではないかという問いかけな気がします。

いかがでしょうか、でもどうであれ、脚本を離して相手とやり取りして演じられるようにしていきましょう。

ストーリーを説明する体にならない。

7月19日 恍惚一座 担当:梶川

脚本を創作するための打合せというか、立ち稽古というかがチームごとに進んでいます。

稽古始めましょうとなる前に、すでにチームにわかれてこんなに脚本書いてきてくれたんやとか、うちはまだないねどうしようとか。

その流れでいつの間にか稽古が始まっていきました。

脚本を作るとなると、そこにはいろいろな要素が隠れていることに気付かされます。

人物を決めて、それぞれの関係を決めて、場所はどこで、何をしていて。

脚本を書くとしての話し合っているとストーリーをどうするかということになってきます。

確かに作品として魅力を出すためにストーリー・ドラマ・事件・目的(どう呼んでもいいのですが)といった構造としての仕掛けがあった方が面白いです。

しかし今回はそういった仕掛けを作り上げることを稽古しているのではありません。

ストーリーがなくても実際にそこに登場人物がいる、生きているという存在感、説得力があれば充分に見ている人に伝わるものがあるということを体験することではないでしょうか。

演劇の基礎稽古のひとつで出会いのワークというのがあります。

上手と下手からそれぞれ人が歩いてきて、すれ違いお互いに振り返り出会う。

振り返って出会った時の印象や湧き上がってきた感覚にそって、そのあと二人で動いていきます。

相手を感じながらその場の感覚で動いていくというとこにワークの目的があるわけですが、例えばこの時に台詞は使わないことが多いです。

つまり台詞もなく事前に何をするかは決めていないので、そこにストーリーはありません。

ありませんが出会いのワークが上手くいくと、見ている側の中で勝手なストーリーが浮かんできます。

ストーリーは後から追いついてきます。

つまり今は先にストーリーを置いてしまって、そこに縛られながら作品を作っています。

そのためストーリーを導き出すための唐突な台詞が出てきたりします。

ストーリーがいらないと言いません、あると楽です。

しかしそれが出てこようとこなかろうとあまり問題ではありません。

後ろの最後の方に置いておけば必要な時に必要な分だけ顔を見せます。

ストーリーに縛られることなく、説明にならず、だたそこにいて相手とやり取りをしている。

役柄と人間関係さえ決めてしまえば、あとは自由に動き出せばいいのかもしれません。

小説家なんかが勝手にキャラクターが動き出したと言いますがまさにそんな感じで。

どうであれ、来週には脚本を完成させ8月からは演技の稽古に入っていきます。

実は脚本が完成したところで、立って演技してみて初めてわかることもあります。

そうやって少しずつ修正していって脚本は出来上がります。

ずっと脚本と言ってきましたが、そういう意味で演劇では脚本のことを台本と言います。

たたき台の本ということらしいです。

とりあえず台本を作り上げましょう。



2016年7月16日土曜日

気持ちの動きを心で感じる

714 WakuWaku 担当 土井

今日は1時間遅れての練習ですが、いつもと同じ時間に集まり、時間を分けあって自主練習しました。
3幕、斎藤が煙草を吸いに行った後よりの稽古です。先週、今週と場面を短く切って一人一人について徹底的に指導していただきました。今後はこのような稽古をする時間がとれないので、今回言われたことは忘れないようにしましょう。



声が聞きにくいので、今まで作ったものが変わるかもしれないけれど、自分の殻を破ってもう少し大きく声を出しましょう。だんだん声を出す事に慣れていきます。



相手の台詞と一緒に楽器を鳴らすようにリズムを取って台詞を言います。リズムの流れが切れないように。
相手の台詞の途中から自分の、また自分の台詞の途中から相手の気持ちは分かっているのです。気持ちの流れを大事にします。
長い「間」。何を感じますか?台詞がない部分で、気持ちの動きを心で感じてみましょう。「何かしなくては」という恐怖感から解放されます。心が動くのが先です。動く衝動が起きるのを待ち、そこに存在している人になるのです。



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タオルなど小道具を用意して来られました。小道具を使って台詞を言いながらの作業(日常のいろいろな動き)を楽しむ事が出来ます。3人の会話のテンポが良くなりました。

初めは重くならず、テンポ早く軽いノリの会話でいきます。
一個ずつに意味を込めようとする癖を直されています。
ここにあるのは日常的な会話なので、一個ずつに感情込めて言葉を重く言わないということです。





「間」、は逆にテンポが出ない事でシーンを作ります。
強くでる表現を抑える事も大事です。
相手にかける台詞か、独り言かという場面もありますね。独り言でありつつ、相手にかける部分もあったりします。


深刻な話はどんな空気になったら話せるか?と考えてみます。
全ての場面で、日常を彷彿とさせ、日常をフィールドバックさせる事で日常の中に潜んでいる演劇性を見つけます。
台本に書かれた台詞になぞらえて心を動かし今を生きる事です。

2016年7月15日金曜日

問題を自力で広げていく。

7月12日 そよ風ペダル 担当:梶川

2場の稽古が順調に進んで、今日も6ページ分の追加脚本が届きました。

以前にこのブログでも書いているように、今回のそよ風ペダルの脚本は筒井さんの中から生み出されています。

これまでは劇団員との事前の話合いなどのリサーチがあって、それと筒井さんの思いを混ぜ合わせて脚本は書かれていました。

今回は初めから筒井さん発信で作品が作られていきます。

差し出されたこのお話をみなさんはまずは受けとめていかなければなりません。

つまり事前のヒントなしで、出された問題を自力で解いていくことになります。

ここでひとつ注意が必要なのは、脚本解釈においては答えがないということです。

例えば同じ役を違う人が演じたら、まったく別のキャラクターに見えることがあります。

それはどちらかが正しくてどちらかが間違っているということではありません。

どんな演技であれ、見る人にとって説得力を感じられるものであれば創作としては正しく進んでいます。

提出された問題に対して正解がないということは、そこには無限の可能性が広がっています。

そしてヒントがないので、事前に視野が狭まることもありません。

もしかすると今、稽古場では一つの答えを探そうと必死になっているかもしれません。

作品の魅力は細部に宿りますという話をこのブログで以前書きました。

稽古場では細かなディテールにこだわって丁寧に創作しています。

その細かな演技を実現するためには正しい一つのやり方を見つけなければならないと感じるかもしれません。

つまりその細かい演技のひとつの答えをさがしていく。

細かなところの演出家の要望でも、それに対する役者の選択は無限に広がっています。

正しい一つの演技をさぐるのではなく、面白い数多の演技を冒険してみる。

自由に想像の羽を広げて台詞を固定することなく話せれば、きっと豊かな作品が立ち上がってきます。


脚本として提示された役柄という問題を、例えば役柄に100個くらいの質問をたり、過去の履歴を考えたりして自分で勝手にややこしい問題を増やすことで、案外と台詞をいきいきと喋れるようになるかもしれません。

繰り返しになりますが答えはありません。

目の前にはワクワクするような好奇心を刺激する問題だけが転がっています。

あとはただ楽しむだけですね。

2016年7月12日火曜日

とめどなくやりとりが続く。

7月12日 恍惚一座 担当:梶川

今日から本格的に各チームでの作品づくりが始まります。

すでに少しだけ脚本を書いて来られてる方もいて。

みなさんやる気満々です。

はやる気持ちを抑えてまずは頭と体と心をほぐすゲームを。

名前鬼をしました。

鬼に狙われた人が別の人の名前を呼ぶと呼ばれた人が次の鬼になって助かるというゲームです。

もう1つ追加ルールとして限定された狭い空間でゆっくり動くということ。

まずはゆっくり動くことが難しかったりします。



狙われると慌てて名前を呼ばず逃げるだけになってしまったり。

ゆっくり動くと全身が意識されてコントロールしなければなりません。

感情というか鬼が迫ってくることへの反応をゆっくり動くあいだずっと味わい続けることになります。

この味わいを再現できれば舞台上の演技にも使えるようになるはずです。

早速グループにわかれて創作に入ります。

しばらくするとすべてのグループが立ち稽古になります。

脚本があるわけではないので、簡単な設定だけでやりとりはその場で演じられていきます。

止めどなくやりとりを続けられることはわかりました。

ではどうやって凝縮された作品にしていくか。

今日の創作を通して最後に高杉さんから語られたことは以下のこと。

・人の出入りを作って情報の更新をする。

・人間関係を作る。

・ストーリーはあとから生まれる。

・会話や人間関係のためにストーリーはある。

・沈黙もうまく使おう。

明らかに創作が前進しました。

今週の宿題は役柄や他との関係を妄想して深めるということ。

どこかで紙に書いての脚本にする作業が必要になります。

いきなり文字でセリフを書くのって難しくて。

これだけ止めどなくやりとりができるなら、もしかするとレコーダーで録音して文字起こししてみるのも1つの方法かもしれません。

日常会話を文字起こししてみると面白いです。

そして、日常ではどんな風に会話しているか分析できるので演技力向上のためにもなります。

どんな方法であれ、脚本を作っていきましょう。


2016年7月9日土曜日

本番会場にて稽古する

7月7日 WakuWaku 担当 土井

306号室のエアコンが故障の為、本番の会場となる305号室で稽古する事になりました。舞台の大きさや声の通り方、暗転の具合が実際にわかります。306号室でもそうですが、より声が反響しワーン、となるので声の出し方に注意。遠くでも充分聞こえます。

大きさ」よりクリアに聞こえる事を大事に。

その後、舞台の配置を説明していただきました。

尻取りゲームでウォーミングアップをしたあと、先生が持ってきて下さった麻雀牌で、麻雀の説明を受けました。全く触った事も無いのに麻雀同好会のメンバーになるのですから、慣れる事が大事です。「牌を触りながら、台詞を言う」というマルチタスクの練習です。達人だけでなく初心者っぽい人が居てもいいのです。





さて今日から台本を離し、第2話より、ちょっとずつ止めながら抜き稽古。
心の細かい機微が芝居に反映されていますか?心の中で相手に反応をしていますか?
ト書きに無いけど、外の様子を伺いに出たり、相手を椅子に座らせたり、と色々な動きを見つけましょう。
其々の登場人物が何を思っているか?を表現する事が大事です。




電気を消し暗闇の中の場面もやってみました。台詞が入っていないと練習出来ません。暗転と言えば1話と2話、2話と3話の暗転の間がスムーズにすすむ為の計画と練習も必要です。





次に第3話初めの部分を。
先週「台詞の語尾が早くなる癖」を指摘されましたが、良くなっています。人をおちょくる感じもゆっくりと身につけていきましょう。常に台詞のテンポを気にしての会話を。
相手の意図を汲んでそれに反応します。
「威圧的」というよりも「いらいらしている」感情を出します。




止めて稽古をするには膨大な時間がかかりますが、人の練習も自分の事として見て、聞いて、何かを掴みましょう。
来週は1時間自主練習をした後でのお稽古です。

自主練習の成果を発表しましょう!

2016年7月8日金曜日

倦怠感を醸し出す。

7月5日 そよ風ペダル 担当:梶川

2場の稽古が始まっています。

1場の稽古の時もそうでしたが、順調に毎回6ページずつ脚本が追加されていっています。

1場の終わりで一つの山場を迎え盛り上りを見せたわけですが、2場の始まりではある種の倦怠感が場を支配しています。

本番ではきっと暗転なりの照明変化を挟んで繋がっていくわけですが、1場の終わりで盛り上がった場を2場の始まりではいっきに盛り下げてそのギャップを作り出したいという演出意図があります。

場の空気を変えるには何が必要でしょうか。

まずその場全体に影響する事なので、一人でどうこうできることではありません。

全員が参加し協力して場の空気を作ることになります。

言ってしまうと空気は常に流れています。

もしかすると、幕が開いているあいだであれば、たとえ舞台上に誰もいなくなっても空気は流れ続けるのかもしれません。

この文章の中で使っている空気と言うのが、いったい何を指しているのか、自分で書いておきながら言葉で明確に説明、定義するのはとても難しいです。

空気、言い換えるなら雰囲気もしくはムード。

実は雰囲気を英語にするとatmosphere(アトモスフィア)で意味は「ある場所や状況で、二人またはそれ以上の人間による感情や気持ちなどがかもし出すもの」となります。

醸し出すもの。

なんとも曖昧ですね。

稽古では醸し出したいものは倦怠感なわけです。

具体的には台詞のやりとりを遅くする練習をしました。

倦怠感があるということ、疲れているならば反応がゆっくりになるのではないでしょうか。

相手の台詞に対して話しはじめる前に微妙な間を作って話し出してみる。

もしかすると視線や体の動きもそれに伴って変化することがあるかもしれません。

しかし、倦怠感はいつまでも続くわけではありません。

物語が進めば場の空気は変化して行きます。

この変化をどう作って展開していくか。

物語を進めるということは変化を作り出すということです。

空気に鋭敏になって変化を生み出しましょう。

2016年7月5日火曜日

日常会話を脚本にする。

7月5日 恍惚一座 担当:梶川

先月に京都劇場での公演を終えたばかりですが、みなさんからの要望で早速の稽古再開です。

今月から9月までは代講になりまして、WakuWakuでも講師をされている高杉さんによるワークです。

3カ月かけて5〜10分の小作品を作ります。

脚本だって自分たちで書いてしまうというワークです。

7月中に脚本を書き上げてしまい、演技のあれこれは、その作品創作を通しておこなうという算段です。

まずはフリートークからどうやって脚本を書くかのヒントを探りました。

脱線することに面白みが生まれる。

しゃべる量は決してバランス良くはない→よくしゃべる人、相槌をうって促す人、黙々と聞いて核心をつく人というようにそこにはキャラクターということが関わってくる。

喋っている人だけでなく、喋っていない人がどうそこにいるかからも伝わることがある。

フリートークに目的(何かを決める)ができると会話の質が変わる。



何気ない日常会話の中にも演技や作品創作のヒントが隠されています。

日常感覚をそのまま演技にすることが今回のワークのテーマになりそうな予感がしましたがどうでしょうか。

後半は二人の人物の簡単なセリフで、いろいろ条件を設定してやりとりしました。

場所を設定する。

状況を設定する。

関係を設定する。

隠し事を設定する。

などなど。

外側を変えるだけで体のカタチや声の出し方が明確に変わっていくのがとても興味深かったです。

残り時間では3グループにわかれて脚本を作るための話し合いです。

今日のワークでやったことを参考に、場所、環境、人物を決めていきます。

決して大きな事件はいりません。

何気ない会話のやりとりで充分です。

ある程度決まったことをそれぞれが家に持ち帰り、物語を夢想します。

みなさんの頷きの回数や深さが良い感じで前向きな学びでした。

3カ月後に何を手にしてどう変化するのか、今から楽しみです。

2016年7月2日土曜日

立たせる台詞、自分に落とす台詞

630 WakuWaku 担当 土井

今日は、久しぶりに「ビンバンボイーン」から。いろいろなゲームで頭を刺激し活性化を図ります。


今日も第1話から。
基本6月中は読み合わせですが、今日は仮の舞台設定をし、立ち稽古を始めました。細かい設定は7月からです。
皆それぞれに役を考えて来ていて、テンポやリズムが良くなっています。
台本を放すと、その台詞を言いたくなる衝動が生まれます。また移動する空気が解ってきます。その空間に生きている人間になり、動きや言葉の必然性が出てくるのです。

「立たせる台詞はどれか?」という事を考えましょう。日常に立ち返ってみると、決して言葉全てを立たせて喋っているわけではないですね。

2話では会話がテンポ良く流れていくように、相手の台詞の最後に引っ掛けて台詞をつなぎ、会話をぶつ切りにしない稽古をしました。
「自分に落とす台詞」がある事を意識しましょう。殆ど客に聞こえないくらいで丁度いいかもしれませんね。

次回はコントだと思ってやってみましょう。極端からみえてくる物もあるかもしれません。





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台詞まわしの癖・・・例えば語尾が速くなる、等、指摘される事で、自分ではわからない事に気づき客観的にとらえる事ができます。

2人の軽快なやり取りが見えてきました。
ラストは空気が一掃し、テンションのあがる場面です。そして皆何事もないように振る舞っているけど、確かに何かはありました。その空気を出すのは難しいです。




麻雀牌の触り方を知りたいというご要望がありました。来週は実際に本物に触れてみる予定です。ト書きに書いてない動きを自分で考えて来られています。これからもどんどん考えてやってみましょう。