2016年5月10日火曜日

リラックスとリリース。

5月10日 恍惚一座 担当:梶川


最初のシーンを抜き稽古したのち、時間ギリギリで通し稽古です。

個人的に先週がお休みでその前はダンスの振り付けを考えてで稽古をしっかり見れていませんでしたが。

セリフがまだ少し抜けたりしますが、面白い。

演技として、いろんな工夫が散りばめられています。

まだクスっていうくらいの笑いですが、良くなる可能性を秘めています。

大劇場だとしたところで、演技的に全く無理をしていません。

やはり恍惚一座はどこまで自然体で舞台に居られるか。

リラックスして舞台にいてくださいとよくいわれますが、それとも少し違って。

いかに空間にリリースしていくか。

緊張で体がかたくなるのは(緊張した演技をするとしても)演技を阻害していきますが、だからといって体の力を抜いていればいいというものでもありません。

リラックスした体では反射的に反応して動きを立ち上げることはできません。

ではリリースした体とは何か。

例えば敵を前にした武道家やサッカーでゴールを守るキーパー。

とにもかくにもいつ何が起こっても対応できる外側に開かれた体、それをリリースした体もしくは自然体と名付けます。

動きがどこから生まれるかといって、地面から生まれてきます。

忘れがちですが、人は歩く時に足で地面を押しています。

試しに足裏を意識して歩くと姿勢や歩調が変わります。

足が遅いと悩んでいる子に足で強く地面をけることを教えると、きっとタイムが縮みます。

日本語はうまくしたもので、この状態をまさに地に足がつくと言います。

地に足をつけるのが難しくなってきました。

物理的に地面が土じゃなくなったり、裸足になる機会が減ったり。

足の裏をしっかり地面につけて、骨盤を落し、背筋に芯を通し、頭頂部から吊り上げていく。

自然体という基本を作ったうえで、演技としていろんなところにいけるようになります。

大劇場だからといって、演技を誇張するわけだなく、ただ意識は外に向かった自然体で舞台に立つ。

きっとそれだけで十分に伝わる豊かな表現が実現すると信じています。

まずはこの自然体を身につけられるかということですが。

それこそ精進しましょうということで。