2016年4月15日金曜日

見るという稽古。

4月12日 そよ風ペダル 担当:梶川

今日は最後のシーンをじっくりと稽古しました。

稽古の始まった段階ではこのシーンが終われば、最初に戻ってのシーン稽古になることなっていましたが、丁寧に創作をしてワンシーンだけの稽古となりました。

そのシーンに出てない方は、今日は稽古を見ていることになりました。

見ることも大切な稽古となります。

実際に演技しながら稽古する場合、主観でものごとを捉えがちになります。

人の演技を見ているということは、客観でものごとを捉えていることになります。

この客観的であることというのが、とても重要です。

演技中に主観になりがちと書きましたが、同時に客観的視点を持ちながら演技をすることが重要だからです。

演技しながら客観的視点で、相手の役者の演技やそこから伝わってくるもの、お客さんに何が伝わり、それをどう受け止めているかを見ていくことが必要になります。

世阿弥の言葉で「離見の見」というのがありますが、例えばそういうことですね。

そしてお能では人が舞うところを見るのも稽古と考えられています。

舞を見ながら自分も一緒にイメージの中で舞って稽古していくそうです。

武道も極めていくと相対しただけで相手の力量が見抜けるとか言いますが、どのように見るかと言うのも一つの技術であり、観察眼という能力になりうるのかもしれません。

まずはシーンの稽古を見ながら、自分が演出家だとして目の前の演技が面白いかつまらないか、それは何が原因でそう感じているのかを見ていければいいのではないでしょうか。

もっと言うならその原因を変化させるにはどうすれば良いかまで考えられたなら素敵です。

能動的に稽古を見ていければと思います。