前回で1幕が書き上がりました。
今日は改めて最初からの稽古をしていきます。
といっても立ち稽古はひとまずおいて、感情を込めず平板に本読みをする稽古をしていきます。
役者さん通しのセリフのやりとりを重視していくと、そのセリフの内容がどこに届くのかに問題が生まれます。
セリフを誰に落とすかという言葉がありますが、理解してもらう、伝えるということです。
相手役にセリフを落とすことばかり楽しんでしまうと、事前の稽古で何度もやりとりをしているため、セリフを落とすことが容易になっていきます。
それ以外にどこにセリフを落とすのか。
相手役だけでなく、お客様に、そして自分自身に落としていきます。
自分がいま、何をしゃべっているのかを把握して自分自身にセリフを落としていきます。
これをしっかり確認して身につけることでお客様にもセリフが落ちるようになっていきます。
今回の脚本では句読点がいつもより多めで書かれています。
それは目で読みやすいということもありますが、息継ぎやしゃべり調子を変えることで、よりお客様に伝わりやすくなることを狙っています。
本番ではいちいち句読点をとったり、感情なしの平板なセリフまわしをするとは限りません。
限りませんがまずこのような地味な作業でベースを作って演じられると、より緻密でお客様に伝わりやすい作品に仕上がっていきます。
今日はみなさんで稽古をしていきましたが、この作業は一人でもできます。
時間があれば自主練習していただければ。