2015年3月31日火曜日

理詰めのアイディアを飛躍させる。

3月31日  そよ風ペダル
 
すっかり春ですね。
 
あたたかな陽気で世間ではお花見やら何やら。
 
そよ風ペダルは脇目も振らず公演稽古を続けています。
 
画像は稽古場の窓から見える高槻現代劇場のサクラ。
 
一時の寛ぎです。
 
毎回ボール運動から稽古を始めていますが、今日からは省略してダンス稽古に時間をまわします。
 
ダンスは前半の団体行動のような振り付けが終了しました。
 
まずは振り付けを覚えるところからですが、みなさんだんだんと踊れるようになってきたので足踏みするときに手を振るのかどうかとか、目線や笑顔とか細かなところが気になり始めました。
 
来週からは後半の盛り上がり、いろいろな仕掛けのある振り付けが始まります。
 
おそらくここからは前回公演と同じ振り付けだと予想しながら。
 
前回公演でもここから手こずりましたから、時間をかけて練習していきます。
 
脚本稽古は座り芝居の多いモロモロウロウロにおいて歩き回る動のシーンをメインに稽古しました。
 
二枚目の画像はその一幕。
 
 
演技を見ながら筒井さんからセリフの扱い方のニュアンスニュアンスついて話が出てきます。
 
どう見えているか、どうしてほしいかを、あえて印象ではなされているように思います。
 
具体的にこうしてくださいと言ったところで、それは段取りが増えていくだけです。
 
実はそれは演技と呼びません。
 
理詰めで役柄や関係やシーンで伝えたいことを決めてアイディアを創作していきますが、演技が生まれる時にはそのアイディアから更なる飛躍が必要です。
 
飛躍のないアイディアでは特別な面白味は実現しません。
 
決して理詰めを否定しているわけではありません。
 
逆に理詰めで突き詰めるからこそ飛躍できるのですから。
 
印象で語られる話を受け止めて、まずは理詰めで突き詰めていきましょう。
 
 
 

嘘つきたちのジレンマ。

3月31日  恍惚一座
 
 
ラジオ体操をしての首や肩のストレッチと手のひらのつぼ押しが恒例になっています。
 
そう言えば前回公演の反省で発声をしっかりやろうと話し合ったような。
 
すっかり体のケアに重きがおかれていますが、気持ちいいから仕方ないのか。
 
言いつつ来週から公演脚本が届き始めますので、発声も定着すれば。
 
先週のマルチタスクワークを今週も。
 
椅子とりゲームしながら名前をまわす。
 
名前を回したあとに食べ物の名前をまわす。
 
どちらも感覚をつかんで、少しだけ上達しました。
 
どちらのワークであっても、そこに参加し続けているということがポイントのように感じました。
 
メインワークは嘘つきの当てっこを。
 
女と警察官の作品を練習してきました。
 
今日は女チームと警察官チームにわかれて、この作品の中の事柄が起こる前に何があったのかを話あいます。
 
例えば警官は近所からの連絡でおちてるお父さんを拾いに行った。
 
警官は最近失恋した。
 
警官は新婚である。
 
常識にとらわれないように、思い付くままにアイディアを出し合います。
 
シーンに書かれてない場面を考えるのが演技のヒントになることはよくあります。
 
舞台に登場する前にいったい何をしていたかを決めるだけで、演技が変わってきます。
 
話し合ったことを頭の片隅に置きながらそれぞれのチームがキャラクターを演じます。
 
落とし物の父の娘ですと申し出ている数名の女たち。
 
父は一億円の現金を持っていた。
 
本当の娘は一人だけであとは偽物だとして、自分が本物だというつもりで山口さんが出す質問に答えていく。
 
警官チームは受け答えを見ていて、最後に誰が本物の娘に見えたかを答える。
 
警官チームは一人だけが人間の警官で残りは地球に乗り込んできた宇宙人が化けているもの。
 
宇宙人だとわかると抹殺されてしまう。
 
同じく警官のつもりで受け答えして誰が本物に見えるのか。
 
同じ条件で同時に演技を見比べることがなかなかないのでそれぞれの役者さんの特徴がよくわかります。
 
本物に見えるということが自然な演技に見えるということに繋がっていきます。
 
自然であればあるほど嘘がうまいということになるわけですが。
 
嘘ついているように見えるということは正直ということなんですかね。
 
どうであれ役者としては自然に嘘を演じたいものです。
 
嘘っぽい方が笑えたり楽しかったりもするわけですが。
 
自覚してコントロールできているかという問題かもしれません。
 
得るものの多い稽古でした。
 
 

2015年3月25日水曜日

ワークショップ情報!!

恍惚一座の団員が自主的に企画したワークショップです。

ぜひご参加ください!!

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インプロしませんか?


トランク企画は、京都を拠点に活動するインプロユニットです。
インプロとはインプロヴィゼイションの略で即興のこと。
トランク企画では、即興で芝居を作っています。
「今に居ること」「今を生きること」をキーワードに、予測のつかない未来を全員で遊び合い、協力しながら創り上げ表現しています。 

byトランク企画

講師:木村雅子(トランク企画)
日時:2015年3月4日〜25日 毎週水曜日 午後3時〜5時(全4回)
場所:高槻市内の公民館 または高槻現代劇場 
会費:通し 5,000円 単発 1,500円 [通し受講の方優先]

申し込み/問い合わせ先
aratayudai☆yahoo.co.jp(☆を@に変えてお送りください)
お名前、連絡先、参加日時をお伝えください。

企画 ちっちゃいのんず (高槻シニア劇団 恍惚一座 所属)





2015年3月24日火曜日

セリフの自由度と視線の解放。

3月24日  そよ風ペダル
 
全国シニア演劇大会に向けて稽古を進めていますが、今日は大会を運営されている鯨エマさんが来られました。
 
今回、仙台で公演する意義など熱い思いを伺いました。
 
改めて劇団のみなさんはやる気に火がついたのではないでしょうか。
 
そんな中での筒井さんからの言葉。
 
「4月からは脚本をはずしてくださいね」 
 
もうみなさん流れは入っていますから。
 
そよ風ペダルでは役者さんにある程度セリフを変更する自由が許されています。
 
内容があってあれば語尾であるとか、自分の体感に近い言い回しにすることが推奨されています。
 
作家の言葉から自分の言葉への変換。
 
だからといって慣れの話で脚本があるのとないのでは感覚が変わります。
 
今日からみなさんできるだけ脚本に頼らないようにされていますが、それ故なのか少しテンポがゆっくりになったような。
 
そして脚本がなくなったとき今は脚本を見ながら演技していたところをどうするか、具体的に視線をどこに向けるか決めていかなければなりません。
 
出番がなくても舞台上にでずっぱりです。
 
演じてないときにどう舞台にいるか。
 
新たな課題に向かっていきます。

セリフに動きを盛り込む。

3月24日 恍惚一座
 
今日の稽古テーマはマルチタスク。
 
同時に複数のことをおこなう。
 
椅子とりゲームをしながら歌を歌ったり名前を読んだり。
 
名前を呼んだあとに同じ相手に食べ物の名前を言ってまわしていく。
 
例えば舞台で自分のセリフを話したらもう役割終わりと意識が切れることがありますが、やることが増えていることによって意識を切る暇がありません。
 
というわけで、脚本稽古でもこのマルチタスクを。
 
セリフを言いながら別の作業を盛り込む。
 
上着を脱いで鞄の中身を出していく。
 
横から喋り掛ける人にも対応しながらシーンを進める。
 
カードケースの中のカードを五十音順に並べ直す。
 
周りの人ひとり一人に握手して頭に手をかざす。
 
ホワイトボードにメッセージを書きながら。
 
動きにも意識がいくのでセリフが普段のしゃべり方に近づいていきます。
 
見ている側もセリフだけよりも動きがある方が興味深く見れます。
 
その動きがそのシーンと全く関係なくても、想像力を刺激されて勝手にそれなりの意味を見いだしていきます。
 
セリフの扱いとしても、横のしゃべりかける人のしゃべり方とシーンを演じている人のしゃべり方の違いを比べることができました。
 
セリフから動きへ役者として意識できるよい稽古になりました。
 

2015年3月17日火曜日

どこまでも自然体で。

3月17日 そよ風ペダル
 
講師の筒井さんがお仕事でベルギーに行かれていました。
 
発声の終わりで一声そろえていますが、お土産のたべものがあるので早く合わせましょうと言っての次の一回であうあたり、さすがです。
 
ちなみにベルギーと言えばチョコレート、とても美味しくいただきました。
 
ダンスはやっと二番が終わっての間奏まできました。
 
今日はソロダンスのパートが追加されました。
 
毎回これまでの復習をしながら32拍ずつフリが増えていきますが、だんだんと時間が限られてきて。
 
果たして間に合うのか、でもダンス自体は繰り返しで上達しています。
 
脚本稽古は声の出し方と自然体。
 
劇場のパンフレットや舞台図を見ながら広さの実感を共有します。
 
つまりはリラックスした体で、それでも届く声を出す。
 
声を大きくすることによって自然体の演技が変わることは避ける。
 
声にひっぱられて演技も大きくなることを避ける。
 
なんたってそよ風ペダルの見所は演技してないような演技ですから。
 
例えば女性が井戸端会議をしているときは普段より声が出ているかもしれません。
 
そんな感じで自然と声を大きく出せる状態をさがす。
 
全員の中で自然体でリラックスしていることが見ている方にとって一番伝わりやすいということが共有されています。
 
自分達の魅力をわかっているということは強みになります。
 
声を意識するだけで演技が良い感じに変化してきています。
 
とにかく楽しそうな自分に酔ったような演技はしないように。
 
そのままのそよ風ペダルの魅力を表現しましょう。

10年20年先と最悪のことを考える。

3月17日 恍惚一座
 
だんだんと暖かくなってきて、春めくのはいいのですが季節の変わり目で何だか体がしんどいような。
 
というわけでラジオ体操のあとに自力整体をしました。
 
みんな気持ち良さそうです。
 
 
 
ワークは久しぶりにペーパーズ。
 
劇団の中で今ここタイプと準備タイプとバランスタイプとがあるんではないかと。
 
セリフを覚えたり段取りを考えたりするのが得意な人、舞台で相手役と演じるのが得意な人、どちらもできる人。
 
どのタイプであれ良い面悪い面ありますが。
 
なんだか生きざまのようですね。
 
先が気になる人、いつ死ぬかわからないと考える人、どちらでもある人。
 
演劇と人生は通じあっていきますね。
 
 
ペーパーズは今ここを鍛えるワークです。
 
今ここのこともさることながら、相手を観察し責任を手放すことにこだわってみる。
 
そして、お客さんの感覚と寄り添う。
 
セリフを書いたペーパーをひいて喋った無理のある内容を無視しないで疑問を疑問ですすめていく。
 
どうであれ、山口さんが話すだけでなく質問なり感じたことが出てきての双方向で議論が深まっていくのが印象的でした。
 
優しさとして自分でストーリーを進めるというのが、実はあまりよろしくないと。
 
相手に振って反応を待つ。
 
その積み重ねから信頼がうまれチームワークができあがるのですね。
 
 

2015年3月10日火曜日

受け止められるもの。

3月10日 そよ風ペダル
 
ダンスとシーン創作を進めています。
 
どうしたって稽古場が狭いので、実際の舞台の空間の広さや声がどこまで届くかが想像できなくて。
 
早口になっていないか、音量は足りているのか。
 
画像は部屋の端から全体を撮影した全景。
 
本番舞台の4分の1の広さです。
 
普段なら充分なんですがね、未知の体験です。
 
以前の発声の稽古で部屋の端に離れて向かいあい、相手に呼びかけて、その声のボリュームをキープしたまま近づいていって会話をするというのをしました。
 
今回は常に一番楽に出せる声でこの技術を使って演技するということですね。
 
自分の中でこう演技しようというプランがあり、声を小さくしたいと考えていても、お客さんにとってどうなのかということと天秤にかけましょうと筒井さんから。
 
表現は受けとめられてはじめて表現になりますので。
 
実は受け止めていただくには危険な内容、反感を買ってしまうのではないかというセリフも作品の中に含まれています。
 
今日の稽古シーンがちょうどそのシーンでした。
 
あらゆる議論を重ねて配慮をして作品創作しています。
 
それゆえに前回までの公演作品で重点を置いていた作品の本質が見えにくくなっていると。
 
作品を短くした時にそれを表現していたエピソードが削られていったので。
 
失踪者に対する関係、それゆえのモヤモヤ。
 
何かが足りないと感じていた答えが見えてきました。
 
深いところで受け止めらる作品にしていきます、ご期待ください。
 

自分の思いと目の前の相手と。

3月10日 恍惚一座
 
人間知恵の輪というワークから。
 
右手下向き、左手上向きで手を合わせ交差するようにスライド。
 
右手で誰かの左手、左手で別の誰かの右手を握って知恵の輪のできあがり。
 
周りを見ながら声をかけあいながらほどいて円陣になります。
 
画像は完全に絡まったもの。
 
断念しました。
 
具体的な理由、動機でコミュニケーションをとらなければなりません。
 
演技は言ってしまえばコミュニケーションですからね。
 
そして即興力をつけるための商品説明ワーク。
 
形容詞のいっぱいついた商品を客席から与えられて、それを売るために開発者になって売り込みの説明を数人でまわしながらしていきます。
 
全部一人で言い切るのではなくて、手放しながら次の人を信頼して任せていく。
 
あまり考えずテンポよくまわしていく。
 
わかりにくい言い方をあえてしますが、舞台にいるためにいなくなっていく。
 
考えてしまうと途端に舞台に役柄はいなくなってしまう。
 
事前に脚本が準備されていますが、それでいかに即興であり続けるか。
 
脚本の発表でも、この話題になりました。
 
脚本稽古がはじまり、ペアも早い段階で決まっていたのでお互いに演出をつけあわれていました。
 
自己演出をどう扱うか。
 
役者同士がシーンを作るときに、どう対話していくか。
 
もの言いや相手との関係を間違えると無用なストレスがかかったりします。
 
命令なのか問いかけなのか演出に任せるのか。
 
答えはでませんが、前述の即興で相手に対応するということが前提です。
 
相手と一緒にいる。 
 
それに尽きるのかもしれません。
 
自己演出と即興の両立。
 
難しいですが、そこを目指していきましょう。

2015年3月3日火曜日

パフォーマンスを磨いていく。

3月3日 そよ風ペダル
 
ダンスのフリが少しずつ増えていきます。
 
稽古場にホワイトボードがなかったので、あえてブログにフリの説明を載せてしまいます。
 
劇団員のためのメモなんですが、みなさんにも想像して期待して いただければ。
 
16拍でわーちゃん残しで女性と男性はぐるりと行進、はけから女性も行進してきて全員でたて一列に。
 
16拍で奇数が右に偶数が左に開いていって全体でV字に開く。
 
いかがでしょう、ダンスの模様が少し想像いただけたでしょうか?
 
行進が多いですね。
 
前回公演より集団行動を多くしていこうと講師の筒井さんから。
 
確かに集団行動として陣形で魅せていきます。
 
集団行動で検索するといろんな動画が見られると思います。
 
参考までに事前に見ておくと面白いかもしれません。
 
脚本創作はシーンを区切っての繰り返し稽古です。
 
画像は作品の始まり?ですかね。
 
実はネタバレなのではないかという噂もありますが。
 
段取りが最後までできての2周目の稽古です。
 
シーンごとに細かい演出、工夫をいれていきます。
 
筒井さんはここでこういうパフォーマンスを見せたいという言葉を使われます。
 
パフォーマンスと言われると役者さんの表現によっているように感じて俄然とやる気が増していきます。
 
そしてシーンをくりかえしてパフォーマンスの質をあげていきます。
 
パフォーマンスは誰かに楽しんでもらうためだと思います。
 
当たり前ですが見ていただけることを心に置きながら真摯に創作していきましょう。
 

緊張と不安に減らすための無責任さ。

3月3日 恍惚一座
 
前回でそれぞれの課題が見えてきました。
 
改めて脚本創作にチャレンジです。
 
今日も2組が発表です。
 
事前の準備と即興力が話題に。
 
脚本を読んで演技プランを思い描くわけですが、実際の舞台でプランにこだわりすぎると相手の演技を無視してしまいます。
 
一人だけで演技するというのは嘘臭くなるということです。
 
以前にこのブログで書きましたがそよ風ペダルの筒井さんが語られた下手な役者の定義を再掲。
 
自分のやりたい演技と実際の演技が違うのが下手な役者。
 
なんだかこのことにも通じているように思いました。
 
事前の準備=やりたい演技で相手とのやりとり=実際の演技。
 
山口さんは事前の準備は準備として、舞台に立つときは忘れましょうと。
 
山口さんと発表者との対話の中で実際の演技をするにも緊張や不安があると。
 
ある種の大雑把さや無責任さが役立つのではないか。
 
発表のあとにフリートークでワークを。
 
旦那が若い女性と手を繋いでいたら浮気だと思う。
 
例えばこの質問で賛成反対にわかれてトークバトル。
 
相手の意見を変えるつもりで討論を。
 
論破するには相手の意見をしっかり聞いた方がいいというのは発見でした。
 
その後、立場を逆転して討論。
 
舞台で自分とは価値観の違う役柄も演じなければなりません。
 
立場を変えても同じくらいの盛り上がりで討論するにも、ある種の無責任さがいるのかもしれないですね。
 
もしかしたら、日々のストレスも少し大雑把になれば減るかもしれません。
 
演劇と日常は地続きなのかもしれませんね。