2014年12月28日日曜日

恍惚一座 公演情報。


高槻シニア劇団 恍惚一座 CTTセレクション参加作品

『ぼ・ら・え・き』




2014年12月 アトリエ劇研にて



演出=うっとりーず
脚本=あるふ
出演:あるふ、上村けいこ、大町耕治、島勝美、杉岡浩子、望月重貴、望月昌子、
協力:上西千恵子、田中賢一、中井香奈江、西川惠美子、ふじむらみつゑ、山田麻理、山地美子
半世紀以上も生きてきた我々ですが、芝居の世界ではまだまだ「ひよっ子」です。
そんな演技のテク不足な我々が、あり余るほどの人生経験を武器に、無謀にもCTTセレクションに挑むことになりました。
こんな年の瀬の忙しい時期に劇場まで足を運んでいただいた皆様に楽しんでいただけるようなお芝居をお贈りしたいと思っています。
そして・・・ 
良いお年をお迎えください!
■日時
12月27日(土) 19:00
12月28日(日) 15:00
■場所
アトリエ劇研 (京都市左京区下鴨塚本町1)
■上演協力金
前売・当日とも 1500円

詳しくはCTT事務局でご確認ください。

2014年12月27日土曜日

脚本の中の役柄という他人との付き合い方。

12月23日 恍惚一座

脚本分析の中でも役柄の目的に焦点をあてて稽古を進めています。

座学が多くなってきていますが、今日は久しぶりに立っての稽古。

秘密の目的というインプロのワークをしました。

ペアになって相手の関係性から発想した秘密の目的を決めます。

相手は自分の目的を知りません。

その目的を引き出すために、限定しすぎず、もちろん目的そのものを言うことなく外堀から情報を出していって互いに探り合っていきます。

互いに探り合うということはある種の協力関係が必要になります。

相手が言ってきたことや問いかけに対して、わからないであるとかそんなことないと否定的な態度で接していくと目的を引き出すことは困難になっていきます。

相手のことをしっかり観察し、肯定的に受け止め、その場で生まれてくるもので演じていきます。

そして目的を探るというゲーム的要素を進めつつ、即興ドラマとして役柄を演じ続け相手役とシーンを作り上げることも同時に行わなければなりません。

どうしても目的を当てるというところに注意が注がれすぎて、目の前やり取りがおろそかになる傾向がありました。

というわけで完全にゲームとしてのワークを。

イルカの調教というもので、調教師役がイルカにさせたいこと(自分の手を握る、机の上のものを取って運ぶなどの目的)を決めます。

つまりこちらもイルカ役は自分の目的がわからないわけです。

この目的にそっている行動に対しては「クンクン」と、目的から離れたら「かわいいねぇ」と言ってイルカに伝えます。

目的が何かを取るだったとして、目の前にあって視界に入っているはずなのにまったく気づけないということが起こります。

つまりは最初から勝手に選択肢から抜け落ちてしまっているのです。

これを指して固定観念と呼ぶのだなとみんなで納得しました。

舞台の演技においてもこういったことはよく起こります。

この役は悲しんでいるに違いない、このシーンは喧嘩しているのだ。

まずは決めることは大切です。

しかしそれにこだわり続けることは危険です。

答えが一つになってしまうことは面白味が限定されることでもあるからです。

このワークでは確かに目的はひとつです。

このためそれに至るまでに明確なトライ&エラーが繰り広げられます。

答えを導くとともに、このトライ&エラーの中から生まれたものたちもとても魅力的です。

脚本分析の中で役柄の目的をさぐる時、実は役者はその目的を分かっていません。

脚本の中に隠されている“秘密の目的”を外堀の情報を頼りに役柄と対話しながら探っていく。

固定観念にとらわれず、トライ&エラーを繰り返す。

少しずつ役柄との付き合い方が見えてきました。

2014年12月17日水曜日

配役を変えての新たな創作。

12月16日 そよ風ペダル

モロモロウロウロの創作準備が進んでいます。

脚本をどうするかを話し合ってきましたが、決めなければならない大事なことが残っておりました。

再演するにあたり、配役をかえるということになっております。

そこで今日の稽古はいろいろな配役で立ち稽古をしてみるということに。


基本的に誰がどの役をやっても魅力があるということを筒井さんは言われていて。

これまでの積み重ねてきたことにより、どんな役であっても自分のものにできる技術がみなさんに培われてきた証拠です。

本当に今回の配役決定は難しいのではないかと感じています。

選択肢が多い分、決め難いのではないでしょうか。

これまでは高槻現代劇場の集会室など、劇場でないところで講演してきたわけですが、全国シニア演劇大会は仙台の日立システムズホールのシアターホールになります。

客席も広いのですが、舞台も広いです。

もしかすると少し声を大きく出すようにしておいたほうがいいかもという話が出ました。

筒井さんからはそれもさることながら、俳優修業の稽古のときに言っていたセリフのテンポについて再度がんばってくださいと。

前の人のセリフと自分のセリフの間の妙な間をなくしていく。

これをするだけでセリフは格段と伝わって話もわかりやすくなります。

大きな声のことで思い出しましたが、以前のそよ風ペダルの
発声の稽古で部屋の隅と隅に離れて互いに挨拶をして、それと同じ声量で近くで挨拶しあうというのをやりました。

大きな声量で違和感なく会話するというワークはすでにしているのだなと。

そよ風ペダルの年内の稽古は今日まででした。

年明けももう少し配役の稽古をするかもしれませんが、本格的なモロモロウロウロの稽古が始まります。

それに備えて今はゆっくり休みましょう。

脚本分析から役柄を創作する。

12月16日 恍惚一座

シニア劇団には珍しく座学の稽古をしています。

前回は役柄の目的と関係性について掘り下げました。

同様の流れで脚本分析のやり方が山口さんから解説されていきました。

ポイントは4つ。

①共感(役の背骨)
役柄と自分のあいだで共感できる要素、共通する性質をさがす。→役柄と自分の実感や体験をつなぐ。

②目的
そのシーンでの無意識下での目的をさぐる→奥に肯定的で具体的に実行できるいきすぎた目的で、その場面に登場している理由や動機を強くする。

③秘密
誰にも言えない秘密を作る。→役柄を演じるモチベーションとなる。

④成長 ・変化
スルーラインを見極める。→最初の状態から、どこで変化があり最終的にどうなるかをさぐる。

山口さんから例え話を交えながらポイントの話を聞いた後に前回のように役柄で集まって秘密の部分を話し合いました。

通常なら作品創作のときに役柄を演じるのは自分一人なわけで、同じ立場で話し合いができることはないわけで。

話し合いながら役柄を考えるというのは、とても稀な体験です。

自分の思いもよらなかった考えが相手の話に刺激されて生まれてきます。

脚本はただセリフが書いてあった、それを覚えてしまえば演技ができるというものではないということがしっかりと実感できた稽古でした。


2014年12月14日日曜日

目的と関係から役柄を読み解く方法。

12月9日 恍惚一座

脚本解釈の稽古を進めています。

前回扱ったシーンで配役を決めまして、読み合わせののち同じ役同士で集まって話し合い。

その役柄のこのシーンでの表の目的と真の目的を決める。

その役柄がこのシーンに登場する役柄をどう思っているか、その関係性を決める。

例えばですが、私は今ブログを書きあげることが表の目的だとして、真の目的はなんでしょう。

暇つぶしのためなのか、仕事のためなのか、シニア劇団の魅力を伝えるためなのか、ただただ文章を書くことが好きだからなのか、稽古内容を解説し劇団員の振り返りに役立てるためなのか。

シーンの中で表の目的も真の目的もどこに視点を向けるかでいろいろ考えられます。

つまり前例で話すなら暇つぶしのためか、仕事のためかでブログの書き方や、パソコンに向かう姿勢・座り方、そして書かれた内容も変わってくるでしょう。

このことを脚本解釈として考えるなら、目的の変化に同じセリフが書かれていても喋り方、立ち方、動き方といった演技が変わるのです。

誰かとの会話のシーンでその人と話すことを目的としているか、話したくないことを隠すことを目的とするかでは演技が変わります。

役柄がどんな目的なのかは、実はわかりません。

答えのあるものではないので、無限に可能性があります。

よくよく考えれば、いつでも目的を明確にして人は生活していません。

ここで大事なのはとにかく一つに決めてみるということです。

曖昧でわからないことをわかりやすいことに決めてみる、それが創造するということではないでしょうか。

自分の演じる役柄が他の役柄をどう感じているかを考えることは、脚本の中に隠された行動を探し出す助けになります。

自分の演じる役柄がある役柄を嫌っていると思ったならその根拠となる台詞や行動があるはずです。

少なくとも根拠になっている台詞や行動に関しては明確な意味を持って演技をすることができます。

他の演技に関しても関係が決まってしませば、それを根拠に演技を作っていけるかもしれません。

好悪で関係性を考えましたが、関係を考える観点はいろいろあります。

力関係や新密度や社会的立場、その他にもいろいろありそうです。


様々な観点から役柄どおしの関係を決めていければ、その分演技のやり方も変化していきそうです。

まずは決めることが大切です。

曖昧なままでは演技ができませんから。

しかし決めたことに固執することはありません。

違うなと違和感を感じたならすぐに別の演技に切り替えればいいのです。

回り道をすればするほど、演技はより深く説得力を持ったものになるでしょう。

いつもならこの試行錯誤を役者ひとりで行うのですが、今日は話し合いの中で共有していきました。

思いもよらない目的や関係があらわれてきて興味深かったです。

これを踏まえて、来週は立ち稽古に入ります。


2014年12月13日土曜日

茫然自失からの再発見。

12月2日 そよ風ペダル

前回で作品の全てが出そろったと書きましたが、すいません、そうではありませんでした。

失踪した深沢の記録が見つかるシーンがありました。

そうでした、過去が今に迫ってくる作品なのでした。

常に今を生きているわけですが、いつ何時この目の前にある今が変化し失われるかわかりません。

ただでさえ昨今は変化が目まぐるしく、そのスピードが上がってきています。

日々の中に刺激的で興味をひくものがあふれています。

自分を取り巻くものに目移りしてしまい、今自分が本当に何をしたいのかを忘れてしまっているような感覚を覚えて当惑してしまします。

つまりは茫然自失。

失踪した男の過去の記録を見ることは、失った自分の記録を振り返る事でもあるのではないでしょうか。

誰かの思い出の話を聞いたり読んだりした時、同時に自分の思い出も回想されて忘れていた自分自身を再発見することはないでしょうか。

モロモロウロウロ、それは喪失と悼みの作品だと思っていました。

しかし同時に再発見からの肯定や祝福の話なのかもしれません。

こんな事をユーモアに変えてなんなら爽快に描けるのがそよ風ペダルという劇団の強みです。

脚本完成は年明けで、そこから本格稽古の開始です。

自分達で創作し、自分たちで責任を負う。

12月2日 恍惚一座

アップとしての椅子取りゲームが定着しつつあります。

繰り返しおこなってきたことにより、段々とコツがわかってきたようです。

鬼の意識がどこにあるのかを、目線や体の向きからさぐって周りと協力して動く。

言葉では簡単ですが、みなさん体験を通して何かを掴んでいかれています。


脚本稽古は新たなページを山口さんが指定されての読み合わせ。

12月中はチームにわかれてこのシーンを掘り下げるとのことです。


今日の稽古のメインはCTT参加作品の創作です。

前回のCTT参加で好評価を得て、セレクションに参加することになりました。

色々な都合で今回は劇団の中で有志を募っての参加となります。

脚本、演出、出演まで、全てこの有志メンバーで動かしていきます。

この先にシニア劇団の目指すべき理想形があるように思うのです。

メンバーが意欲を持って自立して創作し、作品の最終的な責任も背負う。

それでこそ体験できる、成長できる気づきが生まれるのでしょう。

有志メンバーの思いとして、参加できない他のメンバーにも関わってほしいと。

そこで作品の中でエキストラ役が用意されました。

今日はこのエキストラが関わっているシーンを創作していきます。

作品タイトルは「ぼ・ら・え・き」。

ボランティアエキストラの略でエキストラをモチーフに、テレビ撮影現場の裏側で起こる人間ドラマを描きます。

作品の中でやれることはまだまだありますが、順調に創作が進んでいます。

年末本番ですが、よろしければアトリエ劇研までお越しください。