2014年7月30日水曜日

個人の話と民俗学。

7月29日 そよ風ペダル
 
先週に続いて芝居したい、したくない、話したい話したくないの発表を。
なんとなく芝居の方は嘘と本当の見分けが比較的つきやすいような印象。
そして、話したい話したくないの方が具体的で私的に関わるものになっているような。
劇団の中での発表になるので芝居についてのコメントは、言い方はおかしいですが真面目な発言になるような。
それに比べて話したいは、程よく曖昧でエピソードの内容の幅も広げられます。
それゆえ私的でありながら嘘かもしれないという面白味が効果的だと感じました。
 
これまでの稽古で口承文学について話し合ってきたわけですが
ある劇団員の方が高槻の昔のお話の本を持ってこられました。
稽古後半はこの本をみんなで共有しました。
能因さんの道とおちたかみなりさん。
画像は読み聞かせのように絵本を読んでいるところ。
能因さんについては以下。
高槻にいたお坊さんで歌人なんですね。
かみなりさんは蓮根の穴の話になるんですね。
蓮の花を見てかみなりさんが落ちるのが
おなごのふくらはぎを見て法力で飛んでいた仙人が落ちるのと似ているとか。
何故にかみなりさんが蓮根の穴と関連づけられたのか。
蓮の花はお釈迦様の台座であるわけで。
なんだか意味深ですね。
民俗学のようでなんだか面白かったです。
民俗学のようなリサーチとみなさん自身からでてくるエピソードへのリサーチと。
この二つが融合してどんな風に創作が進んでいくのでしょう、楽しみです。
 
 
 
 

2014年7月29日火曜日

まずはの通し稽古。

7月29日 恍惚一座
 
シーンを区切ってこれまで立ち稽古をしてきました。
今日は仕上げとしての最初からの通し稽古。
いつもより稽古場が広いので、舞台の実寸をはかって稽古を進めます。
脚本を持ちながらになりますが
できるだけ見ないで思い出しながらだったり
どうであれ相手を見ながらといった視線の演技も入り始めました。
終わったあとに実際の会場をみんなで下見を。
広さや空間の持つ雰囲気を確認します。
来週からはシーンを区切って細かく創作していきます。
集中して作品を飛躍させていきましょう。
 

2014年7月23日水曜日

虚実を交えて、

7月22日 そよ風ペダル
嘘も本当も交えながら、
以下の◯◯に具体的なエピソードを入れた
3~5の文章をみんなの前で発表しましょう。
私は◯◯したいです。
私は◯◯したくないです。
私は◯◯なりたいです。
私は◯◯なりたくないです。
私は◯◯話したいです。
私は◯◯話したくないです。
私は◯◯お芝居をしたいです。
私は◯◯お芝居をしたくないです。
前半4つが終わってのみなさんの傾向。
恋と死に方とお金、旅について、孤独についてのエピソードが目立ちました。
この五つのキーテーマでもう一度
私は◯◯なりたいです。
で虚実交えて文章を作ります。
虚実が混ざっているので
どんな文章を書いたところで問題にならず
自由にエピソードを繰り広げることができます。
例えば事実をもとにして作品にしたとして、
創作が入っているのでそれも虚実ない交ぜです。
であるならば、エピソードをみんなの前で発表するというのは
演じることの原型に思えます。
どうであれ、発表を見ていてハッとして
心が動いた瞬間があったということ。
時間がなくなり後半4つは来週に。
前半より質問自体が少し具体的になっています。
どんなエピソードがでてくるでしょうか。

2014年7月22日火曜日

気持ちより先に。

7月22日 恍惚一座
チラシのあらすじにある通り
今回のお話は図書館が舞台です。
人形たちのお泊まりイベントという設定。
なのでみなさんのお家からイチオシの奴等が大集合。
人形は不思議ですね、みなさんの中で擬人化されている。
大切な出演者たちです。
舞台の構造もつまってきました。


シーン稽古をしながら出はけや立ち位置を確認していきます。
演技に関して、気持ちや感情は作らない。
それよりも一緒に舞台にいるものに対してアンテナをはることに集中する。
立ち位置や動線や段取りはこれから稽古をしていく上で細かく決まっていくでしょう。
しかし役柄の性格や感情は本番まで決めない。
舞台に立ったその時に一本の芯が通るとのこと。
何よりもリラックスしてそこにいられるように。
セリフや段取りがおぼつかないと
その不安で思うような演技ができなくなります。
リラックスして、事前に頭で考えた感情でなく、
今この時に反応しての具体的な動きで創作する。
シーンを一通り立ち位置であたりました。
来週は最初から創作を始めます。

2014年7月16日水曜日

こどもの遊ぶ風景。

7月15日 そよ風ペダル

若者に伝えたいことをテーマに話を進めています。
これまでずっと残ってきたものにはそれだけの力があるのでしょう。
みなさんが知っている民話などの口承文学を発表しようということで先週から話し合っています。
先週は戦争体験の話に焦点が当てられましたが
今日は昔していた遊びについて。

画像はケンケンパの書き方を説明しているところ。
地面に棒で丸や四角を書いて遊んだわけですが、
今はアスファルトになっているわけで。
その代わりに学校からチョークを持ってきたり、
駄菓子屋でろう石を買ったりしていたとのこと。
地面が変わってきたのかという気づきは興味深かったです。
懐かしの遊びの話はたいへん盛り上がりました。
ついついこう遊んだと体が動きだしていく。
その表情にこどもの頃と同じ笑顔がありました。

今のこどもたちの遊びと比べてという話があります。
ゲームばかりしていると。
だからコミュニケーションができないのだと。
本当のところはわかりません。
物質消費社会で成熟社会ということなので
遊び道具には事欠かないのでしょう。
それと同じに色んな事がたくさんあって選択できないとか
そもそもその多くの事をするために忙しすぎて
遊んでいる時間がないであるとか。
環境は変わってきたのでしょう。
それでもこどもは今も昔も変わらないと思います。
生まれたばかりであればなおさらに。
変わったとするなら大人の立ち居振る舞いではないかと。
それ故、こどもの遊ぶ姿も変わったように見えるのでしょう。
本当のところはわかりません。
わかりませんが、そう感じます。

今日の稽古の終わりがけに新たな取り組みがなされました。
来週も引き続くということです。
こちらの模様はまた次回のブログにて。


2014年7月15日火曜日

着実な準備。

7月15日 恍惚一座
 
先週のうちに稽古するシーンが伝えてありましたので
みなさん必死にセリフ覚えをされてきたようです。
できるだけ脚本を見ないでと頑張られていて
今はそのことに一生懸命になってしまい
なかなか相手と会話しているところまでは。
ここから肩の力を抜いていけろように。
なんとなく舞台美術のイメージし始めていて。
舞台への出入口の場所や、
お客さんにどう向くか、
どこに立つのかということを意識しながら稽古。
シーンによって脚本から読み取れること、
気まずい雰囲気をどう出すかなどの課題が山口さんから出されていきました。
手作りの小道具も増えてきて
います。
着実な準備が進んでいます。

2014年7月9日水曜日

回想する方法。

7月8日 そよ風ペダル

若者に伝えたいこと。
これからの時代に残していきたいこと。
そんなことをテーマに前回の稽古で宿題が出ていました。
今日は考えてきたことを出し合っていきます。
そよ風ペダルは50歳以上を参加条件にしています。
最高齢は70代になるので、年齢差が20以上あります。
言ってしまえばここにも世代間の違いがあります。
例えば実際の戦争を体験しているのか
戦後の復興を体験しているのか。
どうしたって戦争の話は避けては通れません。

回想法というものがあります。
人生の歴史や思い出を会話により振り返り、
自分の人生を再評価することで尊厳や生き甲斐を見い出し、
脳の記憶の部分を刺激し健康維持につなげるものです。
今回の公演がそういうことを目的にしているわけではありません。
回想法においては主に回想をする人を対象としますが
作品とするならば、それを見て受けとめる側を対象とします。
ただ図らずもみなさんは「若者に伝える」ということから
自分これまでと向き合われているように感じます。

演技力をつけるということで、自分自身を知るという事はとても重要です。
ただ話をしているだけですが、しっかりとした演技ワークなのではないでしょうか。
稽古の終わりに筒井さんから「そういうわけにはいかないのだけど、
今日のことをそのまま作品にして充分面白いのではないか」と。
語られた内容も、それを語るみなさんの有り方も見ごたえ聞きごたえのあるものでした。
回想が演劇になり次世代に繋がっていく方法。
とても興味深い試みです。

2014年7月8日火曜日

力のある言葉。

7月8日 恍惚一座
まずは舞台美術をどうするかという話から。
画像の奥のホワイトボードにいろいろ書いてありますが
ぎりぎりネタバレにはならないかと。
その辺のアイディアも鑑みながら
7月の残り三週間はシーンを決めて返しながら稽古を。
セリフもこの期間で覚えきりたいですね。
今回の作品を通しての演技の課題はいかに聞くか。
作品を書かれた伊地知さんの特色として
力のある言葉で語りつくすということがあると思います。
この言葉にどう立ち向かい発していくのかということもあります。
同時にその強い語りをどのように受けとめ聞いていくか。
実は見る側は舞台上で聞いている人と同調しながら
作品をより深く受けとめていくのでしょう。
本格稽古に入る前の準備期間ですかね、今は。
少しずつ形づくっていきましょう。

2014年7月2日水曜日

「最近の若いもんは」

7月1日 そよ風ペダル

公演後のお休みをあけての稽古再開です。
久しぶりにボールワーク、体操、発声を丁寧に。
前回公演の話はお休みの間に打ち上げをして
ある程度みんなで話し合ったので
今日はこれからのことについての話し合いです。
来年の公演をどうするのか。
これまで高槻現代劇場で公演をしてきましたが
次回は別の形態での公演になりそうです。
それはまた情報がととのったらお伝えするとして。
どうであれ、次回作のための創作に入ります。
これまでのそよ風ペダルの作品。
モロモロウロウロは震災という社会の動向も踏まえつつ
人間が抱える喪失感をモチーフでした。
そよ風ペダルの俳優修行はタイトルに劇団名が入っていることも表しているように
等身大の自分たちから生まれるものを、主に同世代の方々に向けて描き共感を得ました。
筒井さん曰く、俳優修行の創作のための話し合いの中で
若い子たちに何かを伝えていきたいよねという発言があったとのこと。
そこで次回公演は若い世代に向けての作品にしようという提案が筒井さんからされました。
本日は皆さんが伝えたいことはありますかという、大きな枠組みでの質問から色々な話をしました。
話し合いというより、ある種の議論もしくは討論のようになって話題は多岐にわたりました。
話を聞きながら「最近の若いもんは」という言葉が気になりました。
この言葉自体がもはや死語になっているのではないか。
「最近の若いもんは」と言われる機会が減っているように感じたのです。
つまり世代間の交流が減っているという実感なのですが。
「最近の若いもんは」というのは説教くさくてということもあるのでしょう。
しかし説教をするということは、そこに責任と覚悟があれば納得し分かり合えるのではないでしょうか。
異世代交流と言います。
それは「私たちのときはこうだった」と
「これからはこうなっていく」という方向性の異なりでしょう。
しかし私たちはどのような世代であれ同じ時代を、つまりは今を共有しています。
そよ風ペダル流の「最近の若いもんは」という言葉が使えればと思います。

2014年7月1日火曜日

録音作業。

7月1日 恍惚一座
 
今日の稽古は再度の読み合わせです。
ゆっくり焦らずセリフを発してやりとりをする。
その声を聞きながら山
口さんは作品の質感を想像していきます。
それとともに、読み合わせを録音していきます。
これを編集して、セリフ覚えにいかします。
録音しているので、間違えて読み直したり
余計な音が入らないように気を付けますが
ついつい笑い声が起きてしまうのは仕方なく。
アトリエ劇研での山口さん演出作品の公演は本日まで。
一区切りをつけて、来週からは本格的に立ち稽古でしょうか?
時間はあっという間に経ちますから。
頑張りましょう。