2014年1月30日木曜日

時空移動の必要。

1月28日 そよ風ペダル

追加ページが届きました。
明確な区切りがあるわけではありませんが、
展開として第二場に入ったという印象です。
最初からこれまでのお話の中でも
細々と事件や問題は起きて(すでに抱えて)いましたが
今回のシーンでの事件は大きくお話の流れを変えました。
それによってワーニャ伯父さんという演劇空間が
日常空間の中に入り込んで来るという、また新たな展開を見せています。

というわけで、今日は追加シーンの稽古です。
といってもこれでのシーンの立ち稽古を
まだ一度しかしていないし、
前回は舞台空間の設えが曖昧だったところを
今日は床に紐を貼って明確な区切りをつけたので、
途中のシーンから始めるとなって、
一体このシーンで自分がどこに居るのかと
迷子になる人がいて少し混乱しました。
逆に立ち位置や動きに対しての意識が生まれて良かったのかもしれません。
演出的なヒントが埋もれていたのも見つけ出し、
筒井さんの次回までの宿題もできましたし。

立ち稽古を進めながら、立ち位置や動きのことを決めていきます。
話に展開があった故に、前回のブログで書いた
多層性のある表現が難しくなったように思います。
今までは演劇時空と日常時空が明確にわかれていたので
この時空移動が(もちろん演技的な変化は必要として)
お話の展開で変化していました。
しかし、演劇時空と日常時空が同じ層に並んでしまったので
この時空移動を演じ手の演技だけで変化させなければならなくなりました。
予感として、この先のお話の中で
もうひとつふたつ時空移動の種類が増えてきそうな気もしますが。
さておき、演技で変化を生むならば何かしらの工夫が必要で。
セリフを自由に扱えるようにならないとかも知れません。


2014年1月25日土曜日

多層的な魅力。

1月21日 そよ風ペダル

本日は脚本の追加はありませんでしたが
すでに先週までで始まりの部分はできあがっているわけで。
読み合わせまで進んでいるわけで今週からは早速立ち稽古です。
筒井さんが実験として今考えている舞台の設えをみなさんに伝え、
それで稽古をしてみてどう見えるかを試していきました。
ここしばらくの稽古は声を取り扱った稽古がメインだったように思います。
立ち稽古をして設定された舞台で演じて、
なかなか動きの多い作品だなと感じます。
同じ舞台空間の中にいろんな種類の身体が層を成して置かれています。
演じる身体、プロンプする身体、演技を観る身体。
そして時間の経過によってもいろんな種類のシーンが層を成して配置されます。
演技としてやりとりをする時間、そのやりとりがちぐはぐになる時間、演技ではないやりとりの時間。
もちろん声に関しても層ができていて。
今回の作品のひとつの魅力としてこの多層性というのがあるように思います。
このそれぞれの層の違いが明確になることが差し当たっての課題かもしれません。
そうは言っても、もっとたくさんの魅力が詰めこまれるような予感がします。
これからの脚本の展開が気にかかります。
そろそろ全く別の観点からの変化が起こりそうな予感が。
まだどこへ向かっていくのか未知数ですが、
ここは焦らず進めていきましょう。

可能性を試す。

1月22日 恍惚一座

早くも発表台本の第二稿が届きました。
ページ数が減ってスリムになって、
しかも役柄も深まってより質の高いものになっています。
本日は配役を変えての読み合わせをしていきました。
まだあらゆる可能性を試していくために
くじ引きで配役を決めて読んでいきます。
当然ですが人が変わるとその役柄の印象も変わってきます。
すでに公演をしているので、きっと山口さんの中で
ある程度はこの役者さんの演技ならこんな役柄で描けるだろうなというストックはあるのでしょう。
きっと自分の予想を越えたものを見るためのくじ引きなのだろうなと。

これまでの稽古では朗読をしてきました。
その流れならば、朗読作品になる可能性もありますが
なんだかそれではもったいない気もしながら。
どんな演出による作品になっていくかはまだ未知数ですが。
稽古場の都合で来週がお休みになります。
そして、配役はまだ決まっていません。
山口さんから「休みの間にどの役柄になってもいいように準備しておいてください」という、
ちょっと無茶なお願いに苦笑しつつ本日の稽古は終了です。
さて次回稽古で配役は決まるでしょうか?
そしてどんな稽古をしてどんな作品に仕上がっていくのか。
期待に胸が膨らむところです。

2014年1月15日水曜日

三つの演技法を演じ分ける。

1月14日 そよ風ペダル

前回は脚本ができあがっていましたが、
独白の練習をしてシーン稽古はありませんでした。
本日も追加の脚本が届きつつ、
改めて脚本の創作稽古が開始されました。
まずは流れを確認するための読み合わせをします。
読み合わせなのではっきりとはしませんが、
すでに読みだけで25分近く過ぎていて、
これに動きをつけていくと少し時間がかかっていくわけで。
筒井さん曰く、まだお話が始まっていないとのこと。
シーンとしてはとても楽しいのですが、
表現したいことがまだ出てきていないのもわかるわけで。
書いていると楽しくなってどこまでもお話を続けてしまえそうだとのこと。
心強い限りです。
一度の読み合わせのあと、脚本の文字からだけではわかりにくい演出的工夫の説明を。
公演稽古に入る前におこなっていたワーニャ伯父さんを使ったワーク。
ワーニャ伯父さんを演じるときの派手な演技、
プロンプターの囁くが客席まで届く演技を取り扱ってきました。
これに加えてさらに脚本稽古として
普通にしゃべってやり取りしているのテンポのいい演技が求められてきます。
二回目の読み合わせではこの三つの演技を明確に演じ分けることを目指しました。
これにより作品の中でのメリハリが生まれてきます。
読み合わせ後にシーンを選んで立ち稽古。
演じ分けの練習をします。
派手な演技をもっと過剰にすることを目指します。
はたから見ていて、演技を大きくということで声が大きくなるというのがありますが。
加えてセリフ回しのスピードを工夫するのも一つの手ではないかと。
他にもやり方はありそうですが。
派手な演技をさらに開拓していきましょう。

新たな発表に向けて。

1月14日 恍惚一座

稽古の始まり方の流れが決まってきました。
ラジオ体操をして、発声をしてビビリビビリバをしてカウントワーク。
カウントワークは今日は15まで成功です。
来週は20を目指して、ゆくゆくはどこまでいけるでしょう。
100までいけたら素晴らしいなと。
はたからぼんやり見ていて、
重なるとダメなわけですが、
逆に必ず二人でカウントしなければならないとなったら
何かが変わるのかしらとか。
簡単になる気もしますが、どうなのか気になるところです。

さておき4月に恍惚一座でアトリエ劇研にて発表会をしようという話が進んでいます。
くわしい話はまた制作的な手続きが済んでからご報告いたしますが。
稽古場ではそれに向け着々と準備が進んでいます。
なにせすでに発表用の脚本ができてきていますから。
今日は配役の仕方をどうするか(誰がどの役をではなく、
一人二役などの脚本の扱い方)を念頭に置きながら
一度全員で読み合わせをしました。
その後、どういった形で演じるのがいいかを話し合います。
実際に演じるのか、朗読をするのか、配役をどうするか。
ある程度の発表形式が見えてきたような。
とりあえず意見を聞いた山口さんが、どうするか考えて来週から稽古が開始されるのでしょう。
というか、今日の最後にシーンを抜粋して読み合わせをして。
この役柄はこんな感じでしゃべってみてくださいと演出がはいったり。
稽古はすでに始まっています。
意欲的に進んでいっています。

2014年1月8日水曜日

長いセリフとプロンプの極意。

1月7日 そよ風ペダル

公演に向けて脚本執筆と作品創作が同時並行で進んでいます。
今日は追加のページが届きましたが、その前の段階の稽古を。
次回作では年末まで取り組んでいた
ワーニャ伯父さんを扱って作品が形づくられます。
役者さんそれぞれにワーニャ伯父さんの中から長めのセリフが割り当てられていて
今日はそのセリフをテンポよくかつ以前取り組んでいた派手な演技で演じてみようと。

一人ずつ発表して筒井さんからそれぞれにポイントやアドバイスが提案されます。
作品の中でワーニャ伯父さんを演じている部分と
作品の役柄として会話をしているところ明確に演じ分けるための稽古になります。

長いセリフの多い脚本というのが少なくなってきています。
「最近の若い役者さんは長いセリフを扱うのが下手になってきた」
と筒井さんから。
そんな中で長いセリフを正に聞かせるということができたなら、
とても高い技術を身につけたことになります。
勝手な印象ですが、この技術はシニア世代の方が得意とするところなのではないかと感じます。
その根拠は提示できないのですが。
有体に言えば、過ごしてきた年輪によって味のある発話になっていくからと言うことかもしれませんが。

年末に脚本を渡されていたので、中にはすでにある程度セリフを覚えている方がいて。
そんな場合は実際にプロンプをつけて脚本を離して演じてみます。
筒井さんからプロンプターのコツを。
脚本に目線を落としていると、セリフが詰まったかどうかを声で判断しないといけなくなります。
それだと一瞬の間が生まれてしまうので、
目線は演じ手の演技に向けておいて脚本高めに持ち
演じ手の表情を察知してプロンプを入れる。
言ってしまうならば、プロンプターもある程度は脚本を覚えてしまっているのでしょう。
ひとつ勉強になりました。

本日は一人語りの発表を全員分取り扱うことで稽古終了です。
次回から改めて脚本稽古が開始されるでしょう。

ニュートラルであること。

1月7日 恍惚一座

年明け最初の稽古です。
いつものラジオ体操と発声をして、インプロゲーム。
円陣になって一人が真ん中にいます。
真ん中の人は誰かの前に立ってビビリビビリバと言う。
言われた相手は言い終るまでにバと返さないといけない。
もしくはバとだけ言われたときは黙っている。
発展していってトースト、ボンド、三猿と言われたら
言われた人と両隣の人で
それぞれの決められたポーズを作る。
ミスしたら真ん中の人と交代です。
ついついミスをしてしまったり
人によって真ん中になった時の仕掛け方が違ったりでとても盛り上がります。
場があったまったところで集中して引き締めるワークを。
カウントゲーム。
1から順番に他の人と同時にならないように数字をカウントするというだけのゲーム。
単純ですが、だからこそ奥深いゲームです。
とにかく言ってしまおう前のめりになりすぎると同時に数字をカウントしてしまうし、
ミスすることを恐れて後ろに下がりすぎるとワークに参加できないし。
集中したニュートラルな体で周りを感じると言葉では簡単に言えますが。
舞台の上でもお互いに支え合ってシーンが進行していきます。
そこで前のめりでも後ろに下がってでもなく相手に関わること。
これは頭で考えることではないので。
しばらくこのカウントゲームは続けていきます。
体験の中でそれぞれが何かを見つけられたらと思います。

最終の朗読稽古でした。
朗読作品は以下の通り。
京都民話「子育て幽霊」
佐野洋子「死ぬ気まんまん」
東野圭吾「手紙」

それぞれの朗読を見て山口さんから、
その人の今後の演技にも通ずる課題が提案されていきました。
一つ印象に残ったのが読み手は先に作品内容を知っているので
悲しい話だとわかっていて、そのような思い入れでしんみりと読んでしまう。
しかしそれだと、受け止める側はそれだけしか見えてこなくて
イメージを膨らませる余白を持つことができない。
感情が自分の中で決まってしまった時に
敢えて別の感情表現を選択してみると面白さが広がる。
演じ手としては表現を決めてしまった方が楽ではあるのですが。
思い込みのところで止まってしまうと
見ている側が面白いと感じる表現にはなりにくくて。
自分のこだわりができたら、それを一度横に置いて、それこそニュートラルになって
しばらく遊んでみてまた立ち戻るというのが良いのかもしれないなと。

この朗読稽古を受けて、公演稽古に入る前に発表会をしようかという話がありました。
来週に発表用の脚本が用意されるかもしれません。
さて、どうなっていくでしょう。
また進展があれば報告していきます。