2013年12月11日水曜日

もう一人の自分。

12月10日 恍惚一座

恍惚一座の公演は来年の9月末ごろを予定しています。
公演脚本ができあがっての稽古を4月ごろから始めるという目途で稽古を進めています。
せっかくだし公演稽古が始まる前に発表会ができないかしらと
提案がありました。
まだ定かではありませんが、もしかすると春までに皆さんの前に立つことができるかもしれません。

朗読とインボケーションです。
本日も3作品。
三浦しをん作 「まほろば駅前多田便利軒」。
今井美沙子作 「もったいないじいさん」。
あまんきみこ作 「北風を見た子」。
ゆっくり落ち着いて読んでみることと、
簡単に言うとメリハリをつけて読んでみるということが課題となっています。
メリハリをつけるということに関しては、ここで説明するには少し難しいので置いておきます。
ゆっくり読むということについて。
もしかすると読み聞かせながら、聞いている自分があるといいのかと。
聞かせている人にどう聞こえるだろうと不安になって早くなってしまう。
でもそれは相手のことだからわかることはできなくて。
ならば自分の声を自分で聞いて作品を味わってしまえばいいのではないかと。
演技しているときも相手とのやり取りに反応する自分とは別に
その演技を観て楽しんでいる自分がいたりします。
少なくとも自分の声が聞こえているときはリラックスしている証拠です。
そんなことを意識すると変わるかもしれません。

先週は説明できなかったインボケーションについて。
山口さんが先週出演していたインプロ公演で
インボケーションをされていたので、ネタバレいなるため自粛しました。
舞台上には椅子が二脚、客席に向いて置いてある。
一人の演じ手が椅子に座り、自分のずっと手元に置いている品物が隣の椅子に置いてあるとして語りだす。
まずはその品物の形状や色、使用方法など一般常識としての説明。
その後自分の持ち物だからこその特徴やこだわりの説明。
演じ手は横を向き椅子にあるはずの品物に向かって語りだす。
演じ手と品物は友達以上恋人未満の関係性である。
演じ手は品物のあるはずの椅子に座り、品物として自分に語りだす。
何気なく見ていたその品物が、とても意味深いものに感じられてきて。
その変化が見ている方にも伝わってきて何とも言えない気持ちになります。
その人の人となりや、大袈裟に言うなら人生みたいなものが見えてきます。
積み重ねた時間の集積、シニアならではのワークかもしれません。