2013年11月13日水曜日

ムーブメント。

11月12日 恍惚一座

今日は山口さんが別の仕事でお休みのため、
アシスタントの梶川が代講です。
先週、演劇の稽古には三種類あってボイス、インプロ、ムーブメントであるという話がありました。
今日は主にムーブメント、体で表現することをメインにワークを進めます。

脚本にはセリフと少しのト書きしか書かれていません。
つまりその時どう動くか、視線をどこに向けているかなどは大方書かれていません。
それゆえ脚本に書かれていないことは、役者の発想で補っていくことになります。
補う方法としてムーブメントのワークが手がかりになっていきます。

アイコンタクトをまわして、視線の使い方を意識してみる。
ゆっくり歩いて自分の体のどこを動かしているかを意識化する。
いろんな歩き方(腰を曲げたり、手足を真っ直ぐにしたり)で、その人がどんな正確に見えるかさぐる。
目をつむって歩いて、普段はあまり使わない感覚で周りを捉えることを体験する。

最後にまとめとして、ムーブメントでシーンを作ってみました。
稽古場の中で気になる場所を舞台にして、どこから見るか客席を決める。
一人ずつその空間に入ってきてポーズをとる。
一人が空間に入ると舞台の絵が変わります。
その絵を見て感じるままにどこに入りたいというのを決めて次の人は入っていきます。
全員入ってシーンの絵が出来上がりで、これを二回して二枚の絵をつくります。
誰もいないところから一つ目の絵、二つ目の絵と変化していく、その間にムーブメントを入れていきます。
間の動きが入ることによって絵の見え方が少し変わってきます。
ムーブメントを作るときに事前に設定や物語を作ってしまうと見え方が制限されて、想像力を刺激されなくなるというのは発見でした。

表現のつくり方として、脚本からキャラクターの生い立ちや設定、その時の気持ちを想像する方法と
その時の体の動きを創作する方法があると考えています。
どちらもやればいいのですが、体の動きとした時にジェスチャーやマイムになってしまうことが多いように感じます。
もしかすると体の動きというよりも体の状態と言った方が近いのかもしれません。
突き詰めていくと呼吸ということでしかないのかもしれません。
物語を求める、感情を想像してできた表現というのは明確なひとつのことを表現するのに向いています。
例えばそれはひとつの意味をしっかり伝える言葉(単語)に近いいと。
つまりは記号のように感じます。
こういう面ではジェスチャーやマイムも同様に明確なひとつのことを伝えます。
体の動き状態の表現というのは、見えているものはシンプルで明確です。
しかしシンプルで意味がないため、表現されているものは受け手の想像に委ねられます。

今日のブログを読んでわかるように、なんだかわかりにくいワークになったように感じます。
はたしてどんな風にみなさんの中に残ったのかわかりませんが。
それぞれに合う合わないがあるので、気になったことがあればそれ十分だと。
何かしら次回の公演稽古をするときのヒントになれば幸いです。