2013年7月31日水曜日

見せる、見られる。

7月29日 そよ風ペダル

チェーホフの立ち稽古が少しずつ進んでいます。
前回やった、セリフをどこに落とすのか、
自分なのか、相手なのかということを意識しながら
稽古を進めていきます。
シーンとしては4人の登場人物が入ってきて
一人が残ってあとは通り過ぎるというところ。
セリフをどんなタイミングで入れるか。
印象を残すための立ち位置の確認が筒井さんからあります。
読み合わせなので、脚本に集中してしまいがちです。
それゆえ自分の立ち位置、セリフの飛ばし方を
意識に置いておくのはなかなか複雑な作業です。
できれば、今見られて、見せているんだということを含めて稽古を進めていこうと。
本格的な脚本稽古になっています。

2013年7月27日土曜日

脚本解釈と実体験。

7月23日 そよ風ペダル

ひきつづきワーニャ伯父さんにつきあっています。
新しいページが追加されつつ、先週のシーンの復習。
前回と同じ三人チームで少し練習して発表。
それぞれのチームの発表後に筒井さんから見ていての気づきを。
あるチームに言われたことは、みんなの中で共有され次のチームにも積み重ねられます。
ト書きに書かれている間で、どのように話が切り替わったことを表現するか。
自信がないとうセリフがあって、役の人物は本当に自信がないのか。
自分ならどうだろうという問いかけが議論を呼びます。
曰く、男の人はそう言ってそんなことないよと褒めてもらい自信をつけたい。
女は自信がないときは口に出さず、なんとかしようとすでに動き始めている。
セリフの中の得体のしれない食べ物ってなんだろう。
きっと高級品なんだとして、そんな食べ物を思いつきますか?
フォアグラ、はちのこ、チョロギ、イナゴ、パクチー。
声を相手にどのようにかけるか。
しゃべり出しは相手にかけているが、話が盛り上がってくると自分で自分に言っている現象も出てくる。
声を相手に届けるか、自分にかけるか、両方にかかっているのか。
声をどこに落とすかを明確にしていきたい。
脚本の解釈次第でこの落としどころが変わってきます。
脚本解釈の気づきを共有しながら演技のことを考えつつ
セリフの実感をこめるために体験の振り返りを話し合って盛り上がりました。
脚本を持ってセリフをしっかりしゃべるそよ風ペダルのみなさんの声というのもなかなか興味深いものがあります。
公演の時の演技とは別のものが見えてきています。

2013年7月17日水曜日

公演稽古、始動!

7月16日 そよ風ペダル
 
みなさんから要望があったということで、名作脚本に取り組んでみようとチェーホフの「ワーニャ伯父さん」が用意されました。はじまりのマリーナ、アーストロフ、ワーニャの三人のシーン。前回の話し合いの中で出てきた「セリフをテンポよく扱ってみる」を課題に、三人グループで読み合わせ稽古をして発表。
 
その後、筒井さんから作品解説。
そして、取り扱っているシーンの中のモチーフを取り出して、それを具体的な実感を伴って演技するために
自分の普段の生活を振り返ってみようということに。
 
モチーフ1 「めんどくさい」の実体験。
・暑い中、孫の幼稚園の送迎バスのお迎えに行く。
・ご主人一人分の昼食の準備。
・二日酔いの次の日。
 
モチーフ2 マリーナの「ふけましたねぇ」と本人に言える関係。自分にとってどんな相手になら言えるか。
・ご主人。
・男性は奥さんには言えない。 「殺されるね」「言い方じゃない」
・自分の方が年齢が上なら失礼にならないんじゃないか。
・親が子供に言うならありえるかも。
 
実際にワーニャ伯父さんをそのままそよ風ペダルで上演はしませんが
ワーニャ伯父さんとは公演までつきあっていくことになります。
つまり、ワーニャ伯父さんから上記のようなたくさんのモチーフを取り出して
それをそよ風ペダルの中で実体験の伴うエピソードとして摘出していきます。
このエピソードと元のワーニャ伯父さんを絡ませて一つの作品に仕上げていくという目論見です。
脚本を取り扱ったワークかと思いきや、次回公演の創作が始まりました。
さすがそよ風ペダル、始動します。

 


上演作品、発表!

7月16日 恍惚一座
 
予告したように通し稽古です。
今週も小道具サプライズが起こりました。
そして、上演許可がおりましたので画像公開。
 

ピグモンと円谷英二監督です。というわけで、恍惚一座 第1回公演は大橋恭彦 作「ゴジラ」になります。学生劇団だったりの若い人がよく取り上げる作品ではないかと。テンションの高い、声や体を精一杯使った、元気な作品というイメージがあります。そんな作品をシニア劇団で取り上げるというのも、なかなかの挑戦ではないかと。でもだからこそ、やる意味があるのでしょう。ここでしか出せない魅力があるのでしょう。

通しはセリフを必死に覚えようとしていることがよく伝わってきました。
できるだけ脚本を見ないで演技をしていきたいという思いが伝わってきます。
稽古を重ねればセリフは自然と入ってきます。
なによりも作品に取り組もうと、とにかくぶつかっていって
面白さを伝えていこうという熱意、心意気が大切で、もうすでに通しの中で溢れるほどに伝わってきました。
「もう細かい所を演出すれば上演できるな」と山口さん。
いやいや、気が早いかもしれませんが、
魅力的な作品が生まれそうな予感は、確かに、すでに。


2013年7月14日日曜日

そよ風ペダル、さっそく稽古再開。

7月9日 そよ風ペダル

公演を終えて二週間お休みをして久しぶりの稽古です。
通常だと一ヶ月休んだりするのですが、さっそく稽古再開です。
公演が好評のうちに終わり、より高みを目指して時間を多く取っていこうという心意気です。

久しぶりに体操と発声を丁寧に。
公演稽古の終盤は通しをして返し稽古をするために体操を省略していましたので、何だか新鮮です。その後、円になって座り前回の公演について、周りから聞こえてきた感想や反省点、これからの稽古や次回の公演に向けての段取りについて話し合いました。
試演会があったことがどうだったのか(本公演の内容をわかりやすくしたかどうか)といった作品のことだけでなく、
パンフレットにあらすじを載せるべきか、チラシの地図の情報、客席の設えや、妊婦の方などの客席の誘導についてといった公演全体に対する話し合いも出てきました。
単なる講座の受講生ということでなく、シニア劇団の劇団員という意識がしっかりみなさんの中にある証拠だなと感じました。
これからの稽古について、ワークショップのようなことをおこなうのか、本公演の作品づくりに向かっていくのか。
また、間で試演会もしくは発表会みたいなものをおこなうのか。
そういったことも話題にのぼりました。
結論は出ませんでしたが、何にせよ来週から稽古が本格的に始まります。
なんだか来週の稽古が楽しみです。


素に戻らず受け止める。

7月9日 恍惚一座

今週も稽古場に小道具サプライズが。
ひとつの役柄をパネルに絵を描いて表現しようという話しが先週出まして、
その内作らないとなと思っていたのですが
作ってみたとパネルを持ってこられていました。
なかなかの完成度です。
画像を載せたいところですが、上演許可がまだなので控えます。


先週の続きで残ったシーンの立ち稽古を。
台詞を言い終わった後の体について。
脚本がまだ入ってない状態だと往々にして起こるのですが
台詞のない時に待ちの状態になって、素に戻っているということが良くあります。
人によって発するのが得意な人と、受け止めるのが得意な人というのもあって。
芝居のテンポとか現段階ではいいので、相手の演技をしっかり見て聞いて受け止める。
そこから自分の台詞をはっきりと相手やお客さんに伝えることを大事にしてくださいと山口さんから。



図らずも残りのシーンが全てできまして。
ラストシーンで山口さんが涙ぐんでいたのはここだけの秘密です。
来週は立ち稽古での初通しになります。
その後の二週間が山口さんの劇団、トリコAの本番になりますので。
山口さんはいませんが、みなさんで稽古場取りをして自主稽古をすることになっています。
ここで台詞を覚えることができたらと期待しながら。
順調に公演稽古が進んでおります。

2013年7月6日土曜日

物語を区切る。

7月2日 恍惚一座

前回お伝えしたので小道具を持ってこられています。
練習用なので、取りあえずのカタチになるものでいいのですが、
もはや本番並みに手づくりされたものが用意されていて。
その熱意にびっくりさせられて、さすがです。

さて、本日の稽古は作品の分割箇所を明確にするところから。
稽古の時にこのシーンをやりましょうとなった時に、
みんなでどこのシーンだかわかるように、
区切ったシーンごとに名前を付けていきました。
このシーンを区切るという作業、名前をつけたりして遊んでいるようですがとても大切です。
演劇でも物語でもいいのですが、見ている人が何を楽しんでいるかというと、
ひとつには変化していくこと、もしくはその変化による発見ではないでしょうか。
こういった観点から作品を区切りを明確にし共有することも物語を解釈して魅力を引き出していく作業だと言えます。
区切りが見えてくると場の雰囲気を切り替える意識が生まれます。
どう切り替えるかは演じ手のセンスにもよるのでしょう。
やり取りのテンポを変える、体のカタチや動きで変える、声の大きさや高低で変える、などなど。
どうであれ演技に対しての思いつきのキッカケがそこにあり、
試すべき選択肢が増えて作品創作に繋がっていくということです。

まあ、そういった小難しいことはさておいてシーン稽古が始まります。
山口さんの中に舞台セットのイメージがすでにあり、
その中でどう動いていくかを試していきます。
とにかく今はたくさん動いて楽しんで、動きとセリフを連動させていく。
セリフに動きがのってくるとイメージがつきやすくなって言葉が入りやすくなります。
どんどん動き回りましょう。
まだ今回の作品が何かをあかしていませんが(ただいま上演許可の申請作業中なので)
今回の作品は体をたくさん動かすことがひとつの魅力であることは間違いないので。
シニアながらの最大限の体の動きを目指しましょう。