2013年6月29日土曜日

対等関係。

6月25日 恍惚一座

配役決定後の初稽古はいきなり立ち稽古で最初から終わりまで通してみることになりました。
全体の感じを掴んで、演技をどうしていくのかを自分なりに想定してみる。
ここはこうしたいであったり、ここはどうしようであったり気づいたことをとどめていく稽古です。
これを手掛かりに役者と演出で対等に話し合って演技を作り上げていきます。
山口さんは稽古場で「先生」と呼ばれること避けられます。
名前ゲームであだ名をを決めて、役者同士も講師も関係なく普段からあだ名で呼び合う関係を生み出しています。
それぞれの人が対等であること。
親密に思ったことを言い合える関係性であること。
そして自分のことに責任を持ち自主的に考え動けること。
そういった関係が築かれた場から創作を生み出していこうとしているのだと感じます。
役者と演出はただ作品に対する関わり方が違うだけで、
そこに上下関係はありません。
恍惚一座は劇団であって、習い事をしている人の集まりではありません。
この劇団での講師というのは、教える人というわけではなく
作品に対しての最終責任者であって、
劇団員に対しては手の回らないところをフォローしていくサポーターではないでしょうか。
主体は恍惚一座の一人ひとりが担っています。
というわけで次回稽古までに自分の使う小道具をまとめ、
家に代用できそうなものがあれば持ってこようということに。
自分の演技も自分の使う物も自分で把握しておく。
自分のことをしっかり把握することから他者との前向きな関わり合いが始まります。
作品づくりがスタートしています。

2013年6月23日日曜日

そよ風ペダル 第1回公演


高槻シニア劇団 そよ風ペダル 第1回本公演

『モロモロウロウロ』


2013年6月 高槻現代劇場にて
morouro_a4.pdf

構成・演出=筒井潤


■日時
6月22日(土) 14:00※予定枚数終了 当日券が若干枚あり/19:00
6月23日(日) 14:00※予定枚数終了 当日券が若干枚あり
※開場は開演の30分前
■場所
高槻現代劇場 レセプションルーム(高槻市野見町2-33文化ホール3階)
■料金
前売り1500円 当日1800円 シニア料金1000円(50才以上)前売りは日時指定です。


出演:磯崎清、岩本善弘、川﨑路子、川面真知子、清水東洋子、竹沢雅美、平良公子、ふう
   中川善博、藤本明美、前川洋子、和田安正



登山仲間の深沢が登り慣れているはずの山にひとりで向かい、行方不明になった。
他の仲間たちは憂鬱な気分を抱え、心さまよう実感のない日常を送る。そんなとき、深沢が残した「記録」が見つかった。
残された人たちはこの一連の出来事にどう対応し、どうやって克服するのか…。
誰にでも起こりうる難しいテーマのお話を、出演者個人の声を反映させながら創作し、ユーモアを交えた軽いタッチの演出でお贈りします。

■チケット取扱い
高槻現代劇場(〒569-0077  大阪府高槻市野見町2-33)
電話 072-671-9999(10:00~17:00)
高槻現代劇場HPからもお求めいただけます。
発売日【一般・友の会とも 4月30日(火)】
窓口・web 10:00~ / 電話14:00~



高槻de演劇ロゴ.jpg高槻現代劇場を拠点に、公募で集まった市民の期間限定劇団「呼吸ら」による初公演、昨年5月に誕生した50才以上限定の劇団「そよ風ペダル」による公演、フランスから招いた一流の俳優・演出家によるワークショップ+日仏共同制作の新作の出演者選抜を兼ねたワークショップオーディションを実施します。詳しくはこちら。


2013年6月19日水曜日

最終稽古!

6月18日 そよ風ペダル

本番前の最後の稽古。
小屋入りしてからも稽古時間はとっていますが、
ここが一つの決め所で、自分たちの中でどんな作品になったのかを明らかに確認していきます。
というわけで最終通しをしました。
なんだか何とも言えないできあがりです。
脚本に縛られず創作を進めてきたわけで、
本当にセリフなのかアドリブで言っているのか、見ていてよくわかりません。
演技とその人の存在感からくる魅力の狭間で、
言葉では表現できないおかしみが、予想外のところで表れてきます。
他では見れないまねのできない、そして一回一回がその時でないとないと出てこないものに溢れた、唯一無二の作品。
こういった作品に仕上がったのではないでしょうか。

もうすでに土曜と日曜のお昼の回は満席になり、
というか最初に想定していた客席数を超えてしまっており、
制作サイドは果たしてお客様に心地よく見ていただけるのか不安だと嬉しい悲鳴をあげております.
遅刻されると端の席になってしまいかねません。
ぜひ時間に余裕を持ってお越しください。
そして、土曜の夜はまだ少し余裕があります。
予約がまだの方は是非そちらに。
それではモロモロのみなさま、会場で一緒にウロウロしましょう。
「モロモロウロウロ」ご期待くださいませ。

配役発表!

6月18日 恍惚一座

今日、ついにキャスティング発表。
その前に遅れてきている人もいるので、席替えゲームから。
テーマは昨日食べたもの、今食べたいもの、今までの一番の食べ物。
全てのテーマが食べ物なので、合図してテーマを切り替えていく段階で混乱しました。

しかしゲームの主眼はキーワードを覚えることだはなく。
覚えることを単純化するために数字のゲームも。
1~15までの数字を人と同時に言わないように進めていく。
そうしたら焦りすぎず慎重になりすぎず、みんなで一体になって進めていけるか。
1~15まで同時に言わずに進められたところで、いった数字を覚えておいて、
その数字を言った人がもう一度同じ数字を言ってさっきのやり取りを再現してみる。
席替えゲームと同じように、1を言った人が2を言った人の前に行って
「1」と言ってもらい、どんどん場所が変わっていく。
移動が馴染んできたら、数字を言わずに相手との繋がりで移動していく。

この繋がりとは何でしょう。

ここではとりあえず数字だとするのですが、
目線であったり、体の向きであったり、進行方向だったり、
ちょっとした体の使い方の話であるように思います。
相手の体をつかまえる。
これがないと舞台上でいくらセリフをしゃべっても、一人ぼっちで相手とのやり取りしているようには見えません。

キャスティングを発表し、読み合わせかと思いきや
山口さんの中ですでにオープニングのイメージができていて。
そのイメージを実際に試しながら、どんどん立ち稽古が進んでいきます。
稽古の展開がはやいです。
そして脚本を持った状態ですが、今誰が誰にしゃべっているのか明確に見えていて。
始まりの稽古に関わらず、とても質の高いものでした。

2013年6月12日水曜日

通し稽古。

6月11日 そよ風ペダル

本番間近に迫ってきています。
ずっとみんあで設定を共有して、話を前に進めていく練習に重点を置いてきました。
本日はスタッフさんも立ち会って音も入り、衣装・小道具も本番同様で初めての通し稽古をしました。
通し稽古がなかったので、実はいまだに上演時間が判明していませんでした。
脚本だけ読んでいるとかなりの分量があり心配でしたが、
設定を進めるということに重点を置いた稽古の成果で
テンポよく軽妙にシーンが進んでいき
実際の上演時間よりも短く感じるほどでした。
演技をするということは、いくらかの作為やそこからの緊張が生まれてきます。
しかし皆さんの演技を見ていると緊張を感じさせない堂々としたもの感じます。
このままの感じでお客様の前に立っていけたら。
通し後、作品をより向上させるための筒井さんからの提案が細かくなされました。
稽古の残り時間も少なかったのでとりあえずはシーンとシーンのつなぎの動きの整理を。
これからの稽古で細かな演技の向上を目指していきましょう。

配役を決めていく。

6月11日 恍惚一座

今日はメンバーがそろったということで本格的なキャスティング作業に入ります。
手早く名前タッチゲームをすませて、脚本の構成をどうするかの伝達、
脚本を読んだところ上演時間が長くなる予想があるので一部カットしていこうと。
ただ本筋を優先しすぎると、余分(山口さん曰く脂肪)な部分に含まれている面白みが損なわれ、
作品の質感が違うものになってしまいそうだという懸念が。
このカット作業はとても繊細なものになりそうで、
創作と同時並行でみなさんの演技に合わせて行っていくということになりました。

先週の内に皆さんから役の希望を聞いており、
それを参考にしながら頭を悩ませた山口さんが数パターンの配役候補を提案されました。
実際の読み合わせでどう見えるかを検証していきます。
希望でない役だったにもかかわらず期せずしてはまり役になったり
役者さん同士の掛け合いの化学変化で予想外の面白みが生まれたり。
山口さんの見る目や、一座の皆さんの持ち味が実証されていく稽古になりました。
いろんな事が見えてきましたが、だからこそ悩みも深まったようで、配役決定は来週に持ち越しです。

2013年6月8日土曜日

空間のどこに身を置くか。

6月4日 そよ風ペダル

再びのレセプションルームでの稽古です。
奥に見えるのはビデオカメラですね。
試演会でもビデオカメラを設置していましたが、
今回の公演ではしっかり活躍します。
会場を使っての最終調整を出演者並びにスタッフともに行っていきます。
ダンスのアクティングエリアを確認したり、舞台の広さからや空間を認識して、立ち位置をどこにするか、などなど。
残すところ本稽古は2回。
みなさんで話し合って日程を調整し自主練習も増えてきています。
来週はついに衣装・小道具を本番と同じものを使い、通し稽古をおこないます。
いよいよ大詰め、さらに向上させて作品を仕上げていきましょう。




配役決定に向けて。

6月4日 恍惚一座

本日、最後の稽古体験がありました。
公演稽古に向けて動き出すため、募集を閉め切ろうというところで、
入団への問い合わせがドッと増えました。
最終的に恍惚一座は12人のメンバーでスタートを切ることになります。
去年の10月から続けている人、今日入ったばかりの人とさまざまですが、
これからの作品づくりの中でチームの色合いが出てくるのでしょう。
どんな感じになるのか、楽しみです。

今日は以前に一度だけやったウインクキラーというゲームをしました。
みんな目をつむって、山口さんがウインクキラーを決めます。
ウインクキラーにウインクされたら、その瞬間に殺されてしまいます。
しかも派手に死んでいかなければなりません。
見ている側と前に出て歩き回る側に分かれます。
ウインクキラーが誰なのかは本人と山口さん以外は知らないわけで。
見ている側は誰がウインクキラーなのか見抜こうとします。
歩いている側はみんなで協力して、誰がウインクキラーなのかわからないようにします。
意識の張り巡らせ方が舞台に立っているときの感覚に似ていて、得るものがあったのではないでしょうか。

メンバーが決まったということで、脚本を一通り読み合わせをしました。
そろそろ本格的に配役を決めていかねばと。
この役を読んでみてくださいと山口さんから。
山口さんの頭の中で、いろんな組み合わせが渦巻いているのでしょう。
どこかで演出家の仕事の八割は配役を決めることだという言葉を聞いたことがあるような。
人が決まると自ずと作品の雰囲気も決まってくると。
さて、来週くらいには配役を決めていきたいところですが、どうなりますでしょうか。


2013年6月1日土曜日

シーンを深める。

5月28日 そよ風ペダル

気付けば「モロモロウロウロ」の稽古も公演まで残すところ4回。
みなさんの中で稽古をしたいという欲求が高まりまして
ぜひ自主練習をしようという話になり、調整をおこないました。
よりよい作品を観ていただくみなさんにお届けしようという思いが稽古場に溢れています。


今日のダンス稽古はスタッフさんが完成させてくれた仕掛け道具を使って、
そのダンスがどんな風に見えるかを試します。
本番が近づくにつれて、使う道具や演技の段取りがどんどん具体的になっていき、やる気が高まってくるというものです。


脚本稽古は、これまでできるだけ通して稽古をして、流れや雰囲気の変化をおさえることをメインにおこなってきました。
今日はどちらかというと、ある程度限られたシーンをピックアップして、
そこを丁寧に繰り返し稽古してシーンを向上させることに集中しました。
シーンそれぞれの工夫を盛り込んでいき、これから作品更なる進化を試みます。
作品づくりが加速しております。

うっとりいちざ。言葉を受け止めにいく。

5月28日 山口クラス

先週は劇団名についての話し合いをしたわけですが、
今週も少しの話し合いの後、劇団名が決まりました。
高槻シニア劇団 山口クラス、改め
高槻シニア劇団 恍惚一座
読みはうっとりいちざになります。

恍惚の意味をひきます。


     物事に心を奪われてうっとりするさま。
     意識がはっきりしないさま。
     老人の、病的に頭がぼんやりしているさま。有吉佐和
    子著「恍惚の人」(昭和47年)により流行した。


恍惚の意味をひきます。
この3の意味合いが懸案事項になり、恍惚をどう扱うかが焦点となっていました。
なので読み方が重要になってきます。
私たちが心奪われて演劇に打ち込むことによって、観にきた皆さんが”うっとり”する作品をつくりだす。
そんな思いのこめられた劇団名です。
これから恍惚一座(うっとりいちざ)をよろしくお願いします。

劇団名が決まったところで、脚本稽古です。
作品の始まりの対話シーンを使ってワークをしました。
何度か読み合わせをしてセリフをならし、シーンのイメージを掴みます。
ワークとして円陣になり、セリフを喋りかけられている人がセリフを喋っている人の前にセリフを聞きに(受け止めに)いく。
逆の稽古で、話す人がしゃべりにいくワークはよくあります。
喋りにいくのは能動的なので意識的にコントロールしやすいのですが、話を聞くことを(演技として舞台上で)意識的にコントロールするのは慣れるのに実は時間が必要になります。
話す人と聞く人の両者が向き合うことによって対話や交流が生まれてきます。
作品を立体化する足がかりとして、とても有意義な稽古でした。
この視点を持って戯曲を読んでいくと、また作品の新たな面白みが見えてくるように感じました。