2013年2月23日土曜日

よりどころのない不安の乗り越え方。

2月19日 山口クラス

本日の稽古テーマは舞台で生きるとはだったように感じます。ラジオ体操と発声を終え、テーマをまわしていくワークを。テーマから出てきた言葉を使ってペアになっての即興ワーク。
できるだけ何かをしなければならないというルールを作らないで演じてみる。よりどころがないので、唯一のルールであるテーマの言葉を盛り込んでいくことに心血を注いでしまう。そうなると受け答えではなく、言葉による説明が前に表れてきてしまい、お互いの関係性や今、そこにいる感覚が失われてしまう。よりどころのない不安をどう乗り越えるのか。山口さんから「お客さんと恋愛してください」と。お客さんを信じ、愛されてただそこで話さず立っていても大丈夫なのだと。ルールのない自由な空間で今、そこにいる私とあなたを受け止めて進んでいく。言葉を離れ動きのある即興が生まれ始めました。
そんなことを踏まえつつ脚本稽古。演じてはお話の先の流れを知ってしまっているので、そのことが起こる前に次の準備をしてしまう。まだ出てきてない人を迎える体でいてしまう。細かなところもおさえながら作品の中での役柄の意識のうつろいを明確にしていく。作品の面白みがみなさんの中で共有できてきました。





新たな展開。

2月19日 そよ風ペダル

いよいよダンス稽古も後半戦に入りました。
これまではみんなでフリをメインに踊ってきましたが、
新たな試みの構成が入ってきました。
ちょうど間奏部分の練習になっていまして、
あまり詳しくは書けませんが、ひとつ新展開をして間奏終わりで曲が盛り上げっていきます。
ダンスの構成もこの盛り上がりに合わせて展開しそうな予感。
音楽の盛り上がりをみんなのダンスでどう表していくのか。
期待に胸が躍ってしまっています。


脚本稽古でも新しい要素が増えてきています。それに合わせて試演会でやったシーンを雰囲気を修正していきます。試演会をおこなっていることにより、イメージの足がかりがあり、それに対比して求められているイメージを具体的につかまえることができる。一度作り上げたイメージにこだわりすぎず、柔軟に変化させること。その可能性を素直に楽しめるみなさんの前向きな姿勢によって創作は前進を続けています。

2013年2月16日土曜日

呼吸を合わせること、復習すること。

2月12日 そよ風ペダル

本日は復習がメインの稽古でした。
発声では最後にいつも筒井さんの合図にあわせみんなで呼吸を合わせて同時に「アッ」と発声しています。
最近ではそろうようになってきていますが、周りをさぐりすぎて声が小さくなるという状態に陥っていました。
ここで再度、周りを気にしないで声を大きく出してみて、この声量で呼吸を合わせるにはどうしたらいいかを試しました。
まったく合わなくて先に出してしまうということが再び起こってしまいましたが、これが大切なことなのです。
呼吸を合わせるということの中には、信頼するということが含まれています。
つまりは確実にするために待って状況を見定め安心してから声を出す。
見定めるという行為のために、周りにいる人と自分の間に溝ができてしまうように感じます。
もしくは周りを探ることを筒井さんの合図がある前から始めていなければならないのかもしれません。
合図がきたときには、もう周りがついてくると信じて声を出してしまう。
これがぴったり合ったとしたら、なんと奇跡的なことでしょう。
声が小さくなってしまうのは気持ち的にも身体的にも腰が引けているからではないでしょうか。
つまりは受身の姿勢が強くなりすぎている。
周りの空気を感じて受けつつも、自分が周りに対して影響し発することをする。
普段のおしゃべりでも自分で話しながら相手の反応を察知しているし、話を聞きながら気持ちが動いて非言語なものを発しています。
受けることと発することを同時に行うことは実はそんなに難しいことではないのです。

ダンス練習は今までやったところの復習です。細かいフリの手直しも入りつつ完成度をあげていきます。また保留にしていたダンスの始まり方も特に指定なしで試してみます。この試みを参考に筒井さんがきっとかっこいいダンスの始まり方を考えてくれることでしょう。来週から後半戦です。常々からここからもっと複雑な構成になってくると予告されています。気合を入れなおして臨みましょう。

脚本の新たなページの稽古。
試演会でもあったシーンですが、演じる役者さんが変わっています。
後のストーリ展開に合わせての変更ということです。
役が代わっても稽古はすんなりと進行します。
これは、みなさんが作品に対して共通の認識を持っているからではないでしょうか。
試演会をおこなって作品イメージを全員で共有しているのでどんな役がきても対応できる。
そしてのびのびと演技ができているから同じイメージで作品に向かってもしっかりと違う印象のシーンとして立ち上がってくるという素晴らしさ。
最後に今までできているところを全て通してみました。
少しずつ作品が動き始めた印象があります。
この先どんな風に話が展開していくのか楽しみです。

一つの体と複数の思い。


2月12日 山口クラス

本日は知らぬ間にみなさんが一歩前進していたのだと気づいた稽古でした。
円陣で席を入れ替わるいつものワークを椅子なしでおこないました。
なんだかいつもより進行していくさまがスムーズでゲーム自体に流れというかリズムが生まれていました。
舞台上でも言えるのですが、この流れがあるかどうかでシーンの意図の伝わりやすさや面白みが格段と変化します。
今日は手拍子の合図でテーマの切り替えもおこないました。
舞台上という見られている非日常の空間でいかに普段の身体の状態で演じるか。
意識的、無意識的を問わず私たちは普段の生活の中でいろいろなものを受け止め、同時にいろいろな思いを抱えて生きています。
しかし舞台に立ち演技をした瞬間に、ひとつの感情や与えられた台詞や段取りにとらわれてしまいます。
単純な動きの流れの中で、全体のリズムにのり、誰に向かって歩いているかを感じ、今がどのテーマになっているかを受け止め、その人のテーマの言葉を思い出し言葉を発する。
表れてくるものは身体がひとつなのでひとつの行動でしかないのですが、その向こうには複雑な情動(情動という言葉があっているのかはわかりませんが)が含まれています。
この複雑な情動は同じ行動をしているとしても、観ている人にはそれがあるのかないのかは伝わります。
山口クラスでおこなわれるさまざまなゲームは、ひとつの行動の中で複雑な情動を持つにはどうしたらよいのかを探求することも目的としています。

即興のワーク。即興では自然とその瞬間でいろいろ考え、話を展開していかなければなりません。話を展開するというところで課題が見えてきました。与えられた設定を説明してしまい、話がそこから進んでいかないという問題。しゃべらないという方法が提示されます。流れを作ろうと必死になりいろいろしゃべってしまいますが、実はそれは自分のところで流れをとめていることになる。
自分ひとりなんとかしようと頑張り過ぎないということです。
しゃべらないということは、状況を観察し相手の話を聞ける状態を作るということです。
相手の話を聞いて言葉が出てきたならば、そこにやり取りが生まれ話も自然と流れ始めます。
先ほどのゲームで例えるなら、一人でしゃべっている状態というのは目の前に相手が来たときにその人の言葉を思い出すためにいろんな言葉を積み重ねているのに近いように思います。
思考が目の前のその人を離れ、最初のときのテーマや言葉の方にいってしまってる。
そうなる前に目の前に来た人に謝って言葉を教えてもらった方がやり取りとして止まることなく続いていくのです。


この流れでの脚本稽古。台詞があるわけですがいかにそこから自由になるか。相手の台詞を聞いて動くこと。そのとき気にかかり受け止めたことを明確にすること。たくさんの切り替えを設定し頭の中を複雑にすること。演技の深度が深まったように感じました。


2013年2月6日水曜日

イメージの袖幕、時間軸の移ろい。

2月5日 そよ風ペダル
 
公演稽古は順調に進んでいます。
ダンスの構成も本日で半分までできあがりました。
ダンスのフリで言うなら一通り踊りきり二周目に入るといったところ。
今までは16拍でひとつのフリとうように固定されていましたが、
さらに8拍や4拍でフリを踊ってというようにして、構成の展開をはやめて、
さらに複雑化していくとのこと。
でも、これまで順調に進んでいて、みなさん飲み込が早いので問題なく進むのではないでしょうか。
 
今日も新しいページが届きます。順調に脚本も書きすすめられています。モロモロウロウロでは、役者は一度舞台に出ると出ていくことはありません。舞台上にある椅子に座って出番を待ちます。今日は舞台に出る瞬間についての言及がありました。例えば物語の設定としては部屋の扉から出てきているはずだが、自分が舞台に立つとき、どこかをその扉と想定して椅子からそこまで行ってから演技を初めて舞台に出てきた方が良いのかどうか。
筒井さん曰く、みなさんの椅子の前にはイメージとしての袖幕があって、出番になったらその椅子から立つことによってその袖幕を越えて舞台に出てくるのだとのこと。
なんとなく立ち上がるよりも、舞台に出ていくことの質が高まったように感じます。
 
また、この作品は現在進行している時間から回想や再現の時間軸にあらゆる方法で移り変わっていきます。
今日の移り変わりは、(というか描かれた時間が)ほかのシーンとは違って特殊であるため、一人の役者さんがどこから回想になったのかつかみきれなくて混乱されていました。
そのとき他のみんなでわかってもらうために丁寧に説明をされています。
なんだか理解を得るために必死に何かを伝えようとする姿やみなさんの助け合いのかたち。
なんだかとても美しいものに見えました。


参加する身体、複合的な記憶、客観的な視点。

2月5日 山口クラス
 
 
ただいま山口クラスでは劇団員募集をしておりまして、
本日は稽古体験に三名の参加がありました。
少し緊張の面持ちでしたが、人数も多く全体として楽しい雰囲気で稽古が進みました。
 
初めての方もいらっしゃるということで、名前タッチゲームから。
名前を覚えるというよりも名前を呼ぶ、タッチすると順番に切り替えていくのが慣れるまで難しいようです。
コツとしては全員で一つのリズムを作り出すことではないでしょうか。
頭で考えるよりも、体で二拍の音の違うリズムを刻んで反応させる。
名前を呼ばれたりタッチされたその瞬間に準備するのではなく、常にゲームの流れに参加しておく。
舞台に立つとき、場にどのようなリズムが流れているのか感じ、
その流れにセリフや動きの指定などがなくても参加し続けることはとても重要です。
まあ、体の感覚なのでどうしたって慣れるしかないのですが。
 

2013年2月2日土曜日

幸福な創作現場。

1月29日

本日のそよ風ペダルの体操では足首まわしの際、甲の方もしっかり伸ばそうという助言が有りました。横の動きは日常でもあるけれど、甲の方はわざわざ動かさないと動かさない場所なので。その後、発声。毎回、発声の終わりはみんなで呼吸を合わせて同時に「アッ」と声を出しています。年明けからなかなかこれが上手く決まらなかったのですが、今日は上手くいったように思います。だんだんと本番に向けて再びみなさんの気持ちが一つになってきた証拠かもしれません。


ダンス稽古は順調に構成が進んでいます。構成を加えるにあたって、最初の振り付けではなかった新たなフリを加える必要が出てきています。またまだ続きの構成がありますが時間がある程度経過していて続きをやるかどうかという話になったとき、みなさんの方から今やっておこうという流れがでてきました。みなさん貪欲に創作に向かっていかれています。


脚本稽古も順調に新たなシーンが追加。追加したシーンの稽古もしながら前回のセリフをリレーのように人が変わっていくシーンの稽古を。セリフのテンポつけるため前の人のセリフにかぶせてしゃべる練習をしました。始まり方が静かに始まるのでここでテンポの良いシーンを持ってきて作品にメリハリをつけ、見ている人の興味を引き寄せたいこと。また作品のテイスト、テーマがシリアスで少し重めに思われる可能性があるが、このようなシーンを入れることによって重いだけでなく楽しめる作品にしていきたいという筒井さんの意図が語られます。筒井さんは役者の演技だけのことでなく、作品の意図をしっかり語りみなさんと共有することを大事にされている印象を受けます。その共有があるからこそ演出が役者を信頼して演技を任せることが可能になっているし、役者も演出の意図を自分なりに考えて演じるということが可能になっています。当たり前のことなのですが、それが実現していることは実に奇跡的で幸福なことではないでしょうか。

セリフの裏に隠れているもの。

1月29日

山口クラスで恒例化してきておりますラジオ体操を第一、第二までを円形になってやりました。体があたたまったところで今日は発声練習。口角を横に伸ばして唇をプルルルルルルと震わせる。なんだか金管楽器を吹く感じに似ています。この状態で以前やった天使が頭のてっぺんから床に落ちてまた頭の上に戻ってきて天に飛び立っていく発声をしてみました。自然と動く腹筋を感じます。唇を震わせた状態で怒って文句をいってみたり。みなさん唇を震わせるところからなかなか難しいようで。毎朝やってみて来週どれくらい出来るようになるか試してみようとなりました。