2012年8月24日金曜日

ユーモアの伝え方。

8月24日(金)
稽古はいつも火曜日ですが、今日は以前台風でお休みになった時の振り替え稽古です。
予告通り名前ゲームを役名でおこないました。
役名がなじむまでは作品中に役名でよく呼ばれる人に声掛けが集中していましたが、
少しづつみなさんがいろんな人の役名を覚え始めて、早い段階でいつも名前を呼び合っているのと変わらないクオリティでゲームが進行するようになりました。
役名への親しみが増したように感じます。

追加ページを確認して稽古。
だんだんと話が確信に近づいてきたように感じます。
試演会で本公演に比べて上演時間が短いので
どこまで描きまとめるのか、筒井さんは苦心されているようです。
追加シーンを稽古した後にできているところまでの通し稽古。
追加ページが加わって前回と同じ時間で終わりました。
一週おいて、セリフの盛り込む量の調整や
セリフのやり取りのテンポを意識された結果ではないでしょうか。

通し終了後に振り返りをおこないます。
印象に残ったお話としてお客様へのユーモアの届け方というのがありました。
ユーモアのある面白いシーンがあるとして
それを演じている方で先に面白そうに笑いながら演じてしまうと
見ている方までその面白さが伝わらないという話です。
先に面白がられてしまって、見ている方は面白さを奪われた気になってしまう。
例えばお笑い芸人は面白いことを笑わないで真面目に言うから
見ている人は笑ってしまうといった話です。
日常生活でも面白い話をしゃべる前に本人が笑ってしまって
そのあと面白い話をされても聞いている方はどこか先にさめてしまい、愛想笑いになってしまうというのはよくある話ではないでしょうか。
同じ意味で「これ面白い話なんだけど」としゃべり始めるのも
ハードルが上がり、同じ意味でユーモアが伝わりにくい状況を生みます。
役者の一つの必要な能力として見ている人に発見を与えていくというのがあります。
発見が驚きを生み、驚きが心を動し、さまざまな感情を生んでいく。
これを感情移入と呼ぶのでしょう。
役者はユーモアのあるシーンがこの後に起こること知っています。
だからこそ、発見を生み出すためにそんなシーンがくるとは思わせないようにそこへ向かう方向性を隠して、
もっと言うなら他の方向に話が進んでいるように思わせておく必要がある。
そしてそのシーンが来た瞬間に全く知らなかったというようにお客さんの後に発見していく。
その瞬間に反応することによって舞台上の存在感も増すのではないでしょうか。
少しテクニカルな話ですがお客様に喜んでもらうために稽古を積み重ねましょう。