2012年7月3日火曜日

物語でなく状況を作る。

今日はそよ風ペダルの稽古です。
いつも通り簡単な体操と発声。呼吸、ハミングから声出しと進み、今日は新たにロングトーンをおこないました。まずは普通に声を出して音程を高くしてから低くし、また普通の音程に戻す。顎を上下させないように気をつける。高い声を出した時に自然に出る自分の声を出し、無理に裏声にしない。自分の息の長さを自覚していないと、最後の声を戻す時に息がとぎれとぎれになってしまいます。ちょっと難しかったみたいですが、これから何度かやっていけば自分の息の長さもわかってきますし、肺活量もついてくるので、そのうち楽にできるようになるのではないでしょうか。


作品作りの稽古が進んでいます。作品の中身がわかってしまうので稽古内容を書きにくいのですが。
筒井さんから作品を作るための設定を与えられます。
その設定のもとみなさんが即興で演じてエピソードやセリフを拾っています。また、同時に筒井さんは即興をしているときのみなさんの雰囲気やキャラクターも見定められているようです。


今日与えられた設定。
ある事を一人でやろうと決意した人がいて、そのことを周りの友人に相談しました。友人によってその事に対して賛成した人たちと反対した人たちがいます。まずはその賛成した場面と反対した場面を演じます。


その後、ある事を一人でやった結果とある事件がおこります。その事件を受けて集った友人たち。友人たちの間には賛成した者、反対した者、相談を受けなかった者という立場の違いがあるなかで場面を演じます。


事件から二週間後、賛成した人と反対した人とある事を一人でやった人の妻の場面。妻は相談があった事を知りません。相談されていた人も自分からは妻に相談されて賛成、反対した事を言いません。


そして事件から一ヶ月後。現実の今の日本で起きている出来事も設定の中に盛り込まれます。その事によって描かれる場面がとてもシリアスで重い雰囲気になりました。これまでの稽古では、会話のはずんだ活発な即興が多かったのですが。この即興ではしゃべりあう事や理屈や会話でお話を展開していく事よりもその場の状況や空気を作る事に重きが置かれました。今までに無い雰囲気にどきどきとしながら魅入っていました。


作品の中には明るくて活発なシーンだけでなく、重くて静かなシーンなど、いろんな色合いをもったシーンが必要です。密度の濃い作品ができあがる。そんな予感をおぼえた稽古でした。