2012年7月31日火曜日

様々な色合い。

7月31日
いつも通り簡単な体操と発声から。気付けば今日で7月も終わり、本番まで2ヶ月とちょっとです。週一回の稽古で創作を進めているので時間があるようで、あまりありません。最初の頃はじっくり一時間かけておこなっていた基礎稽古も慣れてきた事もありテンポよく進めて30分程になり、創作作業に時間が割かれています。しかし発声においての音の震える場所を感じる事などの大事なところしっかり押さえ普段の声の出し方でいかに通る声を作るかをみんなで探求しています。
まずは前回渡した脚本の部分の稽古から。独り語りのシーンを任せられた役者さんがどんな風に作られてきたかを確認します。脚本にとらわれずいかに自分の言葉にしていくかが課題のようです。
続いてオープニングのセリフを割ってバトンのように渡していくシーンの稽古。あたかも1人の人が喋っているように引き継ぎをテンポよく行なっていく事。歩く事とセリフをしゃべることと立ち位置のこと。喋り始めが前の人のセリフ終わりだとするなら、立ち位置の入れ替わりの動きと喋り始めは同時になります。そして自分の持っているセリフが短いのであれば立ち止まる事無く動きの中で喋り終えそのまま去る事にもなりえます。なんにせよポイントはセリフをどう喋るかというのは自分のありのままに任せて、全体の流れをみんなで聞き続け共有する事。なんだか基礎稽古でしている名前を呼ぶゲームにそのヒントが潜んでいる気がします。
独り語りあとの会話のシーン。
しっかり喋るセリフが決まっているシーンです。2人だけのやり取りにせずどうやってお客さんに伝えていくのかといった事が重要になってきます。
最後に今日渡された新たなシーンの稽古です。筒井さんの中でこれまでの稽古を通してみなさんが見せてくれた即興で出てくる生の声を作品の中に盛り込みたいという事で新たなシーンの脚本に書かれているセリフをエッセンスだけが書かれていて、話の流れの中で好きに口をはさんでいいし関係ない話題で話を膨らませて全体で流れを作っていきたいとのこと。何度か繰り返した後、話の流れを作っていく中でその言葉を誰に喋っているのかを意識しようという提案がされました。
このようにシーンごとに創作のされ方が違います。いろんな色合いを持った作品ができあがりそうです。なんだか欲張りに色んな事を試しています。これは時間との勝負かもしれません。








2012年7月29日日曜日

試演会、タイトル発表!


7月24日
この日も体操からスタートです。身体の伸縮から、床に手をつく前屈、身体を横に伸ばしたり。ダメな例を出しながら、ゆっくりと呼吸をしつつ、丁寧におこなっていきます。肩を床に落としていく。両手を前に、肋骨を折りたたむ体操。手を後ろに伸ばしす運動。手、肘、肩、肋骨、順番に回していく。その後、大きく手を回し腰を動かす。右足を棒にして、腰と足の付け根を回す。手を腰にあてて、左右に動く、身体の芯は同じ軸。背伸び。背伸び、リラックス。その後発声練習。顎をあげすぎず、下げすぎず。ゆっくり息を吸って、その後吐く。S音が出るように。その後Z音。一気に息を吸って、Z音、頭蓋骨を震わせる。ハミングから「あー」の音。喉が楽な場所を探しましょう。「あー」と発声しながら、喉が楽な場所を見つけて、基本姿勢に戻す。単音で大きく「あ、あ」。怒鳴らないように気をつける。

その後、二人一組になりました。一方が声を出し、一方が声を受け止めます。2人は片手を重ね合わせいて(手相撲の片方バージョンのような形)、声を受ける側は、相手が声を出し始めたら相手の手を思いっきり押します。そうすると、自然と声を出す人が、相手の力に負けないように踏ん張るので、お腹に自然と力が入り、その結果自然と声が大きくなる。そういったおもしろい発声方法を試しました。

そして最後は、全員で一緒に「あ」と発声です。怒鳴らないように、全員が同時に「あ」と言えるように。いつ合図があるか、わからないので、皆さんドキドキハラハラしながら、神経を研ぎすまします。
このような事前のワークの後、本公演で上演する作品のタイトル発表がありました。タイトルは、
「モロモロウロウロ」
この作品は、試演会を10月に行ないます。一度、一般のお客さんの前で、どれくらい完成に向かっているか、どういった創作を行なっているかを見てもらうための、試演会を行ないます。その際は、「モロモロウロウロ(試)」というタイトルで上演される予定ですが、これがどういった作品になるかはもう少しお待ち下さい。
さて、今回講師の筒井さんからあった指示で、作品の内容に関わるだろう箇所を、少し紹介します。
「セリフは硬めに書いています。口語ではない、台本はベースである、意味さえ変わらなければ、どんな風に話してもらっても構わない。自分が日頃使っているイントネーションで話してください。」
「バトン回すようにいく部分は、書かれた通りで問題ないが、自分のセリフに関しては、自分の言い方を探すようにして欲しいです」
セリフと自分自身との距離、そしてバトンを回すように流れていくセリフ。モロモロウロウロの試演会、ご期待下さい!!

2012年7月17日火曜日

目的を持たないことを目的にする。

今日はそよ風ペダルの稽古です。体操、発声と体をあたためてしばらくご無沙汰していました名前を呼ぶゲームをおこないました。劇団名も決まり試演会に向けての稽古も本格的にはじまってきています。ということでそろそろお互いにこの劇団で呼び合うあだ名も決めていってチームワークを深めていこうと。ゲーム自体もみんなで一定のリズムを共有して場の空気を作れています。チームが動きだしました。


一週の休みを挟みました。その間に講師の筒井さんが作品の初めの部分の脚本を書かれてきました。今までのワークでは皆さんがその場で出てきた言葉を自然に声にしてやりとりしてきました。今日は事前に用意されている言葉をどう扱か。
みなさんが自然とやり取りをする、その生きた声はとても魅力的に感じられます。事前に言葉があったとしてもどうにかしてその生きた声を失わず演技していきたい。そんな思いが筒井さんにあるようです。みなさんが事前に用意された言葉があるときどんな風な声になるのか、どんな風な体の状態、動きになるのか。それも確認されていました。一つの長いセリフをみんなで割ってしゃべります。なぜだか脚本のセリフとなるとイントネーションが標準語になったり声が固くなったり。まずは細かくイントネーションを普段の言い回しがどんな言い方をしていたかを思い出してみます。言葉が体に馴染んできたところで円を描いてみんなで歩いて、セリフを言う人が真ん中に出てきてしゃべるという演出を試しました。


最後に筒井さんからこれから稽古を進めて行くにあたって伝えておきたいこと。下手な演技とはなんだろう。役者の中に優れた演技、やりたい演技がありそれを目的にして演じたとき、観ている側からはそのやりたい演技と実際その役者が演じている演技の差が明確に見えてしまいます。その差が大きければ大きいほど演じられている演技は下手に見えてしまう。なるほどと納得させられました。なんだか舞台上の存在感や演技の説得力ということにも関わってくる話だと。優れた演技や頭の中で思い描いた演技を追い求めすぎると、今実際にそこに立っているはずのその人が見えてこなくなります。そよ風ペダルが目指したい演技は今自分の中に自然にあって無理をしないでいられる演技。自分を知り、自分の中で限界ぎりぎりのところを狙う演技。目的を持たないで自分のまま自然に舞台に臨んでいこうと思います。





2012年7月3日火曜日

物語でなく状況を作る。

今日はそよ風ペダルの稽古です。
いつも通り簡単な体操と発声。呼吸、ハミングから声出しと進み、今日は新たにロングトーンをおこないました。まずは普通に声を出して音程を高くしてから低くし、また普通の音程に戻す。顎を上下させないように気をつける。高い声を出した時に自然に出る自分の声を出し、無理に裏声にしない。自分の息の長さを自覚していないと、最後の声を戻す時に息がとぎれとぎれになってしまいます。ちょっと難しかったみたいですが、これから何度かやっていけば自分の息の長さもわかってきますし、肺活量もついてくるので、そのうち楽にできるようになるのではないでしょうか。


作品作りの稽古が進んでいます。作品の中身がわかってしまうので稽古内容を書きにくいのですが。
筒井さんから作品を作るための設定を与えられます。
その設定のもとみなさんが即興で演じてエピソードやセリフを拾っています。また、同時に筒井さんは即興をしているときのみなさんの雰囲気やキャラクターも見定められているようです。


今日与えられた設定。
ある事を一人でやろうと決意した人がいて、そのことを周りの友人に相談しました。友人によってその事に対して賛成した人たちと反対した人たちがいます。まずはその賛成した場面と反対した場面を演じます。


その後、ある事を一人でやった結果とある事件がおこります。その事件を受けて集った友人たち。友人たちの間には賛成した者、反対した者、相談を受けなかった者という立場の違いがあるなかで場面を演じます。


事件から二週間後、賛成した人と反対した人とある事を一人でやった人の妻の場面。妻は相談があった事を知りません。相談されていた人も自分からは妻に相談されて賛成、反対した事を言いません。


そして事件から一ヶ月後。現実の今の日本で起きている出来事も設定の中に盛り込まれます。その事によって描かれる場面がとてもシリアスで重い雰囲気になりました。これまでの稽古では、会話のはずんだ活発な即興が多かったのですが。この即興ではしゃべりあう事や理屈や会話でお話を展開していく事よりもその場の状況や空気を作る事に重きが置かれました。今までに無い雰囲気にどきどきとしながら魅入っていました。


作品の中には明るくて活発なシーンだけでなく、重くて静かなシーンなど、いろんな色合いをもったシーンが必要です。密度の濃い作品ができあがる。そんな予感をおぼえた稽古でした。