2012年3月30日金曜日

自由に話せる恐ろしさ。


スキルアップクラス6回目。今日のゲームはあだ名、名字を呼ぶところからみんなで作った足踏みのリズムに合わせてゲームを進めると発展しました。前回はメトロノームを使っていましたが、今回は自分でやらないといけないしみんなで息も合わせないといけないしとなかなか難しく苦戦しました。やることが増えると体が緊張してリズムが狂ってしまったり。実際の舞台でも相手の役者さんとのやり取り、照明の当たり位置や立ち位置の移動、お客さんへの見え方、いろんな要素があってそれを同時に処理していかないといけません。そういう意味でやることがたくさんあるゲームを繰り返しおこなって体や頭を柔軟にしていくことはとても大切です。


発声を丁寧におこない、今回も新たな人物設定が筒井さんから提示され、やり取りを即興で深めていきます。まだすべての人物設定は出てきていませんし、これといった物語があるわけではないのですが、作品の全体像がぼんやり
見えてきて面白い作品ができそうな予感がしています。今日のワークを通して、自由に台詞をしゃべれるとなっても何をしゃべっていいかわからず困ってしまうという話が出ました。今までは限定された台詞だけでやり取りを作って
いて、その制約をどう自分の中で利用していくかが問われましたが、自由に話せるとなると利用するものがなく、
拠りどころなく自分でどのように台詞をうけおっていくかが問われてきます。こういった困難に身をおき、そして自
分なりに答えが出せたならば、そのことはきっとこれから舞台に立ちセリフを扱う時に何かしらの糧になっていくのではないでしょうか。講座を通して、そんな困難にみなさんがたくさん向かっていければいいなと思っています。

2012年3月21日水曜日

創作スタート。

スキルアップ講座も早いもので5回目。 もう半分終え折り返しです。今日のゲームはあだ名、苗字、名前と進み筒井さんが持ってきたメトロノームのリズムに合わせて。遅めのテンポでやってみましたが、リズムより早くタッチしてしまったり。なかなか難しい。どんなスピードでも自分の中でコントロールできると、舞台上でセリフのやり取りを作るときに自覚的にコントロールできるようになりそうな気がします。

続いて輪を広げて姿勢を正して発声へ。筒井さんは発声の時に体の状態を意識するようにと声掛けをされます。自分でどんなに大きな声を出していると思っていても、頑張って声を出して体が緊張してしまうと大きいというだけで、相手(共演者、お客さん)に届く声にはならないとのこと。
そして今日は左のようなプリントが配られました。あいうえお、いうえおあ、うえおあいと50音を一文字ずつずらして書いてある表です。演劇の稽古場の発声では口の動きを滑らかにするためによくやります。スキルアップということで、発声もだんだんと本格的になってきています。
最後の小作品の発表に向け即興のワークも筒井さんからこれからの指針が発表されます。設定はスナックのママと常連客の結婚立食パーティー。そこに訪れたいろんな人の会話を即興で作っていきます。役柄によって、パーティーの料理を作って食事を自慢したい人などの状況を決めて、直前まで配役を決めずみんなで即興を繰り返して会話の内容を決めていこうという試みです。数人の組になって、配役された人はセリフを自由にしゃべり相手役は限定されたセリフの中で受け答えをしていく。即興で内容を作っていくので意図せぬ方向でやり取りが進んで面白くなる場合もあれば、設定に引っ張られて話の展開が早すぎて観ていて置いていかれる場面も。脚本作りの方法として、伝えたいことからあえて離れたところに話を進めてみている人をミスリードしておいてから主題を出すとそこにみている側の発見がより強く生まれるというのがあります。あえて、話を隠すという意識が必要かもしれません。繰り返しの中で少しずつ作品が形づくられています。まだ発表されていない役柄もあります。さて、どんな作品に仕上がっていくのでしょうか。



2012年3月17日土曜日

勇気を持って、ただいる。


スキルアップ講座4回目。
ゲームから始まります。あだ名、名前とやって、今回はさらにあだ名と名前のどちらを呼んでもいいルールで行いました。
人数はそのままでも呼ばれ方が二倍に増えているのでその分複雑になります。
発声も姿勢をただし、呼吸から、ハミング、声を出すと段階的に。
おなかから声を出す、鼻から息を吸う、息の吐き切り方など、丁寧に行いました。

今日の即興は四人組で。みなさん宿題をこなして台詞を覚えてきたので手や身体を自由に動かせます。ということで、台詞にとらわれず、動きについてのワークを目指して、何かを探している人達という状況設定が与えられました。まず、四人組チームで何を探しているのか、四人がどういう役割、立場でどんな人間関係なのか話し合い発表です。

一チームは鍵を探すことを重視して作られた即興。
もう一チームはお葬式に親の愛人が来て子供兄弟と愛人が遺書を探すという人間関係重視の即興。筒井さんからそれぞれのチームに椅子の配置の指定や関係性を決めてみてはという提案がされました。
それをもとにもう一度話し合って発表。





先ほどよりも作品に動きが出始め鍵がみつかった瞬間に同時にセリフが出てくる一体感が生まれたり、創作が進んだ印象を受けました。




総評として筒井さんから体が自由になると何かしなければという思いから、セリフに頼ってしまって余計に喋りすぎてしまうことがある。ただ立っているだけでも伝わるものはあるし、セリフではなく体や動きでやり取りを作り話の道筋を作ることはできる。脚本も離れて、そんなことも含めながらワークは進んでいきます。

2012年3月8日木曜日

小作品づくりに向けて。

スキルアップ講座3回目。
恒例の名前を呼ぶゲームをから始まります。
あだ名から名字、下の名前と進んだ所でハプニング。
偶然、男性二人の下の名前が同じで呼んだらどっちの事かわからないと。
場所を離れてもらって手でさすなどして明確にその人とわかるようにする事で問題を解決しました。
セリフでもそうですが、誰に対して声をかけているかが
見ていて明確にわかる事は演技の上で重要なことです。
偶然のことでしたが良いハプニングでした。


その後、円陣を広げ筒井さんの指示を受けながら姿勢を正し前回やった同時に同じ言葉をいう発声。
今回は挨拶からみんながわかる芸能人の名前。
一息で言い切るというルールがあるので挨拶だと短くていいのですが長い名前になると息が続かなくて少し苦労します。


ひきつづきセリフを限定しての即興。まずはウォーミングアップとしてペアになって夫婦という設定で男女ペアは性を逆にして演じました。性を逆にしたときのその人のイメージが見えてなかなか面白い即興になりました。

 そのあと、3人組にわかれて二つの設定を選んで即興です。設定は病院の医者と患者と付き添いか学校の先生と生徒と親のどちらか。即興の中で先週考えた一言をどうにか言ってみる。また、今回から限定したセリフの語尾を「やっぱり」から「やっぱりね」というように変えても良い事になりました。
演技の幅が少しずつ広がっています。それぞれの組にわかれて役割や状況について話し合って練習して発表しました。発表のあと、筒井さんから舞台に立っている人同士のやり取りはしっかり成立してきたので、次は位置取りの問題など、お客さんからどう見られているかを頭の隅に置きながら演じてみてはどうかといった話がありました。

この即興をさまざま試してみて残りの講座で小作品を作る事になりました。
ということで、この限定された短いセリフに関しては来週までに覚えてこようという宿題が出ました。
少しずつ演劇に足を踏み入れていっています。
どんな作品になるのでしょう、楽しみです。



2012年3月2日金曜日

大事な一言。


高槻シニア スキルアップ講座2回目。前回にひきつづきゲームから始まります。あだ名で呼び合って名前を覚えていこう。スキルアップ講座から新しく参加された方もだんだんと慣れてきて、ゲームが長く続くようになってきました。あだ名をずっと言っていて名字がなんだったっけという声があったそうで名字で呼び合うバージョンもやってみました。端から見ていると、心なしかテンポが少し良くなったように感じました。呼びかけの言葉によって何かしらの変化があるのかもしれません。


円陣を広げて声を出してみます。発声と肩肘はらず、声を出す楽しさを感じてみようということで誰か一人が声を出したらできるだけ同時に周りも同じ言葉をその人に合わせて声にしてみる。あいさつでまずやってみて野菜の名前で二周しました。聞いたことのない野菜の名前が出てきたり。普段、買い物をしているかどうかで声にする野菜の名前に特徴が出て違ったところで楽しさが生まれていました。


先週の復習として、限定された8個の台詞で会話している流れを即興で作っていくワークを全体でしました。先週休まれていた方も全体で流れができているのですぐにコツをつかまれたようです。やり取りを作るコツをつかんだところでペアになって設定をつけてのやりとりにうつります。親子の関係で事前にそれぞれのペアで話の内容を決めておく。みんなの前で発表してみると親と子が逆だったり思いもよらない話の内容だったり(結婚話や夫の浮気の話など、恋愛話が多かったです)。どうも話の主導権を握っている方が親に見える傾向にあるようです。


これを踏まえて同じペアで親子の役割と話の内容は同じでそれぞれに8個の台詞に自分で考えた台詞ひとつを足してやりとりをするワークをしました。みなさんペアでそれぞれ一言を決めて各々練習した後に発表。二回目ということだけでなく一言を加えたことによってやり取りの主題がはっきりしたからか一言が発せられるまでの話の筋道がとても見やすくなっていました。その一言を発するタイミングがはまるとまさに劇的といった感じで面白く笑いが生まれていました。


筒井さんの稽古では、台詞の言い方として語尾や言い回しは割りと自由に演じる方に任せるがこの台詞だけは間違えないで言ってほしいという大事な一言があるそうです。それは、演劇に限らずテレビドラマや映画や本に関しても同じで作り手はこの大事な一言をいうためにそれまでの物語の時間を紡いだのではないかという台詞。例えばこれから日常でドラマを見るときにどれが大事な台詞だろうと見てみると違った見え方ができて楽しいかもしれませんと言われていました。普段の生活の中にもスキルアップしていくきっかけは転がっているのです。