2011年12月28日水曜日

フェイントをかける。


今年最後の高槻シニアプレワークショップ。
いつも通りゲームから始りますが、
確実にみなさん腕を上げられています。
ポーズを回すワークではそのポーズのディテールが正しいかどうかにもこだわってジャッジがなされていました。
山口さんからはだんだんと慣れてきたらフェイントをかけてくださいと。
ゲーム自体が高度になって楽しいのもありますが
表現として考えても、そのフェイントというのは
つまりはやっている側はもちろんのこと
みている側だとしても意表をつかれるわけで
驚きや発見が隠されています。
表現において見ている人を驚かせたり発見をうながすことは
とても重要なことではないでしょうか。
感情移入の足がかりというのもその辺にある気がします。



ミーちゃんの世界というゲーム
もしました。
「ミーちゃんの命令です」とついたら命令に従い
ついてなければ従わないというゲーム。
指示を出す人が今日は途中で交代したりしました。
そして、腹筋したり背筋したり前屈したり、今日の指示はなかなかハードでしたがミーちゃんの指示は絶対です。
ゲームの終盤で山口さんから「それじゃこの辺で終わりにして休憩しましょう」と声掛け。
終わったという雰囲気になりましたが、
これはフェイントです。
「ミーちゃんの命令です」と言っていないので。
指示を出されることについて、人はそのグループの中のリーダー的な人
または男性の声で強く主張されるとついつい従ってしまう習性があるという話をされました。
それがいい悪いでなく、自分にそういうところがあるというのを知ることが大事なんだという山口さんの言葉が印象に残りました。



先週に引き続き脚本を使っての
演出体験です。
一チームに約15~20分でのワークです。
作品を創作する時間としてはととも短い時間です。
少しシーンが変わり始めたかなというところで終わっている感じがしました。
つまりはもっと作品づくりに触れてみたいということのあらわれなのですが。
演出の言葉も、間をとることについて、
視線や立ち位置について、
何に気が取られているか、そしてその取られ方は例えるならどんな感じか
無意識に体が動いていないか、自分がどう舞台に立っているか意識することなど多岐にわたりました。
次回は年始のお休みをがあっての2週間後になります。
お休みの間に山口さんはみなさん出演される短い脚本を書かれるとのこと。
次回からは山口さんとみなさんのオリジナル作品作りです。

どんなお話が出来上がってくるのか楽しみです。




2011年12月21日水曜日

演出を体験する。

山口ワーク、3回目です。
今日もゲームから始まります。
ウォームアップで何回かゲームの練習をして
慣れてきたらゲーム本番になり、
ミスしたら円陣から抜けてきます。
今日はついにゲーム本番で
山口さんがミスをして脱落しまして大盛り上がり。
だんだんとみなさんゲームのコツをつかんできたのか、
ミスが少なくなって長く続くようになってきました。
確実にゲームをしているときの集中力が高まり
円陣の中の雰囲気も変わってきたように感じました。



先週に引き続き脚本を使ったワークです。
とりあえず先週は人前で
声に出して脚本を読んでみましたが
今日はそこから一歩踏み込んで
演出が加わって舞台に立つ体験をしてみました。
 
一度なにも演出なしで舞台にたってやってみて
その後、山口さんからの演出を受けて再度トライします。
動きの段取りの指定や見ている人に向かって話すなどの演出が加わります。
見ている人を置いていかないという言葉が印象的でした。
演出というのはつまりは舞台がお客さんにどう見え、どう見せたいのかを試す事だと思います。

見られていることを感じどう舞台に立つか。
例えば最初のゲームをやっていているときに
どんな感じで身体がそこにあるのか。
居心地がいいのか悪いのか。
それと同じように今舞台に立っていてどんな風に感じているのか。
そのことを自覚してみることから始めてみてはどうかというアドバイスが山口さんからされていました。


独白の脚本の演出に続き
対話の脚本の演出になります。
こちらでは三人の立ち位置に関してや
三人の興味のあるもの違いをどう出すか。
それゆえに生まれる対立をどう表現するかといったことに関する演出が加わりました。
こちらでも同じようにお客さんにどう見え、どう見せるかということが重視されますが
多人数の場合その役同志の関係性が大事になってくるように思いました。

次回も演出を体験してみるワークが残りのチームで続きます。
チームによってきっと見えてくるものも変わってくるのではないかと予想されます。
来週はどんな演出の体験になるのかでしょうか。

2011年12月14日水曜日

脚本を読んでみる。


茜さんワークショップ二回目です。
前回からの引き続きでゲームのようなワークから始まります。
呼びかけとタッチのゲームと
リズムにのってポーズを渡していくゲーム。
ゲームの始まりでは「どんなゲームやったっけ?」と
みなさんできるかしらという雰囲気でしたが
すこしやるとみなさん先週の感じを思い出し
格段に腕を上げているように感じました。
どちらのゲームに関してもですが
先週に比べ確実にゲームのテンポが上がっています。
こういうみんなで円陣を組んでルールに則って
タッチなりポーズなりを渡し受け止めるゲームというのは
集中した身体性というものを無意識のうちに要求してきます。
それは少し武道家の立ち居振る舞いにも
通じるものがあるのではないかと思うのですが。
なんにせよ、その身体感覚を明確に意識して
その感覚を持ちつつ舞台に立つのは
演技の幅を広げるのに役立つのは確かです。

 

 

今日は脚本が二種類用意されました。
ひとつはモノローグ(独白)を取り扱ったもの。
もうひとつはダイアローグ(対話)を取り扱ったもの。
みなさんの希望を聞いてチームに別れ
脚本を読み合わせてみることと
みんなの前で脚本を声に出してみることを体験しました。
初見ではあるのですが
みなさんの声の魅力というのか
その人の持ち味というのか
物語への感度のよさというのか
ただ脚本を読んでいるだけなのですが
みなさんのびのびと堂々とされていて印象的でした。










最後に山口さんから今後のワークの進め方について相談がありました。
今日のような感じで毎回小さなワークを積み重ねて楽しむか
最後に向けてみんなでひとつのもの作って楽しむか。
楽しむことは間違いなくで、チームで別れると待ち時間がありそうだということで
みんなでひとつの作品を作ることに決まりました。
というわけで、山口さんによる全体の写真撮影が始まり
みなさんに喪服をお持ちかの問いかけがありました。
すでに山口さんの頭の中には次なる企みがあるようです。
「このみなさんだとコメディって感じですよね」と撮影をしながら山口さん。
さて、どんな風に企みは動き始めるのでしょうか。





2011年12月7日水曜日

意識をきりかえる。

高槻シニアプレワークショップの山口茜さんのクラスが始まりました。
講師紹介をすませ、さっそくワークに入ります。


まずは円になって自己紹介がてらこのワークでの呼んでもらいたい名前を発表していきます。
その名前を三周ほどまわしてみんなで呼んでいって
名前を呼ぶワークの始まりです。

まず誰かが名前を呼びます。
呼ばれた人は両隣のどちらかをタッチします。
タッチされた人はまた誰かを呼びます。
この繰り返しです。
人から呼ばれてタッチをしないで
すぐに誰かを呼んでしまったりといったミスをしてしまいます。
名前を呼ぶこととタッチの切り替えがなかなか難しいワークでした。

意識を切り替えるというのが案外に難しいと感じるワークが多かったように思います。
他にそれぞれの人のポーズを決めて
みんなでリズムを作って
そのリズムに乗せて自分のポーズをして
次に誰かのポーズをする。
ポーズをされた人はまた自分のポーズをして
誰かにポーズを渡す。

数字を一から回して7のつく数字と7の倍数で
逆回りにするワーク。

「ミーチャの命令です」と言われて出された指示にだけ従うワーク。
例えば「ミーチャの命令です、歩け」と言われれば歩いていいのですが
何もなしで「止まれ」と言った場合は止まってはいけないのです。
途中でミーチャの命令を出すのを山口さんから参加者さんに譲られました。
「ミーチャの命令です。ものを拾って」
皆さん拾う。
「ポケットに入れて」
皆さんポケットにしまう。
しまった瞬間に「わー、やられたー」と。
ファインプレーでした。

自分の中での意識の切り替え。
相手に何かを渡す、受け取る。
全体の流れを感じてそこに参加しておく。

 

ファインプレーが生まれたところで少しの休憩をはさみ
三人組にわかれてのエチュード、即興芝居をしました。
役者さんそれぞれにお互いに内緒で設定・目的を与えてエチュードをしました。
例えばその設定・目的というのが
カニバリズムの夫婦で家に来る人を
食事を出して風呂に入れ家に泊めて
夜に食べてしまいたいのと
夫婦に対してとにかく布団を売る契約をとって
すぐに会社に戻って販売成績を上司に報告したいセールスマンの設定。
山口さんの設定の発想にも関心しましたが
それを演じる皆さんのやり取りが本当に面白くて
笑いが止まりませんでした。
おそらく設定・目的がそれぞれの人物で葛藤を生むようになっているので
それぞれの目的の押し引きが笑いを生んでいるのではないかと感じました。
シニア世代の即興の魅力。
新たな発見をしました。




演劇のいろんな要素が詰まったワークでした。

2011年11月30日水曜日

作品を発表する。

高槻シニアプレワークショップ最終日。
いつも通り体操と発声をして
作品完成に向けて最後の詰めです。

舞台セットをまず作ります。
家族の居間とバス停とバスの車内と病院と東大寺。
椅子が斜めに6列並べ、上手にテーブルと椅子。
バス車内のシーンや前後の構成を見据えて
役者さんの座り位置を決めます。
そして、車内のシーンを稽古しました。




 お客さんに向かって怒鳴るバス運転手のシーン。
小鳥のチョコレートを貰った話。
バナナ、バナナと騒ぐ子どもの話。

それぞれのシーンを何をきっかけにして始めるか。
段取りを決めてみんなで共有して実行する。
小さな事ですがそんな積み重ねがひとつの作品を支えていきます。


作品の最初に戻って朝の家族のシーン。
居間でテレビの音の大きさで話す祖父母と娘のシーンと
玄関で靴を履いた後に免許証が何のに気付いた旦那さんが
靴を脱ぐのがめんどうで奥さんに家の中を探してもらってたら
背広の内ポケットから免許証がみつかるというシーン。
この二つのシーンが同時並行で進みます。
旦那さんは仕事に向かい朝食。
テレビの内容を話す祖父。
みそ汁の野菜の皮が剥かれてないと娘。
野菜の皮に栄養があるのだと母。
何気ない会話ですが朝の家族の慌ただしさや
仲の良い微笑ましさが伝わってきます。


バス停のシーンの稽古。
知り合いかと思って声をかけたら人間違いだった。
周りにいた人から「あります、あります。」と声をかけられる。


バス停のシーンを飛ばして病院のシーン。
注射をされながら看護婦さんと会話。
横では残りの皆さんが椅子の下をくぐって行きます。
病院の会話の終わりのタイミングと皆がくぐり抜けるタイミングをはかって
東大寺の柱にある穴をくぐる話に移ります。
二つのシーンを行き来して絡まりながら構成されていきます。


最後に一日の終わりの夫婦の会話。
シュークリームをつまみ食いしている妻に
「体壊すで」と夫。
妻「私(お酒)飲めへんもん」
夫「あぁ、そうかぁ・・・」
夫の最後の一言の趣や、夫婦に流れる雰囲気が印象的です。


シーンの繋ぎ方や全体の流れ、シーンそれぞれの段取りを確認して
一度最初から最後まで作品を通してみます。


通し後に再度、筒井さんから段取りをスムーズにするための変更や
シーンのアクセントのための声の出し方の指示、
見え方を考慮しての立ち位置の変更などが伝えられいよいよ本番です。




全体として、ある主婦の一日として作品は構成されていますが
そこには物語がある訳ではありません。
しかし作品を見ていて何気ないやり取りから生まれた
声や動きによって心の隅っこの方をくすぐられた感じがしました。
印象に残って拾ってきた会話のその印象の核心みたいなものが
皆さんから伝わってきたからではないでしょうか。


八回と作品を作るには限られた時間でした。
しかし演劇の作品作りの原型みたいな事に関しては
みなさんに体験していただき達成されたと思います。
高槻シニア劇団の始まりの作品として
皆さんの胸の中に残るものになり大変良かったです。


ワークショップ終了後に近くの喫茶店で交流会をおこないました。
みなさんの演劇に対する熱意が垣間見えました。
次回からは山口茜さんのワークショップが始まります。
また新たな体験に向けてみなさんで動き始めましょう。

2011年11月23日水曜日

みんなでひとつの作品をつくる。

プレワークショップ7日目です。
いつも通り体操と発声を行なってさっそく最終日に向けてのパフォーマンス作りに入ります。
拾ってきた会話を書面にして持ってきている参加者さんもいて
みなさん、脚本を囲んで本格的に芝居作りをしている役者さんたちのようです。


みなさんの頑張りに筒井さんの指導にも熱が入ります。


二つのシーンを同時に行なったり
途中までシーンを進めて別のシーンを間に挿入してまたもとのシーンに戻したりと
演出的な工夫にもみなさんうまく対応されているように見えました。


みなさんの拾ってきた会話やパフォーマンスが魅力的で
欲張ってたくさんのシーンで作品を構成しているので
稽古を最終日に持ち越しとなったシーンもあります。
当初は劇団立ち上げに向けてお試しの期間として行なっていたプレワークショップですが
今や、お試しではなく一つの作品を作るチームとしてすでに動き出しているように見受けられます。
次回、筒井ワークショップ最終日。
最後まで濃密な時間を共有して魅力的な作品を完成させましょう。

2011年11月16日水曜日

作品構成、決まる。

筒井さんによるワークも6回目となりました。
最終日に向けて作品作りも佳境に入ってきました。
体操と発声のアップを済ませ、
今日はいつもより長く会話のワークに時間を割きました。


それぞれのチームに分かれての稽古風景。

葬儀の送迎バスにて。
携帯を持つ持たないという話から
「旦那さんに愛されているのよ」というところに話がまとまっていく。


電車の中にて、七五三帰りの家族。
駅名を聞き間違えて「バナナ、バナナ」と真ん中で騒いでいる男の子。
たっちゃんと名づけられましたが、かわいらしさに人気を博しました。

家族の朝食の風景。
テレビのボリュームや野菜の皮に栄養がある話。
にぎやかな朝の風景がなんとも微笑ましく感じます。

 
バスを待つ隣同士に座った二人。
知り合いではない二人に何気なく宗教の勧誘についての会話が生まれる。
バスが来て立ち上がる二人の感じが何とも言えず印象的でした。


 

お寺さんからの帰りの会話。
お寺の住職さんが代がわりしたそう。
これと言って何を語っているわけではないけれども、妙に気になるものがありました。

とある劇場の開演前のお年寄りの会話。
鳥の形のチョコレートを人からもらってそれがどこで売っているか知りたいと。
きっと教えてくれないでと返答され、鳥のチョコレートがどんなものか気になります。


 

これもとある劇場にて。
幕間に突然後ろに座っていたお客さんに芝居中足がお尻にあたっていたと怒鳴りだす人。
そこに関係ないお客さんが「そういう人は知識が無いんですわ」と絡んでいく。

ワークを重ねてきてたくさんの会話のシーンがそろいました。
最後に筒井さんからそのシーンをどう繋げていくかの発表がありました。
最後のパフォーマンスに向けて作品の骨格はできあがりました。
次週はその骨格に血肉をつけていく作業になります。
欲張って作品にたくさんの会話のシーンを盛り込んでいます。
果たして全体を通すとどんな印象にできあがっていくのでしょうか。



2011年11月9日水曜日

言葉をまわす。

高槻シニア劇団プレワークショップ5日目。
いつも通り体操と発声をしました。
体操は体感的につかみにくい胸まわりや股関節まわりの運動がありますが
なんとなく皆さんなりにつかみ始めているのではないでしょうか。
発声も短母音(声を腹筋で切って短く発声する方法です。瞬間的に大きな声を出すのに有効です。)なども行い段々レパートリーが増えてきています。
発声の一環として「私は」から始めて「昨日」「公園で」のような感じで
言葉をみんなでまわして物語を作るワークをしました。
まずは隣の人に回すことからはじめて、慣れてきたらランダムに言葉をまわします。
しかっりと相手を見て言葉をバトンタッチして声を届かせる。
言葉を考えることとバトンをしっかりと渡すことを同時に行なう。
物語も突拍子も無い方向に進んだりと面白いワークでした。


続いて会話のワークです。
今日はとりあえず持ち寄ったお話をチームで共有して稽古をします。






まずは一度作ったものを発表します。
話を持ってきた人がまず状況設定をして演じる。





電車の中での会話。



東大寺の柱にある穴についての会話。



バス運転手の接客の会話。




続いて状況説明を先ほど言葉をまわすワークを使って行ないます。
パフォーマンスのレパートリーもこのように増えていっております。
半分終わり残り3回。
どんなパフォーマンスができあがるのでしょうか。

2011年11月4日金曜日

高槻シニア劇団(仮称)設立のためのプレワークショップ  後期クラス募集


高槻シニア劇団(仮称)を目指して、2ヶ月で8回のワークショップを行います。
取り組む作品の趣味や指導者との相性、参加された方々との相性などを確かめるお試し期間です。
このワークショップを通して指導者やメンバーとのいい出会いが生まれれば、[劇団]として継続されていきます。
多くの皆さんのご応募お待ちしております。


<後期プレワークショップ日程> 12月6日スタート/毎週火曜日 午後2時〜4時 (1月3日は休講)

<参加費> 月額6,000円

<講師> 

山口茜(やまぐち あかね)
1977年京都府生まれ。03年第10OMS戯曲賞大賞受賞。07年若手演出家コンクー ル2006最優秀賞受賞。
07年~09年文化庁新進芸術家海外留学制度研修員。 近作に、京都芸術センター10周年記念式典(演出/三浦基)
への戯曲提供、トリコA演劇公演「クリスチネ」、アトリエ劇研演劇祭参加公演「せりふのないガラスの動物園」(共に劇作/演出)など。
NPO法人京都舞台芸術協会理事、龍谷大学国際文化学部非常勤講師。


<お問合せ・お申し込み> NPO劇研
〒606-0856 京都市左京区下鴨塚本町1 電話075−791−1235・ファックス075−791−1966 e-mail senior@gekken.net ホームページ http://www.gekken.net/senior/ 主催:特定非営利活動法人劇研/共催:財団法人高槻市文化振興事業団 

2011年11月1日火曜日

風景を作る。


プレワークショップ4回目です。


みなさん集られてお名前を確認し合ったり。
だんだんと打ち解け合ってきて和やかな雰囲気でワークが始まります。
まずは体操と発声を行い、向かい合っての挨拶のワークになります。


前回同様に挨拶をする度に一歩ずつ下がりその距離感で挨拶を交わしていきます。
しかし今回は壁まで離れたときの声のボリュームだけを維持して
体の状態やしゃべり方は実際の距離に修正して一歩ずつ近づいていく。
つまり、その空間の全てに届く声のボリュームで
実際の距離に合わせた体の動きとしゃべり方をする。
それは、舞台に立っているときに演技は実際の距離感で行い
声の大きさだけは見ている方に届くボリュームで出すことにつながります。
単純ですが確かにその通りで納得しました。



















次にポーズを取るワークの発展系です。
今回は全員で一つの風景を作り上げました。
ルールはスローで動き、しゃべらず周りの動きを感じ
できるだけネタがかぶらないようにポーズを作っていく。
上の写真は運動会の風景です。
公園、バス停、電車、同窓会とお題が出ての最後の風景でした。
みなさん周りの動きを感じながら立ち位置なども考えて作られていました。




















続いて会話のワークです。
こちらも発展して演じる人の他に風景を作る人も加わりました。
会話の設定を説明している間にスローで風景を作っていく。
パフォーマンスとしての質が高まったように感じました。


筒井さんから最後に舞台上での声や立ち位置、
会話の状況を伝える演技や演出は
演じている側はわかっているので省略してしまう事があるが
見る側にとっては知らない事やはじめてのことなので
どう見えているか考えながら
見ている側の想像を刺激できるよう演じていきましょうという助言をもらいました。
次回から後半戦、どんなパフォーマンスに仕上がっていくか楽しみです。

2011年10月25日火曜日

声を届ける。

ワークショップ三回目、まずは体操をを丁寧に。

基本姿勢から始まります。肩幅に足を開きつむじから上に糸が出ていて背骨が引っ張られる意識を持って立つ。

引っ張られていることを意識しすぎて胸を反らせすぎないように注意して地面から天井へまっすぐ立つ。

この基本姿勢をスタート地点にして、各種体操をしていきます。 まずは腰を前後左右にゆるめてきます。

筒井さんの体操は筋を伸ばすことが目的ではなく、力を抜いて緩めていくことが目的になります。

それゆえ例えば、前屈で床に無理して手をつける必要はなく それよりも力をぬくために呼吸を止めないで、緩んでいる体を感じることが大切になってきます。

腰の次に肋骨を緩めていきます。

体操をする時に肋骨、つまりは胸の部分の運動というのは見落としがちではないでしょうか。

しかし声を出すということにおいて、肺や横隔膜は肋骨に深い関係があるので胸の部分の運動はとても大事です。

肋骨の運動を3パターン。

肋骨を一つの四角い箱だとイメージして、上の肩のラインと下の横隔膜のライン平行に左右にずらし肋骨の側面のジャバラの部分を広げる運動。

指→手首→肘→肩と順番に回していき、肩を回すのと連動させて肋骨を前後に動かす運動。

手を体の前で交差して手を握り、前に伸びていき、肋骨の左右をたたんでいくイメージで緩めていく運動。

次に股関節を緩める運動です。

緩める方の足をまっすぐ伸ばし骨盤と大腿骨の間にボールがあるイメージで骨盤をまわして間のボールを転がしていき股関節を緩める運動。

最後に下半身を45度ねじって屈伸をし、基本姿勢から天井に向かって体を伸ばして終わりました。

言葉で説明するとわかりにくい部分もありますが、実際自分の体の状態を感じながら運動の感覚をつかんでいくことが重要なようです。

次にストレッチとコミュニケーションを併せ持った質疑応答の二人組のストレッチ。

3回目ともなると皆さんの雰囲気もだんだんと打ち解けてきたように感じます。






体がしっかりあたたまったところで発声です。

まずは基本姿勢で立ち、視線を少し高めに固定して顎をあげすぎないように注意しつつハミング。

喉があたたまったところで、二人組で向かいあい、声を届かせるワークにうつります。

最初は2~3mの普通の距離で向かい合い互いにあいさつします。

あいさつをする度に一歩ずつ下がり距離をとっていき、その距離であいさつを届けます。

壁際まできたら実際いる場所からさらに5m後ろに相手がいるとイメージしてあいさつ。

次は100m後ろに相手がいるとイメージしてあいさつを。

そのあとまた、あいさつしながら一歩ずつ前に進んで近づいていきます。

狙いとしては相手との距離を感じながら声を届けることにあるのでしょうが、

あいさつをするテンポ、リズムに自然と全体としての一体感が生まれてきたように見えて面白く感じました。

最後に普通の距離まで戻ってきたら、その距離で100m向うに相手がいるとイメージしてあいさつをしました。

舞台上では、実際の相手との距離を感じながら客席にも声を届ける必要があります。

その意味で実際の距離とイメージの距離を使い分け、調整・コントロールするワークが重要になってきます。






前回のワークでは二人組のポーズを作りましたが、 今回は発展して3~4人のチームでポーズをとって一つのテーマをつくります。

ルールは前回同様しゃべらずアイコンタクトで周りの動きを感じること。

今回は人数が増えたので、ポーズになるまでの動きをスローにして相手に伝えつつ感じるというワークになります。

またテーマが出されてから動き出しの合図が出るまでに考える時間が与えられます。

チームを3つにわけて、とんかつ定食・自転車・掃除機・腕時計・ラジカセ・仏壇とテーマが出されていきます。

できあがったポーズもさることながら、スローの動きもなかなか面白いものがありました。






ここで短い休憩をとり前回やった会話のワークの発展形です。

まず、会話を拾ってきた人は演じてもらう人に会話の内容を伝えずにセリフだけを伝えて、覚えてもらうため少し練習します。

セリフがある程度入ったところで発表です。

発表はまず会話を拾ってきた人がまず前の出て状況や時間や場所や関係性を説明します。

つまり演じる人はそこではじめてシーンの設定に出会い演じ始める状況になります。

事前の準備をわざと不足させることにより、演技に即興的な部分が生まれるように感じました。

発表が進むにつれ説明の部分で詳しくディテールを伝える必要や関係性を伝えるために演技を考える必要があるのではないかといった意見が出てきました。






ワークを終え最後に筒井さんからこれからのワークショップの予定が語られました。

今やっている会話のワークを続けていき、最終的にパーツをつなげてのパフォーマンスを作っていこうということです。

そのために次回からは演出的なことも発表の際に加えながら進めていかれるそうです。

具体的にはまず、今の発表では声が目の前にいる相手までの距離で届けられているが 観ている人にまで届く声にしていきたいとのことでした。

ワークショップのイントロダクションを終え、次回から最後に向けてパフォーマンスのことをふまえながら進んでいくようです。

最終的にワークショップを通してどのように皆さんが変わっていくのか、今から楽しみです。

2011年10月18日火曜日

脚本との向き合い方について。







今日は二回目のプレワークショップでした。

前回に引き続きストレッチからはじまります。

ストレッチと書いていますが、筒井さん曰く柔軟体操ではないの伸ばすという意識よりも力を抜いて体を緩めていく。

緩んでいく体を体感できるかどうかを大事にされているように思います。

主に緩めているのは腰と胸骨と股関節になります。

つまりは体幹ですね。

確かに体の中心軸が緩んでいたほうがさまざまな状況に対応しやすくなります。

筒井さんは体の表現への興味が高いのではないかという印象を受けます。

つづいて発声練習。

喉をあたためることを目的にハミングと口の先を震わせる発声です。

あくまで基礎のキソで留意点は声を出しているときに頭蓋骨が揺れていることを意識すること。

前回おこなった会話しながらの二人組ストレッチを

先週とは違うペアでおこない参加者さん同士の親睦を深めていきます。

体を動かしながら触れ合いながらおしゃべりをするというのは

ただしゃべるよりも親近感がわきやすいように感じれました。

ペアは固定で次のワークです。







ポーズでコンタクトするワークです。

筒井さんが出す「犬と猫」といったペアにくくれるお題がだされ

二人でできるだけ早くかぶらないように

しゃべらずアイコンタクトのみでポーズをするワークです。

ペアの相手を意識すること、自分の体の状態を意識すること

瞬間的にポーズを発想する反射神経、全体の構図としての立ち位置などを意識すること。

同時に意識することがたくさんあって、なかなか刺激的なワークで盛り上がりました。

出されるお題も「犬と猫」「山と川」「月と太陽」「布団と枕」といったものからはじまり







だんだんと「魚と釣り人」「仏像とお坊さん」「侍と町人」「指揮者とピアニスト」「先生と生徒」といった人としてのお題が

ではじめ

最後に「おじいさんと孫」「親子」「夫婦」「同級生」「男と女」「他人」と関係性にこだわったお題に進みました。

体を使ってポーズによって関係性を表現するということ。

たとえば他人という関係性。

やりやすい関係性とやりにくい関係性があったようですがその差はどこからきているのか。

興味深いワークでした。







休憩をはさんで宿題を使ったワークにはいります。

印象に残った会話をひろってくる。

まずは拾ってきた会話を発表します。

紹介された会話は「年賀状についての会話」「試験勉強についての会話」「カラオケとマッサージについての会話」。

詳しい状況設定や登場人物に関する情報は隠しておいて

会話のやりとりの言葉だけを発表しました。

その言葉をもとにチームにわかれて場所や時間やキャラクターを想像しながら

そのやりとりをどう演じるかを創作し発表しあいました。

言葉だけでは何気ない会話なのですが、役者さんが実際目の前で演じられると

なんとも言えない面白みが生まれてくるのは不思議なものです。

発表を終えた後、演じた方が何を面白く感じてこだわって演じたのかと

実際会話を拾ってきた方がその会話のどこに印象を受け面白みを感じたのかを

すり合わせてみるとそこに差が生まれていました。

それは当たり前のことですが実際のシチュエーションと舞台で表現されたものが違っていても、それはそれで面白いと思います。

筒井さん曰く、会話のワークでは実際に脚本をもらった時に、どうやってセリフを体や関係性でしゃべるのかを試しに体験してもらいたかったとのことでした。